豊浦町

北海道虻田郡の町

豊浦町(とようらちょう)は、北海道胆振総合振興局の最も西に位置する町。 1932年(昭和7年)に弁辺村から豊浦村に改称後、1947年(昭和22年)に町制を施行した[1]

とようらちょう ウィキデータを編集
豊浦町
内浦湾と豊浦市街地
地図
豊浦町旗 豊浦町章
1947年7月1日制定
日本の旗 日本
地方 北海道地方
都道府県 北海道胆振総合振興局
虻田郡
市町村コード 01571-7
法人番号 5000020015717 ウィキデータを編集
面積 233.57km2
総人口 3,503[編集]
住民基本台帳人口、2024年11月30日)
人口密度 15人/km2
隣接自治体 虻田郡洞爺湖町
後志総合振興局:虻田郡ニセコ町真狩村寿都郡黒松内町磯谷郡蘭越町
渡島総合振興局山越郡長万部町
町の木 ウメ
町の花 キク
他のシンボル -
豊浦町役場
町長 杉谷佳昭
所在地 049-5492
北海道虻田郡豊浦町字船見町10番地
北緯42度35分00秒 東経140度42分43秒 / 北緯42.58342度 東経140.71192度 / 42.58342; 140.71192座標: 北緯42度35分00秒 東経140度42分43秒 / 北緯42.58342度 東経140.71192度 / 42.58342; 140.71192
豊浦町役場(2009年9月)
外部リンク 公式ウェブサイト

豊浦町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト
テンプレートを表示

地理

編集

南側は内浦湾(噴火湾)に面し断崖が多く、北側は山林地帯となっている。

  • 山: 昆布岳(1045.1m)、西昆布岳(804.1m)、金山(500.9m)、ペタヌ山(460.8m)、小花井山(418.4m)、幌扶斯山(ほろふしやま)(412.5m)、大西山(203.2m)
  • 河川: ベンベ川、貫気別川、新山梨川、オロエンヌキベツ川、ポンベツ川、上泉川、ベタヌ川、ポン別川、壮滝別川、壮滝別奥川、小鉾岸川(おふけしがわ)、豊泉川、ペタヌ川、芝伏川、昆布川、新富川、一の沢川、礼文華川、峠川、目名川
  • 岬: ベベシレト岬、イコリ岬、茶津崎
  • その他: 礼文華海岸、ポンベツの滝

気候

編集
豊浦町(大岸)
雨温図説明
123456789101112
 
 
79
 
-1
-9
 
 
69
 
-0
-9
 
 
61
 
3
-5
 
 
73
 
9
0
 
 
88
 
14
5
 
 
74
 
18
11
 
 
116
 
21
16
 
 
172
 
24
17
 
 
148
 
21
12
 
 
114
 
15
5
 
 
95
 
8
-1
 
 
84
 
2
-6
気温(°C
総降水量(mm)
出典:[1]
インペリアル換算
123456789101112
 
 
3.1
 
31
16
 
 
2.7
 
32
16
 
 
2.4
 
38
23
 
 
2.9
 
49
32
 
 
3.5
 
58
41
 
 
2.9
 
64
51
 
 
4.6
 
70
60
 
 
6.8
 
75
63
 
 
5.8
 
70
53
 
 
4.5
 
60
41
 
 
3.7
 
47
31
 
 
3.3
 
36
22
気温(°F
総降水量(in)

ケッペンの気候区分では亜寒帯湿潤気候(Dfb)に属する。沿岸部の気候は温暖であるが、冬は積雪量がかなり多く、特別豪雪地帯となっている。

大岸(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 8.4
(47.1)
13.0
(55.4)
14.8
(58.6)
21.7
(71.1)
28.7
(83.7)
29.3
(84.7)
33.6
(92.5)
32.7
(90.9)
30.4
(86.7)
25.6
(78.1)
22.3
(72.1)
14.7
(58.5)
33.6
(92.5)
平均最高気温 °C°F 0.1
(32.2)
0.6
(33.1)
4.3
(39.7)
10.3
(50.5)
15.5
(59.9)
19.0
(66.2)
22.8
(73)
24.7
(76.5)
22.3
(72.1)
16.4
(61.5)
8.9
(48)
2.1
(35.8)
12.3
(54.1)
日平均気温 °C°F −4.0
(24.8)
−3.6
(25.5)
0.0
(32)
5.2
(41.4)
10.4
(50.7)
14.8
(58.6)
19.1
(66.4)
20.7
(69.3)
17.2
(63)
10.6
(51.1)
4.1
(39.4)
−1.8
(28.8)
7.7
(45.9)
平均最低気温 °C°F −8.8
(16.2)
−8.7
(16.3)
−4.9
(23.2)
−0.2
(31.6)
5.3
(41.5)
11.0
(51.8)
15.9
(60.6)
17.1
(62.8)
12.3
(54.1)
5.2
(41.4)
−0.6
(30.9)
−6.0
(21.2)
3.1
(37.6)
最低気温記録 °C°F −20.3
(−4.5)
−20.6
(−5.1)
−17.0
(1.4)
−10.0
(14)
−2.8
(27)
2.2
(36)
6.7
(44.1)
7.9
(46.2)
2.5
(36.5)
−3.0
(26.6)
−11.5
(11.3)
−20.0
(−4)
−20.6
(−5.1)
降水量 mm (inch) 70.2
(2.764)
64.2
(2.528)
59.5
(2.343)
69.2
(2.724)
94.8
(3.732)
84.8
(3.339)
134.1
(5.28)
162.2
(6.386)
149.1
(5.87)
108.5
(4.272)
107.1
(4.217)
87.3
(3.437)
1,190.9
(46.886)
降雪量 cm (inch) 158
(62.2)
137
(53.9)
94
(37)
8
(3.1)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
37
(14.6)
134
(52.8)
571
(224.8)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 16.9 14.8 12.8 10.1 10.2 8.6 10.3 11.0 11.1 12.4 14.6 17.4 150.1
平均月間日照時間 105.9 109.0 152.5 188.1 191.9 149.2 124.5 141.5 166.9 155.6 111.8 99.0 1,696
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[2]

隣接している自治体

編集

町名の由来

編集

旧地名は「弁辺」(べんべ、古文書の旧字体では「辧邊」と表記)であった。

この地名は、山田秀三によると、アイヌ語の「ペウンペ(pe-un-pe:水・ある・ところ)」「ペペナイ(pe-pe-nay:水・水・川)」あるいは「ペペ(pe-pe:水・水)」に由来すると解釈されている[3]。また、1973年(昭和48年)に国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』では、「豊浦」の項で「弁辺」について、「ペッペッ(pet-pet)」(川・川=小さい川が集まったところ)と解釈している[4]

しかし後年「ごろが悪い[4]」として「豊浦」に改名された[3][5]。「豊浦」の由来について町では「農産、水産業が豊かな内浦湾に面していることから」と紹介している[6]

歴史

編集

北海道では明治20年代から本土の移民が増加し、豊浦町でも内陸部の開拓に伴い移民の受け入れを行い、宮城県からの団体移民や明治40年の大水害で被災した山梨県の入植団など町域の各地に和人が入植した。しかし、いずれも定着できないままに衰微した。

沿革

編集

字名

編集
  • 1932年(昭和7年)4月1日に字名改正が実施され、小字が廃止され大字と小字の中間的な「字」が設置された[7]
  • それぞれの小字の大字名は豊浦町史に記載無し。

字名改正

編集
実施後 実施前
字東雲町 字チャス、ポンベンベ、アクナイ
字旭町 字上石河原、アリトル、弁辺、チャス
字船見町 字弁辺
字海岸町 字弁辺、石河原
字幸町 字弁辺
字浜町 字小花井、ナカリナイ、ヌツキベツ
字桜 字カニオハナイ、小花井、ノブシマキ
字大和 字貫気別
字美和 字ヌツキベツ、弁辺原野
字山梨 字ヌツキベツ、弁辺原野、ソータクネベツ
字高岡 字フルベシ、アツカンロクス、学田、更志別
字新山梨 字弁辺原野
字上泉 字弁辺原野
字豊住 字メナシンケ、ヌツキベツ
字大岸 字小鉢岸、ベタス
字礼文華 字礼文、トリフシナイメナ、チャス
字新富 字上昆布、上昆布原野

行政

編集

経済

編集

産業

編集

気候が対馬海流津軽暖流)の影響で夏は涼しく冬は比較的温暖であり、地勢も大半が丘陵地帯であることから、農業水産業を基幹としている[6]

農業面では、全道的に知られたイチゴの産地であり、ジャガイモ水稲アサツキ(生産量全道一)の生産もある。また、乳牛肉牛養豚といった畜産にも力を入れており、特に豚肉は全道一の生産量である[6]

水産業では、同町礼文華地区が内浦湾におけるホタテの養殖発祥地であることもあり、漁業者の約7割がホタテ養殖に携わり、町の全漁獲量の約8割を占める[6]。このほか、サケ・カレイ・カニ(毛ガニ)・ウニが水揚げされる[6]

立地企業

編集

農協・漁協

編集

郵便局

編集
  • 豊浦郵便局(集配局)
  • 大岸郵便局(集配局)
  • 礼文郵便局

宅配便

編集

公共機関

編集

警察

編集
  • 伊達警察署豊浦駐在所
  • 伊達警察署大岸駐在所
  • 伊達警察署礼文華駐在所

地域

編集

人口

編集
 
豊浦町と全国の年齢別人口分布(2005年) 豊浦町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 豊浦町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
豊浦町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 7,519人
1975年(昭和50年) 6,769人
1980年(昭和55年) 6,424人
1985年(昭和60年) 6,112人
1990年(平成2年) 5,790人
1995年(平成7年) 6,121人
2000年(平成12年) 5,286人
2005年(平成17年) 4,771人
2010年(平成22年) 4,533人
2015年(平成27年) 4,291人
2020年(令和2年) 3,821人
総務省統計局 国勢調査より


消滅集落

編集

2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている[8]

  • 豊浦町 - 字青山

教育

編集
小学校
中学校

交通

編集

鉄道

編集
北海道旅客鉄道(JR北海道)

バス

編集

タクシー

編集
  • 豊浦ハイヤー

道路

編集
高速道路
一般国道
都道府県道
広域農道
  • 胆振西部広域農道
道の駅

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

編集

文化財

編集
  • アイヌ祭祀具一式(佐茂家) - 中央公民館
  • カムイチャシ - 豊浦町カムイチャシ史蹟公園、国の名勝

観光

編集
 
噴火湾展望公園から見る豊浦町市街地

祭事・催事

編集
  • 大岸冬まつり(2月
  • いちご豚肉まつり(6月
  • 豊浦漁港豊漁まつり(10月

名産品

編集

出身有名人

編集

脚注

編集
  1. ^ 胆振総合振興局”. 胆振総合振興局. 2024年12月9日閲覧。
  2. ^ 大岸 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月29日閲覧。
  3. ^ a b アイヌ語地名リスト ツキサ~トヨコ P81-90P”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年11月24日閲覧。
  4. ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、65頁。ASIN B000J9RBUY 
  5. ^ 一説には名称が北海道方言の「べべ(女陰)」に似ているためとされる。
  6. ^ a b c d e 豊浦町の産業”. 豊浦町. 2019年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月4日閲覧。
  7. ^ 豊浦町史 第3編行政 第4章混乱期の行政 村名の改称 380・381頁
  8. ^ 総務省統計局統計調査部国勢統計課平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》』(CSV)(レポート)総務省、2017年1月27日https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files/data?fileid=000007841019&rcount=12017年5月20日閲覧 ※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。

外部リンク

編集