セゾン美術館
セゾン美術館(セゾンびじゅつかん、Sezon Museum of Art)は、かつて東京都豊島区南池袋の西武百貨店池袋店(後の西武池袋本店)内に所在した美術館。1975年(昭和50年)開館、1999年(平成11年)閉館。
セゾン美術館 Sezon Museum of Art | |
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かつてセゾン美術館が置かれていた、西武百貨店池袋店別館(2000年撮影) | |
施設情報 | |
正式名称 | セゾン美術館 |
前身 | 西武美術館 |
開館 | 1975年9月 |
閉館 | 1999年2月22日 |
所在地 | 日本 東京都豊島区南池袋 1-28-11 西武百貨店池袋店別館 |
位置 | 北緯35度43分40秒 東経139度42分42秒 / 北緯35.72778度 東経139.71167度座標: 北緯35度43分40秒 東経139度42分42秒 / 北緯35.72778度 東経139.71167度 |
最寄駅 | 池袋駅 |
プロジェクト:GLAM |
セゾン美術館開館と同時に、併設して美術書専門書店「アール・ヴィヴァン(ART VIVANT)」が開店[1]。前衛美術専門書など書籍のほか、現代音楽のレコードなども取り扱い、当時の日本では入手困難だった音源を紹介した。美術館の閉館に先立ち1995年に閉店した[1]。
概要
編集1975年に西武百貨店池袋店の第9期増築が完了し、最上階に堤清二による「時代精神の根拠地」の宣言に基づき[4]「西武美術館」として開館。1989年10月に「SMA館」への移転に伴い「セゾン美術館」に改称された[5]。改称の前後で美術館のコンセプトに大きな変更はなされていない。なお、本来「セゾン」のラテン文字表記は「Saison」だが、本館に限って「Sezon」となっている理由は不明(セゾン現代美術館の英語表記も同様の表記)。
美術館として独立した建物になっておらず、本店の建物(現在の別館)の中に入っており、2階分の構造となっていた。百貨店系にしては高めの天井で、レイアウト的にも極めて自由の利く構造を持っていた。また壁の移動のみならず、入り口を1階と2階のいずれにすることもできた上に、1階と2階を完全に仕切って別々の企画を行うこともできるなど、用途に応じ使い分けていた。
企画の対象は他の百貨店系の美術館(美術スペース)とは異なり、20世紀の内外の美術(建築、写真、デザイン等を含み、主として前衛美術)に特化しており、国立の近代美術館レベルの企画も数多く行った。展示スペースも20世紀美術(特に第二次世界大戦後の美術)を意識するなど、世界の現代美術を日本に紹介した[4]。
各展覧会のポスター、展覧会カタログ、チラシ、チケット等のデザインについても力を入れており、当初は田中一光、のちには松永真を採用して、他の美術館に先駆けてトータルなイメージ作りを行った点にも大きな特徴がある。百貨店の宣伝的機能をはるかに超え、利益を度外視したいわゆる「メセナ」活動というべき展開を示した。これは堤清二の意向を強く反映しているといわれる。
しかしバブル崩壊後の経済状況により百貨店の事業整理が始まり、1992年には西友の管轄となり[6]、同年、西武百貨店会長に就任し改革を断行した和田繁明[注釈 1]の決断により[7]、1999年に閉館となった。跡地は北欧家具・雑貨ショップ「イルムス」を経て無印良品へと変遷している。
閉館した1999年から数年間、セゾン美術館の学芸員が東京・青山にセゾンアートプログラムという企画団体を組み、展覧会の企画運営などを行った。
セゾングループが蒐集し、西武美術館・セゾン美術館が開催した展覧会で展示された美術作品は、軽井沢のセゾン現代美術館に収蔵・展示されている。
開催された主な展覧会
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b アール・ヴィヴァン《ART VIVANT》 デジタル大辞泉プラス、コトバンク
- ^ “特別講座 美術館は静かにどこへ向かうのか 第一回 美術館の閉館は誰の問題か?” (PDF). 美学校 (2015年1月26日). 2018年12月30日閲覧。
- ^ “日本の美術展覧会記録1945-2005”. 国立新美術館. 2018年12月30日閲覧。(船橋西武美術館)
- ^ a b 『セゾンの挫折と再生 Series SAISON 2』p.219
- ^ セゾン美術館 現代美術用語辞典 artscape
- ^ 『セゾンの挫折と再生 Series SAISON 2』p.221
- ^ 『セゾン文化は何を夢みた』p.192
- ^ “日本の美術展覧会記録1945-2005”. 国立新美術館. 2018年12月30日閲覧。(西武美術館)
- ^ “日本の美術展覧会記録1945-2005”. 国立新美術館. 2018年12月30日閲覧。(セゾン美術館)
参考文献
編集- 由井常彦、田付茉莉子、伊藤修 『セゾンの挫折と再生 Series SAISON 2』 山愛書院、2010年。ISBN 4434143131
- 永江朗 『セゾン文化は何を夢みた』朝日新聞出版、2010年。ISBN 4022505389
関連項目
編集外部リンク
編集- セゾン現代美術館
- (公財)セゾン文化財団
- 西武美術館/セゾン美術館 - 美術手帖
- 森の中の美術館”Google Arts & Culutre(作成 : セゾン現代美術館) - 西武美術館〜セゾン美術館の展示内容についても触れられている