裏 (論理学)
ある命題の仮定と結論をそれぞれ否定して得られる命題
「p⇒q」という形の命題に対して、命題「¬p⇒¬q」を、元の命題の裏(うら、英: Inverse)という。
ある命題「p⇒q」とその裏「¬p⇒¬q」の真偽は必ずしも一致しない。 しかし、ある命題「p⇒q」の逆「q⇒p」と裏「¬p⇒¬q」とは対偶の関係にあるので、その真偽は一致する。 日常生活では、「ならば」の意味など、裏も必ず真であるような誤謬をすることがある。(前件否定)
推論規則の二重否定の除去「¬¬p ⊢ p」により、裏「¬p⇒¬q」の裏「¬¬p⇒¬¬q」から元の命題「p⇒q」を演繹できる。推論規則の二重否定の導入「p ⊢ ¬¬p」により、元の命題「p⇒q」から裏の裏「¬¬p⇒¬¬q」を演繹できる。したがって、元の命題「p⇒q」とその裏の裏「¬¬p⇒¬¬q」との真偽は一致する。
例
編集脚注
編集関連文献
編集- 前原昭二『記号論理入門』安東祐希 補足(新装版)、日本評論社〈日評数学選書〉、2005年12月。ISBN 978-4-535-60144-4。
- 矢野健太郎『新しい数学』岩波書店〈岩波新書 青版 G-8〉、1966年2月21日。ISBN 4-00-416008-1。
関連項目
編集外部リンク
編集- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『裏』 - コトバンク
- 逆と裏の問題 - ウェイバックマシン(2011年11月13日アーカイブ分)
- Sakharov, Alex; Weisstein, Eric W. "Propositional Calculus". mathworld.wolfram.com (英語).