行きゅんにゃ加那』(いきゅんにゃかな)は北部奄美の代表的な島唄の一つ。作詞、作曲共に不詳。単純なメロディーであるため三線の稽古で最初にくることが多く、また奄美出身の歌手によく歌われる曲である。行きゅんにゃ加那節行きゅんな加那節行きゅんな加那

男女の別れを歌ったという説と生者と死者の別れを歌ったという説がある。 そのルーツは本土系の数え歌にあるという。

歌詞

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様々なヴァリエーションが存在する。以下は比較的広く知られている歌詞である。

標準語訳
行(い)きゅんにゃ加那(かな)
吾(わ)きゃ事忘(くとぅわす)れて 行きゅんにゃ加那
打(う)っ発(た)ちゃ 打っ発ちゃが 行き苦(ぐる)しや
ソラ行き苦しや
阿母(あんま)と慈父(じゅう)
物憂(むぬめ)や考(かんげ)えんしょんな 阿母と慈父
米取(くむとぅ)てぃ 豆(まむ)取てぃ 召(み)しょらしゅんど
ソラ召しょらしゅんど
目ぬ覚めて
夜(ゆる)や夜(ゆ)ながと 目ぬ覚めて
汝(な)きゃ事 思(う)めばや 眠(ねい)ぶららぬ
ソラ眠ぶららぬ
鳴(な)きゅん鳥(とぅい)小(くわ)
立神沖(たちがみうき)なんて鳴きゅん鳥小
吾(わ)きゃ加那(かな) やくめが 生(い)き魂(まぶり)
ソラ生き魂
行ってしまうのですか愛しい人
私の事を忘れていってしまうんですか愛しい人
発とう発とうとして行きづらいのです


お母さん、お父さん
物思いして考えないでください
豆を取って、米を取って食べさせてあげますから


目が醒めて
夜中中目が醒めて
あなたの事を思って眠れません


鳴いている鳥は
立神の沖の方で鳴いている鳥は
私の愛しい人の生霊にちがいない

行きゅんにゃ加那のソフト化

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以下の歌手により歌われたものがリリースされている。