藤縄謙三
藤縄 謙三(ふじなわ けんぞう、1929年12月15日[1] - 2000年10月4日[1])は、日本の西洋古典学者。京都大学名誉教授。専門は古代ギリシア史[1]、ホメロスからエウリピデスまでの古代ギリシア思想史・社会史・文化史の研究を行った。京都大学学術出版会の『西洋古典叢書』発足刊行にも中心的な役割を果たした。
経歴
編集新潟県生まれ[2]。旧制新潟高校を経て[1]、1953年京都大学文学部史学科卒[2]、1955年同大学院文学研究科修士課程修了[2]。同年9月に同博士課程退学後[2]、大阪府立大学教育学部助手[2]。同大学教養部助手、講師、助教授を経て[2]、1970年に京都大学助教授に就任[2]。1979年同教授[2](西洋史学第一講座)。1993年に京都大学を定年退職[2]、同大学名誉教授[2]、京都女子大学教授[2]。
2000年春にトゥキディデス『歴史 1』を翻訳刊行するが、半分を訳し終えたところで死去した[1]。第2巻は、2003年に弟子に当たる城江良和の訳で刊行された。弟子には南川高志(古代ローマ史専攻、京都大学名誉教授)らがいる。
著作
編集- 『ホメロスの世界』 至誠堂新書、1965年/改訂版 角川文庫、1975年
- 増訂版 新潮選書、1996年/復刻版 魁星出版、2006年
- 『ギリシア神話の世界観』 新潮選書、1971年 - 新版刊
- 『ギリシア文化と日本文化 神話・歴史・風土』 角川書店、1974年
- 力富書房、1988年/平凡社ライブラリー、1994年 - 各・改訂版
- 『歴史学の起源 ギリシア人と歴史』 力富書房、1983年 - 論文集
- 『ギリシア文化の創造者たち 社会史的考察』 筑摩書房、1985年 - 論文集
- 『歴史の父 ヘロドトス』 新潮社、1989年
- 『ヘロドトス』 魁星出版、2006年 - 復刻版
- 編著
- 『ギリシア文化の遺産』 南窓社、1993年
- 翻訳
- 『トゥキュディデス 歴史〈1〉』 京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、2000年
出典
編集- ^ a b c d e 大戸千之「<訃報>本会元理事長 藤縄謙三先生を偲ぶ」『史林』第84巻第2号、史学研究会 (京都大学文学部内)、2001年3月、321-322頁、CRID 1390853649776622208、doi:10.14989/shirin_84_321、hdl:2433/239643、ISSN 0386-9369、2024年6月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 藤縄謙三「藤縄謙三教授略年譜・著作目録」『史窓』第059巻、京都女子大学史学研究室、2002年2月、105-106頁、CRID 1050564287529653504、hdl:11173/716、ISSN 0386-8931。