藤本拓
藤本 拓 (ふじもと たく、1989年9月11日 - ) は、山口県周南市出身の元陸上競技選手。専門は長距離走・マラソン。高水高校、国士舘大学卒。トヨタ自動車に所属した。
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![]() マラソングランドチャンピオンシップ (2019年9月15日撮影) | ||||
選手情報 | ||||
フルネーム | 藤本 拓 | |||
ラテン文字 | Taku Fujimoto | |||
国籍 |
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競技 | 陸上競技 | |||
種目 | 長距離走・マラソン | |||
所属 | トヨタ自動車 | |||
大学 | 国士舘大学 | |||
生年月日 | 1989年9月11日(35歳) | |||
出身地 |
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身長 | 166cm | |||
体重 | 54kg | |||
自己ベスト | ||||
1500m | 3分47秒21 (2011年) | |||
5000m | 13分27秒34 (2020年) | |||
10000m | 28分02秒54 (2021年) | |||
20km | 56分52秒 (2020年) | |||
ハーフマラソン | 1時間00分06秒 (2020年) | |||
マラソン | 2時間07分57秒 (2018年) | |||
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経歴
編集学生時代
編集小学6年生の時、地元のスポーツ少年団で陸上を始める。高校時代は故障がちであったが、3年時にはインターハイ5000mに出場している[1]。
大学入学後も故障が相次いだが、2年時の秋から急成長。3年時の関東インカレ1部5000mでは、村澤明伸や鎧坂哲哉といった大学陸上界のエースたちを破り優勝。4年時も同種目で村澤・鎧坂や大迫傑などを抑えて2連覇を達成した[2]。上記のようにトラック種目では好成績を残したが、ロードレースは苦手としており、駅伝は3年時の第42回全日本大学駅伝に出場したのみ(1区区間8位)で、箱根駅伝は3年時まで予選会すら未経験であった。
4年時の夏合宿からロード練習に取り組み、人生初の30km走も完走した。第88回箱根駅伝予選会では、チーム内3番手の個人22位と好走。母校の3年ぶりの予選通過に貢献した。本戦では3区を担当し、区間3位の好走を見せた。
実業団時代
編集大学卒業後はトヨタ自動車に入社。ニューイヤー駅伝では主に1区を担当し、2014年の第58回大会は区間3位。翌2015年の第59回大会では区間4位の走りでトヨタ自動車の4年ぶり2回目の優勝に貢献した。
苦手としていたロードレースにも徐々に対応し、2017年の全日本実業団ハーフマラソンでは1時間01分53秒で日本人トップの4位入賞[3]。
2018年3月の第73回びわ湖毎日マラソンで初マラソンに挑戦。25Km過ぎまで先頭集団についたがその後は大きくペースを落とし、2時間15分台の15位(日本人7番手)に留まった[4]。
しかし同年10月のシカゴマラソン2018では、30Kmまで大迫傑らの先頭集団に食らいつき、2時間07分57秒の8位でフィニッシュ。ワイルドカードでマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場権を獲得した[5]。2019年9月のMGC本戦では38Km手前で先頭集団から脱落し、9位に終わった[6]。
同年12月、MGCファイナルチャレンジとなる第73回福岡国際マラソンに出場。日本記録を上回るペースでレースを進め、25km以降はエルマハジューブ・ダザ(モロッコ)との一騎打ちとなったが、30Kmでダザがスパート。終盤はずるずるとペースが落ち、日本人トップの2位に入ったもののタイムは2時間09分36秒に留まった[7][8]。大会翌年の2020年夏、ワールドアスレティックスの独立監視機関「インテグリティー・ユニット」は、ダザにドーピング違反があったことを認定。大会事務局は2021年5月11日、第73回大会におけるダザの優勝を取り消し、2位以下で完走した選手の順位を1つずつ繰り上げると発表。改めて優勝者に認定され、マラソン初優勝となった。
2020年2月の丸亀ハーフマラソンでは、従来の日本記録を11秒上回る1時間00分06秒で日本人2番手の4位入賞を果たす。
2021年6月の第105回日本選手権5000mでは13分38秒74で7位入賞。
主な戦績
編集年 | 大会 | 種目(区間) | 順位 | 記録 | 備考 |
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2010 | 第89回関東インカレ | 5000m(1部) | 優勝 | 13分38秒68 | |
2011 | 第90回関東インカレ | 5000m(1部) | 優勝 | 13分49秒69 | 2連覇 |
2012 | 第88回箱根駅伝 | 3区・21.5 km | 区間3位 | 1時間03分08秒 | |
2014 | 第58回ニューイヤー駅伝 | 1区・12.3 km | 区間3位 | 35分32秒 | |
2015 | 第59回ニューイヤー駅伝 | 1区・12.3 km | 区間4位 | 34分53秒 | トヨタ自動車優勝 |
2015 | 第43回全日本実業団ハーフマラソン | ハーフマラソン | 8位 | 1時間01分31秒 | |
2016 | 第70回香川丸亀国際ハーフマラソン | ハーフマラソン | 8位 | 1時間01分51秒 | |
2017 | 第61回ニューイヤー駅伝 | 1区・12.3 km | 区間10位 | 35分24秒 | |
2017 | 第45回全日本実業団ハーフマラソン | ハーフマラソン | 4位 | 1時間01分53秒 | 日本人1位 |
2018 | 第62回ニューイヤー駅伝 | 1区・12.3 km | 区間10位 | 35分06秒 | |
2018 | 第43回熊本甲佐10マイル公認ロードレース大会 | 10マイル | 優勝 | 45分57秒 | 日本歴代4位 |
2019 | 第63回ニューイヤー駅伝 | 4区・22.4 km | 区間15位 | 1時間06分15秒 | |
2020 | 第64回ニューイヤー駅伝 | 1区・12.3 km | 区間6位 | 34分51秒 | |
2020 | 第74回香川丸亀国際ハーフマラソン | ハーフマラソン | 4位 | 1時間00分06秒 | 日本歴代2位 |
2021 | 第105回日本陸上競技選手権 | 5000m | 7位 | 13分38秒74 |
マラソン全成績
編集年月 | 大会 | 順位 | 記録 | 備考 |
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2018年3月4日 | 第73回びわ湖毎日マラソン | 15位 | 2時間15分30秒 | 初マラソン・MGCシリーズ第5弾 |
2018年10月7日 | シカゴマラソン2018 | 7位 | 2時間07分57秒 | 自己ベスト・MGC出場権獲得(ワイルドカード) |
2019年9月15日 | マラソングランドチャンピオンシップ | 9位 | 2時間13分58秒 | 2020年東京オリンピック・男子マラソン選考会 |
2019年12月1日 | 第73回福岡国際マラソン | 優勝(繰上げ) | 2時間09分36秒 | MGCファイナルチャレンジ第1弾 |
2022年3月6日 | 東京マラソン2021 | 97位 | 2時間22分54秒 | 引退レース |
関連項目
編集出典
編集- ^ “【誌面転載】スポットライト 藤本 拓”. 月陸Online|月刊陸上競技 (2018年11月15日). 2022年7月6日閲覧。
- ^ 第90回関東学生陸上競技対校選手権大会 男子1部 5000m 決勝
- ^ 実業団ハーフマラソン:日本人トップ4位藤本、喜びも半分 - 毎日新聞
- ^ 第73回びわ湖毎日マラソン大会結果 PDF版 (公式サイト・2018年3月4日掲載)
- ^ 藤本拓、MGC切符も「大迫くんに持っていかれた」(日刊スポーツ・2018年10月8日掲載)
- ^ 中村優勝、服部2位で東京五輪内定/男子MGC詳細(日刊スポーツ・2019年9月15日掲載)
- ^ 藤本拓2位も五輪条件届かず 東京、びわ湖不出場か(日刊スポーツ・2019年12月1日掲載)
- ^ 藤本2位も日本記録に届かず/福岡国際マラソン詳細(日刊スポーツ・2019年12月1日掲載)
- ^ “ニュース / イベント”. トヨタ自動車陸上長距離部. 2022年7月6日閲覧。