航空無線機
航空無線機(こうくうむせんき)とは、航空交通管制にもちいられる無線機。一般にはエアバンドラジオと呼ばれる。
日本国内においての運用には航空無線通信士、航空特殊無線技士(VHFのみ)、この2つを包含する総合無線通信士第一級または第二級のいずれかの資格が、また無線機から送信するには航空局・航空機局の無線局免許が必要である。
航空機は高高度を飛行するので、通常は見通し距離を伝播する超短波(VHF)の電波でも遠くまで伝播する。そのため離れた場所であっても、同じ周波数を共用することが難しいため、非常に広い周波数帯が割り当てられている。変調方式はアナログの振幅変調 (AM(DSB)) であるが、これには歴史的事情のほか、非常事態に陥った航空機が、通信のため既に送信中の他局に被せて送信しても、受信側である程度聞き取れるようにするため、と言う説がある。
この航空無線の聴取を趣味とする者はABL:エアバンドリスナーといわれる。大規模空港の展望ラウンジには、ABLの姿が多く見られる。
周波数および出力
編集用途が指定されている周波数以外は(電波法上の)航空局の判断で自由に使用出来る(操縦士に対して「contact (当該担当部門 英語表記) on nnn.nn(nnn.nnメガヘルツで(当該担当部門)と交信して下さい)」と指示する)。 なお、後述のように25khzステップなのでnnn.n75などのように小数点以下が3桁になることもあるが、小数点以下2桁目までが指定されれば周波数は一つに限られるため、多くの場合2桁目まで伝えれば十分である。
ナロー化
編集欧州では25kHzステップを3等分 (25kHz/3) した8.33kHzステップに移行中である。AMの占有帯域は6kHzであるので、ガードバンドは2.33kHzと非常に狭くなる。そのため、ナロー化航空無線機には急峻なバンドパスフィルタと高純度なVCOと高精度な水晶発振器が要求される。