能満寺のソテツ
静岡県吉田町にあるソテツ
概要
編集大阪の妙国寺のソテツ、静岡市清水区の龍華寺のソテツとともに、日本のソテツの三名木と呼ばれており[2]、1924年(大正13年)、国の天然記念物に指定された[3]。1000年頃、陰陽師として有名な安倍晴明が、能満寺に植えたと伝えられている[4]。
伝説
編集能満寺のソテツには次のような2つの言い伝えがある。
大蛇とソテツ
編集安倍晴明が大井川を流れて来た大蛇を見つけ、これを葬り、その上にソテツを植えた。すると、ソテツは、大蛇の精をうけて大きく大蛇のような姿になった。そこで、晴明は、人々に害を与えないように、大蛇の精を封じたと言われている[5]。
泣いたソテツ
編集駿府城にいた徳川家康が、ある時、能満寺を訪れ、ソテツのみごとさに驚いて、どうしてもソテツをほしくなった。家康の頼みに、住職も仕方なくソテツを掘り起こし、船に乗せて駿府城へと運びこんだ。すると数日後の夜から、毎夜、城の庭で人の泣く声がする。調べてみると、「能満寺へ帰りたい。能満寺へ帰りたい。」とソテツが泣いていることがわかった。家康は後難を恐れ、仕方なくソテツを能満寺へ送り返したという[6]。
所在地
編集脚注
編集出典
編集参考文献
編集- 三浦直正『静岡県名勝誌』小池直次郎、1903年、171-172頁。doi:10.11501/765050。 NCID BA35987837。OCLC 672453140。国立国会図書館書誌ID:000000426709 。2023年4月26日閲覧。
- 静岡県『静岡県治一班 大正14年』静岡県、1926年、116頁。doi:10.11501/917251。 NCID BC18836749。OCLC 672889250。国立国会図書館書誌ID:000000539187 。2023年4月26日閲覧。
- 浅井治海『樹木にまつわる物語 : 日本の民話・伝説などを集めて』フロンティア出版、2007年、175頁。ISBN 9784902410129。 NCID BA83377429。OCLC 675805787。国立国会図書館書誌ID:000008798554 。2023年4月26日閲覧。
- 地球の歩き方編集室『御朱印でめぐる東海のお寺』学研プラス、2021年、64頁。ASIN 4058016272。ISBN 9784058016275。OCLC 1262944653。国立国会図書館書誌ID:031472407 。2023年4月26日閲覧。
- アド・グリーン『武将と旅する静岡・浜松・富士・伊豆 : 徳川家康と9人のつわものたち』交通新聞社、2023年、21頁。ISBN 9784330007236。 NCID BD00668062。OCLC 1369765368。国立国会図書館書誌ID:032612522 。2023年4月26日閲覧。
- 齋藤勝裕『ビジュアル「毒」図鑑250種 : 身の周りに潜む美しき毒物たち!』秀和システム、2023年、76頁。ISBN 9784798069487。 NCID BD01466904。OCLC 1373378571。国立国会図書館書誌ID:031286376 。2023年4月26日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 能満寺のソテツ - 吉田町
座標: 北緯34度46分44.1秒 東経138度14分53.3秒 / 北緯34.778917度 東経138.248139度
- ^ 地球の歩き方編集室 2021, p. 64.