肛門癌
肛門、胃腸管の遠位開口部から発生するがん
肛門癌(こうもんがん、英語: Anal cancer)は、肛門、胃腸管の遠位開口部から発生するがんである[1]。主な症状には、肛門からの出血や肛門近くのしこりなどである[1]。その他の症状には、痛み、かゆみ、肛門からの分泌物などがあげられる[1]。また、排便に変化がみられる場合もある[1]。
肛門癌 | |
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ステージIの肛門癌のダイアグラム | |
概要 | |
診療科 | 腫瘍学 |
症状 | 肛門からの出血やしこり[1] |
発症時期 | 45歳以上[2] |
危険因子 | ヒトパピローマウイルス (HPV)、HIV/AIDS、受容性肛門性交、喫煙、多数の性的パートナー[1] |
診断法 | 身体検査、生検法[1] |
鑑別 | 肛門疣贅、痔、裂肛[3] |
予防 | ヒトパピローマウイルスワクチン、リスク要因を避ける[4] |
治療 | 放射線療法、化学療法、手術[1] |
予後 | 5年生存率 ~68% (2015年、アメリカ)[2] |
頻度 | 8,300人 (2019年、アメリカ)[2] |
死亡数・率 | 1,280人 (2019年、アメリカ)[2] |
分類および外部参照情報 |
危険因子には、ヒトパピローマウイルス (HPV) 、 HIV/AIDS 、受容性肛門性交、喫煙、多数の性的パートナーなどがあげられる[1]。一般的な肛門癌のタイプは、扁平上皮癌である[5]。その他のタイプには、腺癌、小細胞癌、黒色腫などがある[5]。診断は、身体検査に基づき、生検組織診断によって確認される[1]。
予防は、危険因子の回避とHPVワクチンの接種である[4]。一般的な治療は、放射線療法、化学療法、手術である[1]。米国では年間約8,300人が肛門癌と診断されており、新しい癌の約0.5%を占める[2]。通常は45歳以降に発症する[2]。男性よりも女性に多くみられる[2]。1990年代以降、症例数は増加している[5]。米国での5年生存率は68%である[2]。
関連項目
編集脚注
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k “Anal Cancer Treatment” (英語). National Cancer Institute (2018年). 30 May 2019閲覧。
- ^ a b c d e f g h “Cancer of the Anus, Anal Canal, and Anorectum—Cancer Stat Facts” (英語). SEER. 30 May 2019閲覧。
- ^ Garden, O. James; Bradbury, Andrew W.; Forsythe, John L. R.; Parks, Rowan W. (2012) (英語). Principles and Practice of Surgery E-Book. Elsevier Health Sciences. p. 272. ISBN 9780702051166
- ^ a b “Anal Cancer Prevention” (英語). National Cancer Institute (14 February 2014). 30 May 2019閲覧。
- ^ a b c Nelson, VM; Benson AB, 3rd (January 2017). “Epidemiology of Anal Canal Cancer.”. Surgical Oncology Clinics of North America 26 (1): 9–15. doi:10.1016/j.soc.2016.07.001. PMID 27889039.