羽川藤永
江戸時代の浮世絵師
来歴
編集師系・経歴不明。羽川を名乗ることから羽川珍重の門人ともいわれるが、珍重と藤永は同一人であるとの見方もあり定かではない。渓斎英泉編『無名翁随筆』の羽川珍重の項によれば、江戸谷中の感応寺(現在の天王寺)の天井に「羽川藤永」と記された「竜王人」の図があったという(現存しないという)。また「享保の比の浮世絵師なり、芝居絵本、吉原細見記のさしゑ、赤本の絵等多くかきぬ」とも記すが、現在「羽川藤永」の作として知られるのは朝鮮通信使を題材とした絵だけである。なお『原色浮世絵大百科事典』第2巻は画号を「藤水」とし、名を道信とするが、『浮世絵大事典』は「藤水」とするのは誤りだろうと述べている。作画期は元文から寛延の頃にかけてとされる。
作品
編集参考文献
編集- 樋口弘編 『初期浮世絵解説』 味燈書屋、1977年 ※89 - 90頁
- 渓斎英泉編 『無名翁随筆』〈『燕石十種』第三巻〉 中央公論社、1979年
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年 ※「藤水」(124頁)
- 国際浮世絵学会編 『浮世絵大事典』 東京堂出版、2008年 ISBN 978-4-4901-0720-3