美々信号場
北海道千歳市にある北海道旅客鉄道の信号場
美々信号場(びびしんごうじょう)は、北海道千歳市美々にある北海道旅客鉄道(JR北海道)千歳線の信号場。電報略号はヒヒ、事務管理コードは▲131410[2]。旅客営業時代の駅番号はH15。
美々信号場 | |
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2024年4月 | |
びび Bibi | |
◄H16 植苗 (7.5 km) (4.5 km) 南千歳 H14► | |
所在地 | 北海道千歳市美々 |
駅番号 | ○H15 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | ■千歳線 |
キロ程 | 13.9 km(沼ノ端起点) |
電報略号 | ヒヒ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 3線 |
開業年月日 | 1926年(大正15年)8月21日[1] |
廃止年月日 | 2017年(平成29年)3月4日[報道 1] |
備考 | 2017年(平成29年)3月4日に駅として廃止[報道 1]、信号場化。 |
歴史
編集1926年(大正15年)8月21日、北海道鉄道札幌線(後のJR北海道千歳線)の開業と同時に旅客扱いも行う駅として設置された[1][新聞 1]。当時、駅の周辺は犬上商船の経営者で北海道鉄道の社長でもあった、犬上慶五郎が所有する犬上牧場が広がっており、犬上が自身の所有地近くに設置した[新聞 1]。
その後利用客僅少により、2017年(平成29年)3月4日のダイヤ改正に併せて旅客営業を終了し[報道 1]、信号場となった[新聞 2]。
年表
編集- 1926年(大正15年)8月21日:北海道鉄道(2代)札幌線の駅として開業[1]。旅客・荷物を取扱い。
- 1943年(昭和18年)8月1日:戦時買収により北海道鉄道が国有化され、鉄道省(国鉄)千歳線の駅となる[1]。
- 1968年(昭和43年)
- 1974年(昭和49年)10月1日:荷物取扱い廃止[4]。
- 1979年(昭和54年)8月:跨線橋着工[5]。
- 1980年(昭和55年)
- 1981年(昭和56年)10月以前:駅舎改築[注 1][5]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化によりJR北海道に継承[1]。
- 1995年(平成7年):同年ごろ、千歳科学技術大学や工業団地「千歳美々ワールド」への通勤通学客の利便を目的に駅舎移転の検討も行われる。しかし南千歳駅と至近、等の事情で立ち消えとなる[5]。
- 2004年(平成16年)4月:ホームを延伸し、定期列車のドアカットを廃止[9]。
- 2008年(平成20年)10月25日:ICカードKitaca使用開始[1]。
- 2016年(平成28年)6月:JR北海道が千歳市に対して、当駅を廃止する意向を伝え、千歳市もこれを容認[新聞 1][新聞 3]。
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)1月:ホーム撤去[5]。
信号場名の由来
編集説としては、現在の美々川に支流が多く、屈曲していたために「ペッ・ペッ(pet-pet)」(川・川)とされたとするもの、あるいは「ペペ(pe-pe)」(水・水[注 2])から来たとするものなどが存在する[12]。
似た由来を持つ駅名は、他に弁辺(べんべ。現・豊浦駅)や辺別(べべつ。現・西神楽駅)などがあった。それらは後に地名ごと改称された(語呂が悪いからとも、北海道方言の「べべ(女陰)」に音が似ているからとも)が、美々だけはそのまま名称を残している。
構造
編集複線の間に上下待避線1線を有する信号場。
旅客駅時代は、駅舎側から単式1面1線(3番線)、島式1面2線(2・1番線)、計2面3線のホームを持つ地上駅で、互いのホームは跨線橋で連絡していた。千歳駅管理の無人駅で、簡易Kitaca改札機が設置されていた。
旧駅舎は信号場の管理用施設として維持する方針となっている[新聞 5][新聞 6]。
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美々駅時代の駅舎(2004年7月)
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設置されていた簡易Kitaca改札機(2017年3月1日)
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ホーム(2017年3月1日)
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駅名標(2017年3月1日)
利用状況
編集旅客営業時代の利用状況は次の通り。
周辺
編集- 国道36号
- 美々貝塚
- 千歳市環境センター
- 新千歳モーターランド
隣の駅
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 跨線橋設置、駅舎改築は1979年5月に国鉄から出された当駅無人化という合理化計画に対する条件(『増補 千歳市史』)。1981年撮影航空写真(国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス)では既に駅舎が建て替えられている。
- ^ この解釈についても諸説あり、「水量の多い川」、「二つの川が一つになり流れる川」、「枝川がたくさんあり、また、その川がヌタプ (湿地)の中に入って、どこが川なのか判然としないが、またその先は川が流れ出しているような川」などがある。
出典
編集- ^ a b c d e f g 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 24号 石勝線・千歳線・札沼線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009年12月27日、18-21頁。
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、221頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ a b 北海道鉄道百年史 下巻 日本国有鉄道北海道総局 1981年発行、P63。
- ^ 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、836頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b c d e f g h 新千歳市史通史編下巻 第6編部門史 第5章交通・通信 - 千歳市役所
- ^ 『増補 千歳市史』千歳市、1983年、1051-1052ページ。
- ^ “札鉄 室蘭、千歳、胆振の3線区 営業近代化スタート”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1980年5月18日)
- ^ 編集部「5月のメモ帳」『鉄道ピクトリアル』第30巻第8号(通巻第378号)、電気車研究会、1980年8月1日、90頁、ISSN 0040-4047。
- ^ “JR北海道 7駅のホーム延伸”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (2004年4月12日)
- ^ 「200万都市札幌のJR電車」『鉄道ジャーナル』No.610、2017年8月、41頁。
- ^ “全国初、交通系ICカード対応駅が廃止に…3月4日JR北海道ダイヤ改正”. Response (2017年3月6日). 2019年3月31日閲覧。
- ^ a b “アイヌ語地名リスト ノブト~ヒラキ P101-110”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2014年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月20日閲覧。
報道発表資料
編集- ^ a b c d 『平成29年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2016年12月16日 。2016年12月16日閲覧。
- ^ “極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
新聞記事
編集- ^ a b c d e WEBみんぽう(千歳・恵庭) (2016年9月28日). “JR千歳線の美々駅 廃止が浮上、1日の利用者0~1人”. 苫小牧民報 (苫小牧民報社). オリジナルの2016年9月30日時点におけるアーカイブ。 2016年9月30日閲覧。
- ^ 「JR51駅 廃止方針 自治体と協議へ 乗車1日1人以下」『読売新聞』2016年(平成28年)10月1日付朝刊31面(北海道)。
- ^ a b どうしんウェブ/電子版(暮らし・話題) (2016年10月1日). “千歳線・美々駅廃止 来年3月 JR意向、市も容認”. 北海道新聞 (北海道新聞社). オリジナルの2016年10月17日時点におけるアーカイブ。 2016年10月17日閲覧。
- ^ “鉄道ファン続々来訪 3月3日、JR美々駅廃止”. 苫小牧民報. (2017年2月28日). オリジナルの2017年3月13日時点におけるアーカイブ。 2017年2月28日閲覧。
- ^ 酒井聡平「キシャが行く JR千歳線90年 2 美々駅 なんにもないけど温かい」『北海道新聞』2016年(平成28年)12月16日付朝刊28面(札幌近郊)。
- ^ 酒井聡平「美々駅「ありがとう」 千歳 きょう91年の歴史に幕 鉄道ファン 連日来訪」『北海道新聞』2017年(平成29年)3月3日付朝刊(札幌近郊)。