粘液細菌
粘液細菌(ねんえきさいきん、slime bacteria、Myxobacteria、Myxococcales、ミクソコックス目、ミクソコッカス目)は、土壌細菌のひとつで、多細胞的な行動を起こすグラム陰性の真正細菌である。
ミクソコックス目 | ||||||||||||
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Myxococcus xanthus
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分類 | ||||||||||||
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学名 | ||||||||||||
Myxococcales Tchan et al. 1948 | ||||||||||||
下位分類(亜目) | ||||||||||||
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グラム陰性、好気従属栄養性。鞭毛は無く、滑走による移動能力がある。高度に社会的な性質を持ち、多数の細胞が協調して細菌、植物遺体を捕食する[1]。増殖は栄養状態が良い時は単純に二分裂で増えるが、飢餓・個体密度増加・光照射などの刺激があると1~100万もの菌が集合し、0.1~0.5mm程の子実体と粘液胞子を形成する[1]。この子実体は種により色、形などの特徴がある。一旦子実体を形成すると数十年の保存が可能である[1]。栄養状態が良くなると再び栄養細胞を放出して元に戻る。生育環境や生活環は細胞性粘菌に似たところがある[1]。
コロニーの先端部では、アリの行列のような社会性のある行動 social motility(S-motility)のある部分と、単独で動く独立心・冒険心のある細菌の行動 Adventurous motility (A-motility)が見られる[1]。
狩りを行うために、プロテアーゼ、ペプチダーゼなどのタンパク質分解酵素や、グルカナーゼなどの細胞壁(多糖)分解酵素などの溶菌酵素を生成する[1]。
代表的な種Myxococcus xanthusは比較的詳しく調べられている。いくつかの生理活性物質が発見されている。ゲノムサイズは軒並み900万bpを上回り、解析済みの原核生物の中では最大規模である。2014年に報告されたMinicystis roseaのゲノムサイズは1604万0666bp[2]と真核生物である出芽酵母(1200万bp)を上回っている。ORFは14,018ヶ所で出芽酵母の2倍を超え、動物であるキイロショウジョウバエ(13,931ヶ所)すら超えている。
分類
編集参考文献
編集- 不藤亮介「粘液細菌 : この可憐で賢き狩人たち」『生物工学会誌』第91巻9、公益社団法人 日本生物工学会、2013年9月25日、532-535頁。
- Schneiker S et al. (2007). “Complete genome sequence of the myxobacterium Sorangium cellulosum”. Nature Biotechnology 25 (11): 1281–1289. doi:10.1038/nbt1354.
- Reichenbach H (2001). “Myxobacteria, producers of novel bioactive substances”. J Ind Microbiol Biotechnol 27 (3): 149–56. doi:10.1038/sj.jim.7000025. PMID 11780785.