第1回全日本都市対抗野球大会

第1回全日本都市対抗野球大会(だい1かいぜんにほんとしたいこうやきゅうたいかい)は、1927年8月3日から8月9日まで明治神宮野球場で開かれた都市対抗野球大会である。

第1回大会表彰式(1927年8月9日)

概要

編集
  • 当時日本の野球人気を支えていたのは、東京六大学をはじめとする学生野球であった。しかし、選手たちは卒業すると各地のクラブチームに所属し、単発的に他のチームと練習試合を行うだけであった。
  • 当時東京日日新聞の記者だった島崎新太郎は、メジャー・リーグが地元に根ざしたフランチャイズ制を採用しているのにヒントを得て、日本の各都市を代表するチームを競わせる大会を作ってはどうだろうかと発案。さらに、島崎と同じ早大野球部出身で早慶戦開始のきっかけを作った一人である橋戸信が客員として招かれ、約1年かけて全国の有力クラブチームの関係者に説得を行い、1927年に、学卒者たちによる全国的な野球大会が開かれることとなった。
  • 開幕戦の球審を務めたのは小西得郎
  • 出場したのは12チームで、すべて主催者である東京日日新聞社推薦チームであった。そのうち5チームは鉄道関係であったが、すでに1920年前後から全国鉄道大会が開催されており、それを受けてのものであった。
  • 記念すべき第1回優勝チームは当時日本の統治下にあった関東州(満洲)の満洲倶楽部。初代黒獅子旗はいきなり海を渡ることとなった。

出場チーム

編集

大会

編集

1回戦

編集
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
全横浜 0 0 1 0 0 0 0 1 0 2
全大阪 0 0 0 3 0 0 0 0 x 3
  1. 勝利:永井  
  2. 敗戦:永共  
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
東京倶楽部 0 0 2 0 0 0 0 0 3 5
仙台鉄道局 0 0 0 0 0 0 0 3 0 3
  1. 勝利:新田  
  2. 敗戦:菅原  
  3. 本塁打
    東京:三宅
  4. ※大会第1号ホームランはランニングホームラン。
  • 第3試合(8月5日)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
竜山鉄道局 0 0 3 0 0 0 0 1 3 7
満洲倶楽部 2 2 0 0 0 0 0 0 4x 8
  1. 勝利:石関  
  2. 敗戦:藤田  
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 R
名古屋鉄道局 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 3
九州鉄道 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 2
  1. (延長11回)
  2. 勝利:武田  
  3. 敗戦:安田  


2回戦

編集
  • 第1試合(8月6日)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
門司鉄道局 1 0 1 0 1 0 0 4 1 8
全呉 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1
  1. 勝利:久礼  
  2. 敗戦:阿波  
  • 第2試合(8月6日)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ワゴナー 1 0 0 0 0 0 0 0 2 3
全神戸 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2
  1. 勝利:砂沢  
  2. 敗戦:高田  
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
全大阪 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3
東京倶楽部 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1
  1. 勝利:永井  
  2. 敗戦:俣野  
  • 第4試合(8月7日)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
名古屋鉄道局 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1
満洲倶楽部 1 0 1 0 1 2 1 0 x 6
  1. 勝利:青山  
  2. 敗戦:武田  

準決勝

編集
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
全大阪 0 2 2 0 3 0 1 1 0 9
門司鉄道局 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2
  1. 勝利:西川  
  2. 敗戦:久礼  
  • 第2試合(8月8日)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ワゴナー 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2
満洲倶楽部 1 0 2 5 7 1 0 0 x 16
  1. 勝利:石関  
  2. 敗戦:砂沢  

決勝

編集
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
満洲倶楽部 2 0 1 0 0 0 0 0 0 3
全大阪 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
  1. 勝利:児玉  
  2. 敗戦:永井  
  3. (満洲倶楽部は初優勝)