竹久夢二伊香保記念館

群馬県渋川市にある美術館

竹久夢二伊香保記念館 (たけひさゆめじ いかほ きねんかん)は、群馬県渋川市にある私立美術館大正ロマンを代表する画家竹久夢二の作品を展示する。

竹久夢二伊香保記念館
Takehisa Yumeji Ikaho Memorial
竹久夢二伊香保記念館入口
竹久夢二伊香保記念館の位置(群馬県内)
竹久夢二伊香保記念館
群馬県内の位置
施設情報
専門分野 竹久夢二
収蔵作品数 16,000点超
館長 木暮享[1]
管理運営 公益財団法人 竹久夢二伊香保記念館
開館 1981年昭和56年)5月23日
所在地 377-0102
日本の旗 日本 群馬県渋川市伊香保町544-119
位置 北緯36度29分59秒 東経138度55分37秒 / 北緯36.49972度 東経138.92694度 / 36.49972; 138.92694座標: 北緯36度29分59秒 東経138度55分37秒 / 北緯36.49972度 東経138.92694度 / 36.49972; 138.92694
アクセス JR渋川駅よりバス。
外部リンク http://yumeji.or.jp/
プロジェクト:GLAM
テンプレートを表示

概要

編集

竹久夢二伊香保記念館は、群馬県渋川市の伊香保温泉街に位置している。榛名山を含むこの一帯は竹久夢二にゆかりの深い土地で、かつて夢二はモデルのお葉を連れて榛名・伊香保を旅し[2]、のちに榛名湖畔にアトリエを建て、「榛名山美術研究所」の設立を構想した地でもあった[3]1981年昭和56年)5月23日に開館した[4]

記念館は、夢二研究で知られる長田幹雄の収集品を中核に絵画、版画、浴衣などのデザイン原画、日記、スケッチ帖など16,000点を超える資料を所蔵し[3][5]、企画展の開催、出版活動等により夢二の幅広い創作活動を紹介している。ほかにアンティーク人形モリムラドール)や食器類(オールドノリタケ等)、古美術なども所蔵している。「大正ロマンの森」と呼ばれる広大な敷地には、夢二がよく描いていたをイメージした「本館 大正ロマンの館」、夢二の代表作『黒船屋』を展示する「本館 夢二黒船館」、日本の建築様式により建てられた「新館 義山楼」などの様々な施設が存在している。

施設

編集

本館 大正ロマンの館

編集

「本館 大正ロマンの館」は、1981年昭和56年)に開館した蔵造りの建物である[6]。夢二が挿絵によく描いていた蔵の形をモチーフにしており[7]、白壁を基調になまこ壁を配している[6]。館内の特別展示室には、『榛名山賦』『青山河』などの夢二作品が展示されている[7]

本館 夢二黒船館

編集

「本館 夢二黒船館」は、夢二の代表作『黒船屋』の寄贈をきっかけに、1995年平成7年)11月22日に開館した3階建ての洋館である[7][4][8]。外観は洋風であるが、日本の伝統的な尺寸法を用いるなど[9]、日本と西洋の要素が融合した建築物となっている[6]。3階の展示室「蔵屋敷」では『黒船屋』を、毎年、夢二の誕生日である9月16日前後の約2週間限定で特別公開している[7]。「蔵屋敷」は『黒船屋』展示のために特別に作られた展示室で[7]、特別公開期間以外は季節に応じた夢二の作品を展示している[9]。ほかに喫茶店「港屋サロン」(3階)やミュージアムショップ(1階)などがある[9]

新館 義山楼

編集

「新館 義山楼」は、美術館機能を持つ日本建築として設計された建物である[6]。新建材を一切使用せず国産木材・和紙漆喰など日本の材料を使い、可能な限り伝統的な工法を用いて建てられた[9]。庭園は、小川治兵衛流による日本庭園である[9]。館内には、江戸時代から明治大正時代和ガラスが展示されている[9]

その他

編集

上記のほかに「別館 夢二子供絵の館」、「迎春庵」、「聴雪庵」などがある[9]

主な収蔵品

編集

竹久夢二の作品

編集
 
夢二の代表作『黒船屋』(1919年)
  • 肉筆画『BROKEN MILL AND BROKEN HEART』 (1908年)
  • 肉筆画『富士登山』 (1909年)
  • 版画『緑の丘』 (1911年)
  • 版画『得度の日』 (1912年)
  • 半襟図案 (大正時代初期)
  • 肉筆画『江戸呉服橋之図』 (1914年)
  • 浴衣図案『さるかに合戦』 (1914年-1916年)
  • 版画『港屋絵草紙店』 (1914年)
  • 版画『一座の花形』 (1916年)
  • 版画『小春・治兵衛』 (1916年)
  • 肉筆画『黒船屋』 (1919年)
  • 版画『宝船』 (1920年頃)
  • 版画『横川忠兵衛』 (1922年)
  • 浴衣『吹雪』 (大正時代後期)
  • ポスター『竹久夢生展覧会』 (1931年)
  • 肉筆画『榛名山賦』 (1931年)
  • 肉筆画『五月之朝』 (1932年)
  • 肉筆画『青山河』 (1932年)

その他

編集

所在地及び交通手段

編集

脚注

編集

注釈

編集


出典

編集
  1. ^ 日外アソシエーツ編集部編 『新訂 人物記念館事典 II美術・芸能編』 日外アソシエーツ、2002年、p.91.
  2. ^ 「竹久夢二略年譜」 『竹久夢二の世界 -描いて、旅して、恋をして-』 平凡社〈別冊太陽 日本のこころ〉、2014年、p.170.
  3. ^ a b c d e 日外アソシエーツ編集部編 『新訂 人物記念館事典 II美術・芸能編』 日外アソシエーツ、2002年、p.90.
  4. ^ a b 「竹久夢二略年譜」 『-大正ロマン夢二の館- 竹久夢二伊香保記念館』 マリア書房別冊緑青〉、1999年、p.107.
  5. ^ 「夢二に出会う おもな常設美術館」 『竹久夢二の世界 -描いて、旅して、恋をして-』 平凡社〈別冊太陽 日本のこころ〉、2014年、p.173.
  6. ^ a b c d 竹久夢二伊香保記念館公式サイト トップページ 2017年5月25日閲覧.
  7. ^ a b c d e 「夢二に出会う おもな常設美術館」 『竹久夢二の世界 -描いて、旅して、恋をして-』 平凡社〈別冊太陽 日本のこころ〉、2014年、p.173.
  8. ^ 日外アソシエーツ編集部編 『新訂 人物記念館事典 II美術・芸能編』 日外アソシエーツ、2002年、p.90.
  9. ^ a b c d e f g h i j 竹久夢二伊香保記念館公式サイト館内のご案内」 2017年5月25日閲覧.

参考文献

編集

関連項目

編集

外部リンク

編集