福智白瑛

江戸時代後期、19世紀初の京都の浮世絵師、戯作者

福智 白瑛(ふくち はくえい、生没年不詳)とは、江戸時代京都戯作者

来歴

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姓は福知または福地とも。名は郁春。は士文。白瑛、桂中楼と号す。戯作者号は大根土成。京都の人で二条堺町に住む。絵も描き、円山応挙及び八田古秀に学んで山水画をよくしたと伝わり、扇面画の作が知られている。なお葛飾北斎の門人で葛飾白瑛という人物がおり、これと同一人ともいわれているが定かではない。『原色浮世絵大百科事典』は福智白瑛と葛飾白瑛は別人としている。

作品

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  • 戯男伊勢物語』 ※頭少々禿麿作、寛政11年(1799年)刊行
  • 『穴賢心の外』 ※文化3年(1806年)刊行
  • 『六々狂歌撰』一冊 ※狂歌本、山田繁雅編。文化11年(1814年)刊行
  • 『誰が袖物語』6冊 ※読本、文化14年(1817年)刊行。自画作
  • 『有馬紀行』二巻3冊 ※滑稽本、文政10年(1827年)刊行。自画作
  • 唐崎大明神一ツ松之図」 墨摺 ※天保2年(1828年)版行
  • 田植図」 紙本淡彩、扇面 東京藝術大学大学美術館所蔵
  • 官女図」 紙本墨画淡彩、扇面 東京藝術大学大学美術館所蔵
  • 「撫子図」 紙本着色、扇面 奈良県立美術館所蔵 ※「白瑛」の落款、「白」・「瑛」の朱文方印あり
  • 「鶴図」 紙本着色、扇面 奈良県立美術館所蔵 ※「白瑛」の落款、「白」・「瑛」の朱文方印あり
  • 「鯉図」 紙本着色、扇面 奈良県立美術館所蔵 ※「白瑛」の落款、「白」・「瑛」の朱文方印あり

参考文献

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  • 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年 ※「白瑛」の項
  • 『蔵品図録 第八集(絵画篇Ⅲ)』 奈良県立美術館、1989年 ※74 - 75頁
  • 市古貞次ほか編 『国書人名辞典』(第四巻) 岩波書店、1998年 ※「福智白瑛」の項

関連項目

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