祖谷温泉
祖谷温泉(いやおんせん)は、徳島県三好市(旧国阿波国)の祖谷渓沿いにある温泉。北海道のニセコ薬師温泉、青森県の谷地温泉とともに日本三大秘湯の一つに数えられる[注 1]。
祖谷温泉 | |
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温泉情報 | |
所在地 |
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座標 | 北緯33度55分17秒 東経133度49分3.0秒 / 北緯33.92139度 東経133.817500度座標: 北緯33度55分17秒 東経133度49分3.0秒 / 北緯33.92139度 東経133.817500度 |
交通 | JR四国土讃線阿波池田駅からバスで約50分 |
泉質 | 単純硫化水素泉 |
pH | 9.1[2] |
宿泊施設数 | 1 |
泉質
編集宿泊施設
編集ホテル祖谷温泉の一軒宿で、日本秘湯を守る会に加盟している[1]。渓流を間近に臨む露天風呂は谷底にあり、ケーブルカーで5分かかって下る[2]。
歴史
編集1965年(昭和40年)に温泉が掘削された。当時の池田町は半額を町が、残りを町民が負担する形で温泉ホテルを建てようとしたが、実現しなかった[4]。結局、民間資本により開発することになり、ホテルが1972年(昭和47年)に完成。1984年(昭和59年)にケーブルカー(9人乗り)設備が設置され、1988年(昭和63年)には15人乗りに、2004年(平成16年)には17人乗りにと、徐々に拡張された[5]。2023年(令和5年)2月22日よりケーブルカーの新車両が稼働した[6]。
アクセス
編集祖谷渓にある他の温泉
編集周辺には「祖谷」を冠する温泉が複数あり、「祖谷渓温泉ホテル 秘境の湯」[8]と「湯元新祖谷温泉 ホテルかずら橋」[9] は旧西祖谷山村に所在する。
祖谷渓は平家の落人伝説が伝えられる場所で、逃れてきた平氏がこの地で入湯したとされる[10]。また旧西祖谷山村村域の田丸には「風呂の谷」という名の谷川がある。これは江戸時代後期の文化年間まで温泉が湧き、住民が皮膚病の治療に利用していたことに由来する名称であるが、安政の大地震以降は湧出しなくなったという[11]。
1920年(大正9年)5月、風呂の谷の岩盤から温泉が湧き出しているのが見つかり、瓶に詰めた温泉水や、附近にあった硫黄の付着した水苔などが鑑定に出されたが、特に進展はなかった[12]。1925年(大正14年)5月には四国水力電気が出合発電所用に掘削していたトンネルから温水が噴出、朝鮮から来た坑夫がこの温泉に入浴した。三縄村出合でこの温泉を開発しようとする動きが起きたが、資金が集まらず実現しなかった[13]。
注釈
編集出典
編集- ^ a b ホテル祖谷温泉(2020年11月16日閲覧)
- ^ a b c d 【湯の心旅】大歩危・祖谷温泉郷(徳島県)霧立ち上る幽谷の神秘『日本経済新聞』2020年7月18日土曜朝刊別刷りNIKKEIプラス1(13面)
- ^ 郡司勇「温泉チャンピオンが格付け 地方別 温泉ランキング」『週刊ダイヤモンド』2017年12月9日、62-63ページ。
- ^ 『西祖谷山村史』1985年、771ページ。
- ^ 「ケーブルカー17年ぶり更新」『徳島新聞』朝刊2004年6月6日付29面。
- ^ 2023年春 、ケーブルカーが新しくなりました(祖谷渓温泉観光株式会社)
- ^ アクセス ホテル祖谷温泉(2020年11月16日閲覧)
- ^ アクセス 祖谷渓温泉ホテル 秘境の湯(2020年11月16日閲覧)
- ^ アクセス 湯元新祖谷温泉 ホテルかずら橋(2020年11月16日閲覧)
- ^ 「今月のロマン秘湯 祖谷温泉 徳島県」『旅色』2019年7月
- ^ 喜多重昌・片山頼政・前川嘉吉編集『西祖谷山村史』徳島県三好郡西祖谷山村、1959年、447ページ
- ^ 『西祖谷山村史』1959年、448ページ
- ^ 西祖谷山村史編纂委員会編『西祖谷山村史』西祖谷山村、1985年、768ページ