磁性細線
概要
編集電子線リソグラフィー等により製作された、幅がナノメートルオーダー (10−9 m) の磁性体の線であり、このスケールになると量子効果が発現するため、従来の磁性体には見られない特性を有する。以前は磁壁は外部から磁場の印加によってのみ変化させることが可能であると考えられてきたが、2004年に京都大学のグループが、電流によっても移動させることが可能であること実証した[1][2]。これにより不揮発性メモリなどへの応用が期待される[3][4][5]。
応用分野
編集関連項目
編集脚注
編集- ^ Yamaguchi, Akinobu, et al. "Real-space observation of current-driven domain wall motion in submicron magnetic wires." Physical review letters 92.7 (2004): 077205.
- ^ “磁石を使ったメモリに道:磁壁の電流による移動の要因を解明”. 2019年1月2日閲覧。
- ^ “磁壁移動の閾電流値を下げる新しい方法の発見:次世代磁壁メモリの実現に前進”. 2019年1月2日閲覧。
- ^ アメリカ合衆国特許第 6,834,005号
- ^ アメリカ合衆国特許第 20,140,268,982号
参考文献
編集- 能崎幸雄, 松山公秀, 小野輝男, 宮島英紀「サブミクロンサイズ強磁性細線における180°対向磁壁の磁気構造」『日本応用磁気学会誌』第23巻第4号、日本磁気学会、1999年、1121-1124頁、doi:10.3379/jmsjmag.23.1121、ISSN 0285-0192、NAID 130004478492。
- 木村崇, 生嶋君弥, 若家冨士男, 蒲生健次「サブミクロン強磁性細線におけるホール抵抗の制御」『日本応用磁気学会誌』第25巻第4号、日本磁気学会、2001年4月、695-698頁、doi:10.3379/jmsjmag.25.695、ISSN 02850192、NAID 110002811042。
- 姫野敦史, 「構造制御された強磁性細線における磁壁の動的挙動に関する研究」 京都大学 博士論文, 甲第12849号, 2007年, hdl:2433/136796, NAID 500000387883
- 宮本泰敬, 奥田光伸, 宮下英一「磁性細線を用いた超高速記録デバイスの研究」『映像情報メディア学会誌』第68巻第1号、映像情報メディア学会、2014年、J34-J40、doi:10.3169/itej.68.J34、ISSN 1342-6907、NAID 130003384634。
- 奥田光伸, 宮本泰敬, 川那真弓, 宮下英一, 斎藤信雄, 林直人, 中川茂樹「[Co/Pd磁性細線における磁区の形成・駆動・検出]」『映像情報メディア学会年次大会講演予稿集』映像情報メディア学会2015年年次大会、映像情報メディア学会、2015年、31A-1、doi:10.11485/iteac.2015.0_31A-1、ISSN 1343-1846、NAID 130006742261。
- 池田智彦, 馬闖, 新井遼真, 森迫昭光, 劉小晰「磁性細線の幅方向の磁気異方性の導入およびその磁区構造」『日本磁気学会論文特集号』第1巻第1号、日本磁気学会、2017年、10-13頁、doi:10.20819/msjtmsj.17TR103、NAID 130005632316。
- 梶井祥吾, et al. 「畜産排水処理にともなう有機汚泥からの磁性活性炭の創成と吸着特性の評価 (PDF) 」『第84回 2011年度春季低温工学』 超電導学会