硫酸リチウム
硫酸リチウム(りゅうさんリチウム、lithium sulfate)は組成式Li2SO4で表されるリチウムの硫酸塩である。
硫酸リチウム | |
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硫酸リチウム | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 10377-48-7 |
特性 | |
化学式 | Li2SO4 |
モル質量 | 109.945 g/mol |
外観 | 無色結晶 |
密度 | 2.221 g/cm3 |
融点 |
859℃ |
沸点 |
1377℃ |
水への溶解度 | 25.6 g/100 g溶液 (25 ℃)[1] |
構造 | |
結晶構造 | 単斜晶系 |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−1436.49 kJ mol−1[2] |
標準モルエントロピー S |
115.1 J mol−1K−1 |
標準定圧モル比熱, Cp |
117.57 J mol−1K−1 |
危険性 | |
EU分類 | 有害 (Xn) |
EU Index | Not listed |
Rフレーズ | R22 |
引火点 | 不燃性 |
関連する物質 | |
関連物質 | 硫酸ナトリウム;硫酸カリウム;硫酸ルビジウム;硫酸セシウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
製法
編集炭酸リチウムを希硫酸に溶解し、濃縮すると1水和物Li2SO4·H2Oの結晶が析出する[3]。
性質
編集無色結晶であり、水に易溶で無水物は強い吸湿性を有するが、エタノールおよびジエチルエーテルにはほとんど不溶である。
無水物は単斜晶系のα型が安定であり、他に六方晶系、斜方晶系および、立方晶系の多形が存在する[4]。また600℃以上では六方晶系に相転移する。
水溶液からは1水和物が析出し、1水和物は単斜晶系の無色結晶で130℃で結晶水を失う。水に対する溶解度は温度の上昇と共に減少し、0℃では飽和溶液100g中に26.5gまで溶解するが、100℃では飽和溶液100g中に23.6gまでしか溶解しない[1]。これは1水和物の溶解熱が発熱的であるためである。(ΔHsoln = −16.6 kJ mol−1[2])
脚注
編集- ^ a b 日本化学会編 『化学便覧 基礎編 改訂4版』 丸善、1993年
- ^ a b D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年
- ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年