硫酸ベリリウム
硫酸ベリリウム(りゅうさんベリリウム、beryllium sulfate)は、化学式 BeSO4 で表されるベリリウムの硫酸塩である。
硫酸ベリリウム | |
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硫酸ベリリウム | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 13510-49-1, 7787-56-6(四水和物) |
PubChem | 26077 |
RTECS番号 | DS4800000 |
特性 | |
化学式 | BeSO4 |
モル質量 | 105.075 g/mol |
外観 | 無色結晶 |
密度 | 2.443 g/cm3(無水物) 1.713 g/cm3(四水和物) |
融点 |
550℃(分解) |
水への溶解度 | 28.5 g/100 g溶液(25℃) |
構造 | |
結晶構造 | 正方晶系 |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−1205.20 kJ mol−1[1] |
標準モルエントロピー S |
77.91 J mol−1K−1 |
標準定圧モル比熱, Cp |
85.69 J mol−1K−1 |
危険性 | |
EU分類 | 猛毒 (T+) 環境への危険性 (N) |
Rフレーズ | R49, R25, R26, R36/37/38, R43, R48/23, R51/53 |
Sフレーズ | S45, S53, S61 |
引火点 | 不燃性 |
半数致死量 LD50 | 0.5 mg Be/kg (マウス)[2] |
関連する物質 | |
その他の陽イオン | 硫酸マグネシウム;硫酸カルシウム;硫酸ストロンチウム;硫酸バリウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
製法
編集酸化ベリリウムあるいは水酸化ベリリウムを希硫酸に溶解し濃縮すると四水和物が析出する[3]。89℃以上では二水和物が析出する[4]。
四水和物を濃硫酸の入ったデシケーター中で放置すると二水和物になる。さらに400℃に加熱すると無水物になる。
性質
編集水に可溶性の無色結晶で、水溶液は酸性を示し酸化ベリリウムおよび水酸化ベリリウムを溶解して塩基性塩を生成する。
無水物および四水和物共に正方晶系の無色結晶で四水和物は水の他、エタノールおよびアセトンにも溶解する。
水溶液中で硫酸カリウムと混合すると、ジスルファトベリリウム酸カリウムを生成する。
脚注・参考文献
編集- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ 『Merck index 13th』 2001年
- ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ 日本化学会編 『化学便覧 基礎編 改訂4版』 丸善、1993年