石井一成

日本のプロ野球選手

石井 一成(いしい かずなり、1994年5月6日 - )は、栃木県那須郡小川町(現:那珂川町)出身のプロ野球選手内野手)。右投左打。北海道日本ハムファイターズ所属。

石井 一成
北海道日本ハムファイターズ #38
2023年11月2日、エスコンフィールドHOKKAIDOにて
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 栃木県那須郡小川町(現:那珂川町
生年月日 (1994-05-06) 1994年5月6日(30歳)
身長
体重
182 cm
80 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 遊撃手二塁手三塁手
プロ入り 2016年 ドラフト2位
初出場 2017年3月31日
年俸 4000万円(2025年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

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プロ入り前

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小川那珂クラブで軟式野球を始める。小川中学校時代には軟式野球部に所属していた。

作新学院高校では1年秋からレギュラー。2年夏、3年春夏と3季連続で甲子園に出場し、2年時の夏の甲子園ではベスト4、3年生の夏の甲子園ではベスト8。3年生で主将を務める。

早稲田大学では1年春からリーグ戦出場。3年春に遊撃手でベストナインに選出。4年時は主将を務める[2]。リーグ通算80試合に出場、237打数68安打、打率.287、6本塁打、33打点、10盗塁、ベストナイン1回。

2016年10月20日に行われたドラフト会議で、北海道日本ハムファイターズから2位指名を受け、契約金7000万円、年俸1200万円(金額は推定)で契約した[3]。背番号は38

日本ハム時代

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2018年3月13日、マツダスタジアムにて

2017年は、ルーキーで唯一春季キャンプを一軍で迎え、開幕一軍入りを果たした。3月31日の開幕戦で代走として初出場し、4月5日の千葉ロッテマリーンズ戦では初の先発出場、初打点・初盗塁・初得点・初マルチ安打を記録した。4月14日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦では12球団の新人選手で一番乗りとなる本塁打[4]、5月20日のオリックス・バファローズ戦ではプロ入り初の1試合3安打2打点[5]。8月7日に二軍落ちしたが、同月29日に一軍登録され、以降は「9番・遊撃手」で固定された。9月21日には新人100試合出場を達成した[6]。シーズンを通じて114試合に出場し、打率.205、3本塁打、113三振[注 1]

2018年中島卓也が正遊撃手に返り咲き出場機会が減少。8月3日の埼玉西武ライオンズ戦では二塁の守備固めとして途中出場も失点に繋がる痛恨の悪送球[7]。オフの道新スポーツの一面で中島に「あのミスで優勝できなかった。あいつ(石井)には悪いけど、それぐらいのプレー。途中から出る難しさとかも分かったと思う。次に生かせるようにはしないといけない。」と言われるほどペナントレースに大きく影響を与えるプレーであった。打撃でも打率.189と奮わず69試合の出場に留まった。

2019年は中島卓也の不振もあり出場機会が増加。76試合の出場で打率.224、4本塁打、22打点という成績であった。

2020年も中島卓也は不振だったが石井も打率.179と打撃が振るわず、後半戦は平沼翔太が遊撃でスタメン出場することが多くなり、59試合の出場に留まった。

2021年4月17日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦では日本プロ野球に復帰した田中将大から先制本塁打を打ち、これが決勝点となりチームの勝利に貢献し、田中の国内連勝記録を28で止めた[8][9]

2022年は新たに監督に就任した新庄剛志の下、オープン戦から様々なポジションで積極的に起用される。開幕戦で千賀滉大から先制本塁打を放ったが、新型コロナウイルスの感染で途中離脱したこともあり、規定打席には到達しなかった。しかし、シーズン通しては打率.236、70安打、6本塁打、32打点とキャリアハイの成績だった。

2023年はオープン戦で打率.359という好成績を残し、開幕から正二塁手としての起用が続いていたが、左肩甲下筋肉離れのため4月10日に出場選手登録を抹消された[10]。その後5月5日のイースタン・リーグの対東京ヤクルトスワローズ戦にて実戦復帰を果たすと[11]、6月13日の対横浜DeNAベイスターズ戦から1軍へ復帰した[12]。復帰後の6月の月間打率は.276と好成績を残していた。しかし7月に入ると調子が上がらず月間打率は.138を記録し7月28日に再び出場選手登録を抹消された。その後は上川畑大悟加藤豪将などが起用されこれ以降1軍に復帰することは無かった。最終的には自己最低の36試合の出場に留まり打率.169、0本塁打、4打点と打撃面でも自己最低の成績を記録した。

2024年は開幕一軍を勝ち取り、本拠地開幕戦となった4月2日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦で先発出場。5月29日の阪神タイガース戦後に出場選手登録を抹消されたが[13]、7月2日に再び出場選手登録された。7月19日の千葉ロッテマリーンズ戦では、相手先発の小島和哉に7回までノーヒットノーランを続けられていたが、8回に先制ソロ本塁打を放ち、結果的にこれが決勝点となった[14]。7月は月間打率.286と好成績を残したが8・9月は打率1割台と調子を落とした。ソフトバンクとのCSファイナルステージでも2試合に出場した。レギュラーシーズンでは68試合出場、打率.234、4本塁打、18打点、2盗塁の成績を記録した。オフにはこの年取得した国内FA権を行使せず残留を表明し、1000万円増の推定年俸4000万円で契約を更改した[15]

選手としての特徴・人物

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走攻守にバランスが取れた内野手[16][17]。軽快なフットワークと強肩を生かした高い守備力に加え、ヘッドの効いた打撃も魅力[18]。50m走のタイム6秒0、遠投105m[19]

愛称は同姓で名前も似ている石井一久と同じ「ピン[20]

実家は、那珂川町内で米農家を営んでいる[21][22][20]。石井も自身のインスタグラムにて、実家の米の宣伝を行っている[23]

憧れのプロ野球選手は田中広輔[20]

2018年に野球雑誌に掲載された投書には、「気分がほんわかしている」という人物評があった[24]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2017 日本ハム 114 361 317 33 65 8 2 3 86 24 3 5 14 1 28 0 1 113 6 .205 .271 .271 .542
2018 69 163 148 17 28 6 2 1 41 4 3 0 2 0 12 0 1 47 0 .189 .255 .277 .532
2019 76 226 196 26 44 10 3 4 72 22 2 3 13 1 16 0 0 61 3 .224 .282 .367 .649
2020 59 104 95 9 17 4 1 0 23 3 1 1 5 1 3 0 0 13 1 .179 .202 .242 .444
2021 111 321 284 25 64 11 4 4 95 19 8 5 14 1 22 0 0 87 2 .225 .280 .335 .615
2022 102 328 296 30 70 12 6 6 112 32 8 7 8 3 20 0 1 64 2 .236 .284 .378 .663
2023 36 100 83 8 14 3 2 0 21 4 3 0 3 0 14 1 0 27 0 .169 .289 .253 .542
2024 68 219 197 20 46 11 1 4 71 18 2 3 9 0 12 0 1 42 2 .234 .281 .360 .641
通算:8年 635 1822 1616 168 348 65 21 22 521 126 30 24 68 7 127 1 4 454 16 .215 .273 .322 .595
  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績

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二塁 三塁 遊撃 外野
















































2017 日本ハム 57 105 139 4 25 .984 5 2 2 1 0 .800 59 79 156 6 34 .975 -
2018 44 66 90 3 10 .981 8 3 12 1 0 .938 24 22 28 3 4 .943 -
2019 5 9 11 0 1 1.000 40 13 37 3 3 .943 48 58 102 4 15 .976 -
2020 14 5 4 1 0 .900 13 5 5 0 0 1.000 38 53 72 4 16 .969 -
2021 16 6 12 1 4 .947 4 4 1 0 0 1.000 101 127 225 7 54 .981 -
2022 61 79 127 2 21 .990 5 3 8 2 0 .846 41 56 86 3 19 .979 3 1 0 0 0 1.000
2023 29 42 52 1 9 .989 1 1 2 0 0 1.000 - -
2024 58 98 170 1 33 .996 6 2 3 1 0 .833
通算 284 410 605 13 103 .987 82 33 70 8 3 .928 311 395 669 27 142 .975 3 1 0 0 0 1.000
  • 2024年度シーズン終了時

記録

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初記録

背番号

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  • 38(2017年 - )

登場曲

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脚注

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注釈

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  1. ^ 113三振は1999年に中日時代の福留孝介が記録した121三振に次ぐ、新人選手のシーズン三振数2位。

出典

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  1. ^ 日本ハム - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2024年11月12日閲覧。
  2. ^ 2016年プロ野球ドラフト ◇日ハム2位指名 石井一成”. スポーツニッポン. 2016年12月1日閲覧。
  3. ^ “日本ハム2位石井が仮契約 同郷ヤクルト星に負けん”. 日刊スポーツ. (2016年11月16日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/1739041.html 2017年1月10日閲覧。 
  4. ^ 【日本ハム】ドラ2石井一「まさか自分が」…セパ通じ新人初アーチ”. スポーツ報知 (2017年4月15日). 2017年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月21日閲覧。
  5. ^ 日本ハム石井一「自分でもびっくり」3安打2打点”. 日刊スポーツ (2017年5月20日). 2021年7月21日閲覧。
  6. ^ 日本ハム石井一、片岡以来新人野手100戦以上出場”. 日刊スポーツ (2017年9月22日). 2021年7月21日閲覧。
  7. ^ 勝負どころの守備が勝敗を分けた。首位攻防第1ラウンドは埼玉西武に軍配”. パ・リーグ.com (2018年8月3日). 2021年8月21日閲覧。
  8. ^ 田中将大、国内復帰初登板で2イニング連続被弾 初回は中田に2ラン&2回は石井にソロ”. Full-Count (2021年4月17日). 2021年7月21日閲覧。
  9. ^ 【楽天】田中将大、日本復帰登板は5回3失点で黒星…国内連勝は28でストップ”. スポーツ報知 (2021年4月17日). 2021年7月21日閲覧。
  10. ^ 日ハム石井けが、復帰まで3週間”. 北海道新聞デジタル (2023年4月10日). 2023年11月9日閲覧。
  11. ^ 【日本ハム】左肩肉離れで2軍調整中の石井一成が実戦復帰も無安打 稲葉GM「打撃は、まだ」”. 日刊スポーツ (2023年5月5日). 2023年11月9日閲覧。
  12. ^ 石井 約2カ月ぶりに1軍復帰 正二塁手獲りへ「もう一度挑戦したい」”. 道新スポーツ (2023年6月13日). 2023年11月9日閲覧。
  13. ^ 日本テレビ. “【日本ハム】清水優心が今季初昇格...捕手登録が「1軍に5人」 ドラ3宮崎一樹は初の1軍へ 石井一成とスティーブンソンが抹消|日テレNEWS NNN”. 日テレNEWS NNN. 2024年11月12日閲覧。
  14. ^ 鎌田良美. “【日本ハム】石井一成、早大後輩ロッテ小島のノーノーの夢打ち砕く「まさかのホームランでした」 - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年11月12日閲覧。
  15. ^ 永野高輔. “【日本ハム】石井一成がFA権行使せず残留「ここで活躍したい」山崎&伏見にも相談し答え導く - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年11月12日閲覧。
  16. ^ 今年のドラフトは“大学生遊撃手”に注目! | 野球コラム”. 週刊ベースボールONLINE (2016年5月8日). 2021年9月27日閲覧。
  17. ^ 日本ハム2位・石井一成(早大・投手) ハイレベルにある攻守走の3拍子 | 野球コラム”. 週刊ベースボールONLINE (2016年11月2日). 2021年9月27日閲覧。
  18. ^ 北海道日本ハムファイターズのドラフト - ドラフト会議2016”. 日刊スポーツ. 2021年9月27日閲覧。
  19. ^ 早大・石井2戦連発 母校作新の日本一励み打撃改造”. 日刊スポーツ (2016年9月12日). 2021年9月27日閲覧。
  20. ^ a b c 日本ハム石井一が初打点 早くも他球団007が警戒”. 日刊スポーツ (2017年2月15日). 2021年9月2日閲覧。
  21. ^ 【日本ハム】4安打4打点の石井一成が実家のお米を宣伝「買って下さい」”. スポーツ報知 (2021年9月2日). 2021年9月2日閲覧。
  22. ^ 『雑談』石井一成(前編)「石井家の米は○○必要なし!」, https://www.youtube.com/watch?v=Vc1fqhhWW1o 2021年9月2日閲覧。 
  23. ^ 石井米購入方法 - @kazunari_38”. www.instagram.com. 2021年9月2日閲覧。
  24. ^ ベースボール・マガジン社『週刊ベースボール』2018年10月1日号 p.72.

関連項目

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外部リンク

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