知覚量子化器
知覚量子化器(pereptual quantizer、PQ)は、SMPTE ST 2084としてSMPTEが公開した[1]、SDRで使用されているガンマ曲線と置き換えることでHDR表示を可能とする伝達関数である[2][3][4][5]。この伝達関数を使用すると、最大10,000 cd/m2、最小0.0001 cd/m2までの輝度レベルを表現することができる[2]。ドルビーによって開発され[6]、SMPTEによって2014年に標準化され[1]、ITUによっても2016年にRec. 2100として標準化された[7][8]。ITUはPQないしHLGをHDR-TVの伝達関数として指定している[7]。PQはHDRビデオ形式(ドルビー・ビジョン[2][9]、HDR10[10]およびHDR10+[11]など)の基礎であり、HDR静止画フォーマットでも使われている。
PQはカラーバンディングについてのヒトの視覚を基礎とした伝達関数であり、12ビットで目に見える擬似輪郭が発生しないようにできる[12]。ガンマ曲線を10,000 cd/m2まで拡張するには15ビットが必要とされる[12]。
技術的詳細
編集PQ EOTF(電気光伝達関数)を以下に示す:[7][13]
PQの逆EOTFは次の通り:
ここで
- は、 の範囲の非線形信号
- は、cd/m2で表した表示輝度
- は、範囲[0:1]に正規化された線形の表示値( は10,000 cd/m2のピーク輝度を表す)
関連項目
編集脚注
編集- ^ a b “ST 2084:2014”. IEEE Xplore. doi:10.5594/SMPTE.ST2084.2014. オリジナルの24 July 2020時点におけるアーカイブ。 24 July 2020閲覧。
- ^ a b c Dolby Laboratories. “Dolby Vision Whitepaper”. 4 June 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。24 August 2016閲覧。
- ^ Eilertsen, Gabriel. The high dynamic range imaging pipeline. Linköping University Electronic Press. pp. 30–31. ISBN 9789176853023. オリジナルの23 January 2021時点におけるアーカイブ。 2020年8月22日閲覧。
- ^ Chris Tribbey (10 July 2015). “HDR Special Report: SMPTE Standards Director: No HDR Format War, Yet”. MESA. オリジナルの13 September 2015時点におけるアーカイブ。 21 September 2015閲覧。
- ^ Bryant Frazer (9 June 2015). “Colorist Stephen Nakamura on Grading Tomorrowland in HDR”. studiodaily. オリジナルの13 September 2015時点におけるアーカイブ。 21 September 2015閲覧。
- ^ Dolby. “Dolby Vision Whitepaper - An introduction to Dolby Vision”. 14 February 2021閲覧。
- ^ a b c “BT.2100 : Image parameter values for high dynamic range television for use in production and international programme exchange”. International Telecommunication Union. (4 July 2016). オリジナルの25 January 2021時点におけるアーカイブ。 25 January 2021閲覧。
- ^ “ITU announces BT.2100 HDR TV standard”. Rasmus Larsen. (5 July 2016). オリジナルの10 July 2016時点におけるアーカイブ。 26 July 2016閲覧。
- ^ Dolby. “Dolby Vision Profiles and Levels Version 1.3.2 - Specification”. 29 September 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。12 February 2021閲覧。
- ^ Consumer Technology Association (27 August 2015). “CEA Defines 'HDR Compatible' Displays”. 11 June 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。12 February 2021閲覧。
- ^ HDR10+ Technologies, LLC (4 September 2019). “HDR10+ System Whitepaper”. 12 February 2021閲覧。
- ^ a b Adam Wilt (20 February 2014). “HPA Tech Retreat 2014 – Day 4”. DV Info Net. オリジナルの1 November 2014時点におけるアーカイブ。 5 November 2014閲覧。
- ^ “BT.2124 : Objective metric for the assessment of the potential visibility of colour differences in television”. www.itu.int. 2021年4月29日閲覧。