白石和彌
白石 和彌(しらいし かずや、1974年12月17日[1] - )は、日本の映画監督。北海道旭川市出身[2]。マネージメントは有限会社フラミンゴ(映画)。既婚。
しらいし かずや 白石 和彌 | |||||||||||
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生年月日 | 1974年12月17日(50歳) | ||||||||||
出生地 | 日本・北海道旭川市 | ||||||||||
職業 | 映画監督 | ||||||||||
ジャンル | 映画 | ||||||||||
活動期間 | 2009年 - | ||||||||||
事務所 | フラミンゴ(映画) | ||||||||||
主な作品 | |||||||||||
映画 『凶悪』 『日本で一番悪い奴ら』 『彼女がその名を知らない鳥たち』 『止められるか、俺たちを』 『孤狼の血』シリーズ | |||||||||||
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略歴
編集北海道旭川西高等学校卒業。高校ではサッカー部に在籍した[3]。札幌市の映像技術系専門学校を卒業するも仕事が見つからずに上京[4]。1995年、中村幻児監督主催の映像塾に3期生として参加。 以後、若松孝二監督に師事し、フリーの演出部として行定勲、犬童一心監督などの様々な作品に参加。2009年、『ロストパラダイス・イン・トーキョー』が長編デビュー作。
2017年、『彼女がその名を知らない鳥たち』でブルーリボン賞監督賞に輝くと、2018年にも『孤狼の血』、『止められるか、俺たちを』、『サニー/32』で同賞を受賞し、2年連続の受賞は今井正、市川崑に続く3人目の快挙となった[5]。『止められるか、俺たちを』では2012年に亡くなった師匠の若松孝二が設立した若松プロダクションを題材に若松プロの映画に出演してきた俳優たちとともに青春群像劇を作り上げた[6]。
2018年以降、監督作品を年3本以上公開するなど、多作ぶりをみせている。
人物
編集アウトローの世界を描いた作品を得意とし、2013年に凶悪殺人事件を題材とした映画『凶悪』で数々の映画賞を受賞し映画監督として注目を集める存在となる[7]。
影響を受けた作品にブロックバスタームービー(大作映画)、中学生で観た日活ロマンポルノ、『仁義なき戦い』などを挙げている[8]。
監督作品の中にたびたび「鮫のエキス」というアイテムが登場するが、これは師匠若松孝二が映画を撮れなかった時期に生計を立てるために輸入して失敗した商品であり、師へのオマージュである[9]。また、ヒーローと考えている登場人物には痰を吐かせるという定番の演出がある[9]。
旭川西高校の1学年下の後輩である音尾琢真は、『日本で一番悪い奴ら』以降、多くの作品に出演しており、白石組の常連俳優である[10][11]。
監督作品
編集映画
編集- ロストパラダイス・イン・トーキョー(2010年) - 兼 共同脚本
- 凶悪(2013年) - 兼 共同脚本
- 日本で一番悪い奴ら(2016年)
- 牝猫たち(2016年) - 兼脚本
- 彼女がその名を知らない鳥たち(2017年)
- サニー/32(2018年)
- 孤狼の血(2018年)
- 止められるか、俺たちを(2018年)
- 麻雀放浪記2020(2019年) - 兼 共同脚本
- 凪待ち(2019年)
- ひとよ(一夜)(2019年)[12]
- 孤狼の血 LEVEL2(2021年)
- 死刑にいたる病(2022年)
- 碁盤斬り(2024年)
- 十一人の賊軍(2024年)
テレビドラマ
編集- 0号室の客 First Story 「憧れの男」(2009年10月23日 - 11月13日、フジテレビ)
- 人間昆虫記(2011年7月31日 - 9月11日、WOWOW) - 第1・2・5・6・7話担当
- 怪奇恋愛作戦 第5話・第6話(2015年2月7日・14日、テレビ東京)
- フルーツ宅配便 (2019年1月12日 - 3月30日、テレビ東京) - 第1・2・3・10・11・12話担当
配信ドラマ
編集- 女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。(2015年、dTV)
- 火花(2016年、Netflix)
- 仮面ライダーBLACK SUN(2022年、Amazon Prime Video)[13][14]
- 極悪女王(2024年、Netflix)- 総監督・監督[15][16]
その他
編集受賞歴
編集- 2013年度
- 第5回TAMA映画賞 最優秀新進監督賞(『凶悪』)[17]
- 第38回報知映画賞 監督賞(『凶悪』)[18]
- 新藤兼人賞2013 金賞(『凶悪』)[19]
- 第35回ヨコハマ映画祭 森田芳光メモリアル新人監督賞(『凶悪』)[20]
- 第37回日本アカデミー賞 優秀監督賞、優秀脚本賞(『凶悪』)[21]
- 第23回日本映画批評家大賞 新人監督賞(『凶悪』)[22]
- 2017年度
- 第42回トロント国際映画祭 コンテンポラリー・ワールド・シネマ部門出品(『彼女がその名を知らない鳥たち』)[23]
- 第39回ヨコハマ映画祭 監督賞(『彼女がその名を知らない鳥たち』)[24]
- 第60回ブルーリボン賞 監督賞(『彼女がその名を知らない鳥たち』)[25]
- 2018年度
- 第31回日刊スポーツ映画大賞 監督賞(『孤狼の血』『サニー/32』『止められるか、俺たちを』)[26]
- 第61回ブルーリボン賞 監督賞(『孤狼の血』『止められるか、俺たちを』『サニー/32』)[5]
- 第42回日本アカデミー賞 優秀監督賞(『孤狼の血』)[27]
- 第28回日本映画批評家大賞 監督賞(『孤狼の血』)[28]
- 2019年度
- 第93回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画監督賞(『ひとよ』『凪待ち』)[29]
- 芸術選奨新人賞 映画部門(『凪待ち』ほか)[30]
出演
編集テレビドラマ
編集- ペンション・恋は桃色(2020年、フジテレビ) - 本人 役(友情出演)
映画
編集新聞
編集脚注
編集- ^ 映画『凶悪』公式サイト
- ^ 赤木国香 (2013年10月19日). “<さすらいのシネマ堂>凶悪*浮かび上がる人間の業”. 北海道新聞旭川支社 (北海道新聞社). オリジナルの2014年4月19日時点におけるアーカイブ。 2019年4月28日閲覧。
- ^ “音尾琢真が“先輩”白石和彌監督の悪事を暴露!?”. WEBザテレビジョン. KADOKAWA (2016年7月7日). 2022年5月2日閲覧。
- ^ “【夢のつかみ方】映画監督・白石和彌さん(前編)〜「やってやる!」という気概〜”. こどもまなび☆ラボ (2018年5月17日). 2019年4月28日閲覧。
- ^ a b “「孤狼の血」白石和彌監督、2年連続で監督賞も困惑/ブルーリボン賞”. サンスポ. 産経デジタル (2019年1月21日). 2019年2月2日閲覧。
- ^ “「「権力側からものを見ない」白石和彌監督が師匠・若松孝二監督から学んだこと”. AbemaTIMES (2018年10月1日). 2019年2月2日閲覧。
- ^ “女子中学生たちと“トイレ映画”作り!“凶悪”のイメージを払拭したい白石和彌監督”. シネマトゥデイ (2015年7月15日). 2019年2月2日閲覧。
- ^ “きっかけは日活ロマンポルノ!? 今、日本映画界で最も注目される監督・白石和彌の素顔に迫る:前編”. テレ東プラス. テレビ東京 (2019年3月7日). 2019年3月16日閲覧。
- ^ a b “『孤狼の血』白石和彌監督の映画に頻出する“鮫エキス”の元ネタは?「僕の師匠である若松孝二監督が昔…」”. ABEMA TIMES (2021年5月14日). 2022年3月23日閲覧。
- ^ “「最高に素晴らしい!!」と音尾琢真、賞賛!!音尾の役柄・そして出演経緯には場内爆笑!!映画『サニー/32』白石和彌監督×音尾琢真トークイベント”. 映画の時間ニュース. ジョルダン (2018年2月21日). 2022年5月2日閲覧。
- ^ “音尾琢真、白石組に9回参加するも常連のプレッシャー「急に呼ばれなくなるんじゃないか」”. ABEMA TIMES (2019年9月25日). 2022年5月2日閲覧。
- ^ “佐藤健×鈴木亮平×松岡茉優×田中裕子が家族に 白石和彌監督最新作『ひとよ』今秋公開決定”. Real Sound. (2019年3月29日) 2019年5月15日閲覧。
- ^ “仮面ライダーBLACK SUN 制作決定!”. 仮面ライダーWEB【公式】. 東映. 2021年4月3日閲覧。
- ^ “「仮面ライダーBLACK」がリブート、監督は「孤狼の血」の白石和彌”. 映画ナタリー. ナターシャ (2021年4月3日). 2021年4月3日閲覧。
- ^ “ゆりやんレトリィバァ主演『極悪女王』Netflixで2023年配信 鈴木おさむ×白石和彌がタッグ”. リアルサウンド 映画部 (株式会社blueprint). (2022年6月30日) 2024年9月22日閲覧。
- ^ “『極悪女王』きょう配信スタート 伝説“髪切りデスマッチ”ゆりやん&唐田えりかの場面写真解禁”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年9月19日). 2024年9月22日閲覧。
- ^ “TAMA映画賞”. TAMA映画フォーラム実行委員会. 2022年8月31日閲覧。
- ^ “報知映画賞、『舟を編む』『凶悪』が3冠 主演男優賞に松田龍平、「石井裕也監督のおかげ」”. Billboard JAPAN (株式会社阪神コンテンツリンク). (2013年12月18日) 2019年4月28日閲覧。
- ^ “映画『凶悪』新藤兼人賞2013【金賞】、白石和彌監督が受賞!”. CINEMA TOPICS ONLINE. 2013年11月18日閲覧。
- ^ “2013年日本映画個人賞”. 第35回ヨコハマ映画祭. 2013年12月7日閲覧。
- ^ “第37回日本アカデミー賞は「大接戦」 優秀作品賞は異例の6作品選出”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2014年1月16日) 2019年4月28日閲覧。
- ^ “第23回受賞作品”. 日本映画批評家大賞. 2024年11月11日閲覧。
- ^ “「彼女がその名を知らない鳥たち」トロント映画祭出品決定!本ポスターも公開”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2017年8月16日) 2017年8月16日閲覧。
- ^ “第39回ヨコハマ映画祭 2017年日本映画個人賞” (2017年12月2日). 2017年12月4日閲覧。
- ^ “ブルーリボン賞「あゝ、荒野」が作品賞に、阿部サダヲ&新垣結衣も受賞”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年1月24日) 2018年1月24日閲覧。
- ^ “白石和彌が日スポ大賞監督賞を受賞、恩師・若松孝二に感謝「僕を作ってくれた人」”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年12月28日) 2019年2月2日閲覧。
- ^ “第42回日本アカデミー賞、「万引き家族」「孤狼の血」「北の桜守」が最多12部門で優秀賞”. 映画.com. (2019年1月15日) 2019年5月21日閲覧。
- ^ “第28回受賞作品”. 日本映画批評家大賞. 2019年5月21日閲覧。
- ^ “キネマ旬報ベスト・テン 「火口のふたり」が日本映画1位に”. NHKニュース (2020年2月4日). 2020年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月5日閲覧。
- ^ 令和元年度(第70回)芸術選奨受賞者一覧 - 文化庁
- ^ 株式会社東宝ステラ『「シン・ウルトラマン」パンフレット』東宝株式会社映像事業部、2022年5月13日、38頁。
- ^ “映画監督 白石和彌 映画を撮ることは、観るより2億倍も楽しい”. 学生新聞 (2022年4月1日). 2024年9月22日閲覧。