発声器官
概要
編集人の声は気流・発声・調音を介して生成される。すなわち肺に溜めた空気を押し出し、呼気圧と気流が声帯を振動させて音高をもつ喉頭原音を生成し、これを唇・舌・歯の制御により口腔および鼻腔で共鳴させ母音・子音を形成して声としている。音声学における「発声」は声帯振動による原音生成を指すが、一般用語としての「発声」はこれら一連の音声合成過程を指す。この広義の発声には主に呼吸器官のほか咀嚼、嚥下のための機構が利用される。以下に主な「発声器官」を挙げる。
- 肺及び気管(気道)全般
- 喉頭懸垂機構
- 内喉頭筋
- 胸郭、腹腔を構成する筋、骨群(腹腔の内容物は腹圧で横隔膜を押す際に作動媒体として機能する)
参考文献
編集- J.C.キャットフォード『実践音声学入門』竹林滋・設楽優子・内田洋子 訳,大修館書店,2006年
- 萩野仁志・後野仁彦『「医師」と「声楽家」が解き明かす発声のメカニズム』音楽之友社,2004年
- Ladefoged, Peter and Sandra F. Disner (2012) Vowels and Consonants, Wily-Blackwell, 『母音と子音:音声学の世界に踏み出そう』田村幸誠・貞光宮城訳、開拓社、2021年. ISBN 978-4-7589-2286-9