畝傍駅
畝傍駅(うねびえき)は、奈良県橿原市八木町二丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)桜井線(万葉まほろば線)の駅である。
畝傍駅 | |
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駅舎(2011年8月) | |
うねび Unebi | |
◄香久山 (3.0 km) (2.6 km) 金橋► | |
左は八木西口駅(近鉄橿原線) | |
所在地 | 奈良県橿原市八木町二丁目1 |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本)* |
所属路線 | ■桜井線(万葉まほろば線)* |
キロ程 | 24.7 km(奈良起点) |
電報略号 | ウヒ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線[1] |
乗車人員 -統計年度- |
[# 1]504人/日(降車客含まず) -2022年- |
開業年月日 | 1893年(明治26年)5月23日[2] |
備考 | 無人駅[1](自動券売機 有) |
乗降客数は近鉄大和八木駅など市内近隣の主要駅よりも遥かに少ないが、JTBの時刻表などでは、当駅が橿原市の代表駅とされている(当駅が橿原市役所の最寄駅であるため)。
歴史
編集- 1893年(明治26年)5月23日:大阪鉄道 (初代)の高田駅 - 桜井駅間延伸により開業[2]。
- 1900年(明治33年)6月6日:買収により関西鉄道の駅となる[2]。
- 1907年(明治40年)10月1日:国有化により帝国鉄道庁の駅となる[2]。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定。桜井線の所属となる[2]。
- 1924年(大正13年)11月1日:吉野鉄道(現在の近鉄吉野線の前身)が橿原神宮前駅(初代)から延伸し当駅に乗り入れ。
- 1929年(昭和4年)8月1日:吉野鉄道が大阪電気軌道に買収され、同社吉野線と国有鉄道(省線)の駅となる。
- 1941年(昭和16年)3月15日:大阪電気軌道が参宮急行電鉄と合併し、関西急行鉄道となる。
- 1944年(昭和19年)6月1日:関西急行鉄道が南海鉄道と合併、近畿日本鉄道となる。
- 1945年(昭和20年)6月1日:近鉄小房線となっていた橿原神宮駅駅(現・橿原神宮前駅(2代目)) - 畝傍駅間の旅客営業休止。
- 1952年(昭和27年)4月1日:近鉄小房線廃止。国鉄単独駅に戻る。
- 1971年(昭和46年)11月1日:貨物の取り扱いを廃止[3]。
- 1984年(昭和59年)10月20日:桜井線CTC化により駅員無配置化[4]。荷物扱い廃止[3]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる[2]。
- 2005年(平成17年)3月1日:ICカード「ICOCA」の利用が可能となる[5]。ICカード専用簡易改札機で対応。
- 2010年(平成22年)3月13日:路線愛称の制定により、「万葉まほろば線」の愛称を使用開始。
駅構造
編集皇紀2600年にあたる1940年(昭和15年)に昭和天皇の橿原神宮行幸に際して建築され、重厚な寺社風の木造駅舎が現在も残っている[2]。
かつては単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持っていたが、2005年12月現在では南端の線路が外され(架線は西側部分のみあるが、東側付近は無い)、相対式ホーム2面2線の構造を有する地上駅となっている。1番(上り)のりば側に駅舎があり、2番(下り)のりばへは跨線橋で連絡している。また、停車位置が多少ずれていて、先頭車両が乗降に便利な位置に停車する。
ホームは駅舎より高い位置にあり、駅舎とホームは階段およびスロープで結ばれている。その階段は現在使われている出入口(改札口)を結ぶものと、貴賓室とを結ぶもの、団体用出入口(閉鎖)を結ぶ3つ設置されていた。
王寺鉄道部管理の無人駅であり、ICOCA利用可能駅(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)。ICOCAチャージ可能な自動券売機が設置されているほか、ICOCA等のICカード読取機(入場用・出場用)が設置されているが、普通乗車券用の自動改札機は設置されていない。
広々とした駅前広場を持っているが、現在は多少手直しの上でほとんどのスペースを月極駐車場としている。飛鳥方面のレンタサイクルの返却場所の1つに指定されている。
トイレは改札内にあり、男女共用となっている。
のりば
編集のりば | 路線 | 方向 | 行先 |
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1 | 万葉まほろば線 | 上り | 桜井・奈良方面[6] |
2 | 下り | 高田・王寺方面 / 五条方面[6] |
- 上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。
貴賓室
編集橿原神宮や神武天皇陵への最寄り駅だったため、参拝する皇族のために駅舎内には貴賓室が設けられた[2]。1940年(昭和15年)には皇紀2600年大祭が営まれて昭和天皇が、1959年(昭和34年)には成婚から間もない皇太子夫妻(後の明仁上皇・上皇后美智子)が、この貴賓室を利用した[2]。普段は閉鎖されている[2]が、1995年[7]以降不定期に一般公開される[8]。
駅舎改築
編集JR西日本は、コスト削減のため利用者の少ない駅舎の改築・コンパクト化や、地元自治体への無償譲渡・民間活用を進めており、当駅もその検討対象となっている。地元では歴史ある駅舎の改築に反対する声がある一方、橿原市ではコスト負担が大きいとして民間活用を断念しており、改築される公算が高いと報じられていた[9]。その後、橿原市が貴賓室を保存活用する方向で方針変更したことが報じられている[10]。
利用状況
編集1日の平均乗車人員は以下の通りである[11]。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
2005年(平成17年) | 452 |
2006年(平成18年) | 431 |
2007年(平成19年) | 426 |
2008年(平成20年) | 428 |
2009年(平成21年) | 444 |
2010年(平成22年) | 448 |
2011年(平成23年) | 441 |
2012年(平成24年) | 458 |
2013年(平成25年) | 459 |
2014年(平成26年) | 438 |
2015年(平成27年) | 454 |
2016年(平成28年) | 466 |
2017年(平成29年) | 466 |
2018年(平成30年) | 481 |
2019年(令和元年) | 496 |
2020年(令和 | 2年)[# 2]407 |
2021年(令和 | 3年)[# 3]446 |
2022年(令和 | 4年)[# 1]504 |
橿原市の代表駅となってはいるが、多くは近くにある近鉄橿原線の八木西口駅か近鉄大阪線の大和八木駅を、また橿原神宮へは近鉄南大阪線・吉野線・橿原線の橿原神宮前駅を利用するため、当駅の乗降客は少ない。また、国鉄時代は業務委託駅で、桜井線に運行されていた急行「紀ノ川」も通過していた。桜井線電化時に無人駅となり、出札口は板で封鎖されてしまった。
駅周辺
編集隣の駅
編集かつて存在した路線
編集- 近畿日本鉄道
- 小房線
- 畝傍駅 - 小房駅
脚注
編集- ^ a b 『週刊 JR全駅・全車両基地』 16号 奈良駅・新今宮駅・王寺駅ほか70駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年11月25日、27頁。
- ^ a b c d e f g h i j 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 42号 阪和線・和歌山線・桜井線・湖西線・関西空港線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年5月16日、22-23頁。
- ^ a b 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、353頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ “「通報」●奈良線上狛駅ほか17駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 4. (1984年10月19日)
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '05年版』ジェー・アール・アール、2005年7月1日、188頁。ISBN 4-88283-126-0。
- ^ a b “畝傍駅|時刻表:JRおでかけネット”. JRおでかけネット. 西日本旅客鉄道. 2022年9月27日閲覧。
- ^ “桜井線畝傍駅の旧貴賓室初公開”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1995年4月10日)
- ^ “[エキタビ]JR桜井線 畝傍駅 古道行けばノスタルジー” 読売新聞 (読売新聞大阪本社): p3. (2018年4月7日 大阪夕刊)
- ^ 上皇さまご夫妻をお迎えしたJR畝傍駅舎 老朽化と利用客減少で解体危機 - 産経新聞 2022年11月1日
- ^ 皇室用の貴賓室残る畝傍駅 奈良・橿原市長、駅舎保存へJRと協議の意向 - 産経新聞 2024年2月29日
- ^ 奈良県統計年鑑
- 橿原市統計書
- ^ a b 『橿原市統計書(令和5年版)』(pdf)(レポート)、69頁。オリジナルの2024年8月3日時点におけるアーカイブ 。2024年8月3日閲覧。
- ^ 『橿原市統計書(令和3年版)』(pdf)(レポート)、69頁。オリジナルの2024年6月6日時点におけるアーカイブ 。2024年8月3日閲覧。
- ^ 『橿原市統計書(令和4年版)』(pdf)(レポート)、69頁。オリジナルの2024年6月6日時点におけるアーカイブ 。2024年8月3日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 畝傍駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- 動画で見るニッポンみちしる 畝傍駅 - NHKアーカイブス