申智愛
申 智愛[1](シン・ジエ、ハングル:신 지애、英語:Jiyai Shin、1988年4月28日 - )は、大韓民国全羅南道霊光郡出身の女子プロゴルファーである。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)での登録名は「申 ジエ」[2]。全米女子プロゴルフ協会(LPGA)ツアー参戦時に最終ラウンドで強さを発揮することから「Final Round Queen」と呼ばれていた[3]。
Jiyai SHIN | |
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基本情報 | |
名前 | 申智愛(申ジエ) |
生年月日 | 1988年4月28日(36歳) |
身長 | 155 cm (5 ft 1 in) |
国籍 | 大韓民国 |
出身地 | 全羅南道霊光郡 |
経歴 | |
プロ転向 |
2005年 JLPGA入会2008年 JLPGA80期 |
優勝数 | |
LPGAツアー | 11 |
日本LPGA | 28(内、国内メジャー4勝、2008年、2010年ミズノクラシックはLPGAツアーに加算) |
韓国LPGA | 20(内、メジャー5。他にアマチュアとして1勝) |
LPGAメジャー選手権最高成績 (優勝: 2) | |
ANA | T8: 2010 |
全米女子プロ | 3: 2009 |
全米女子OP | T2: 2023 |
全英女子OP | 優勝: 2008, 2012 |
エビアン | T44: 2013 |
成績 | |
世界ランク最高位 | 1位(2010年5月3日付) |
賞金ランク最高位 |
韓国女子:1位=2006 - 2008 全米女子:1位=2009 日本女子:2位=2016,2018 |
2023年3月5日現在 |
来歴
編集父親の勧めで11歳でゴルフを始める[4]。
中学3年だった2003年11月、申智愛をゴルフ練習場へ送り、車で帰宅途中の母が交通事故で死去[5]。同乗していた弟と妹も重傷を負った[5]。
2005年4月に日本で開催された「日韓対抗中学・高校生ゴルフ選手権」(高校女子の部)優勝[6]。同年9月には韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)ツアー「SKエンクリーン招待」でアマチュア優勝[7]。プロテストが免除され同年11月に同会に入会した[1]。
2006年KLPGAツアーメジャー大会「韓国女子オープン」でプロ初優勝[8]。これを含めて3勝し、新人賞と賞金女王に輝く、他にアジア女子ツアー(LAGT)1勝[9]。
2007年KLPGAツアーメジャー大会「KB国民銀行スターツアー第4戦」優勝[10]。これを含めて9勝し、2年連続の賞金女王に輝く、他にLAGT1勝[9]。同年から全米女子プロゴルフ協会(LPGA)ツアーにスポット参戦を始める[9]。
2008年シーズンはKLPGAツアーで7勝(前年12月開催の中国女子プロゴルフ協会と共催の「中国女子オープン」を含む[11])を挙げ、3年連続の賞金女王に輝く[9]。この7勝には当時3大会であったKLPGAのメジャー大会(「韓国女子オープン」[12]、「KLPGA選手権」[13]、「KB国民銀行スターツアー第4戦」[14])の優勝があり、KLPGAツアーで年間グランドスラムを達成した初の選手となる[9]。
同年、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)ツアーにおいては「ヨコハマタイヤ PRGRレディスカップ」で初優勝を果たす[15]。これは自身の同ツアー初出場であり、横峯さくらとの4ホールのプレーオフを制しての優勝であった[15]。同年12月JLPGAに80期生として入会[2]。
同年、LPGAツアーにおいては「全英リコー女子オープン」で同ツアー初優勝をメジャー大会で飾った他、「ミズノクラシック[注 1]」、「ADT選手権」でも優勝した[9]。
2009年はLPGAツアーの会員となり、「HSBC女子チャンピオンズ」で優勝するなどツアー3勝、同ツアー新人賞と賞金女王に輝く[9]。JLPGAツアー1勝[16]。
ロレーナ・オチョアの引退に伴い[9]、2010年5月3日付女子ゴルフ世界ランキング(世界ランク)で自身初の1位となる[17][注 2]。同年LPGAツアーで2勝[9]、JLPGAツアー1勝[16]。
同年KLPGAツアーメジャー大会「KLPGA選手権」で優勝[18]、この優勝によりプロとして同ツアー通算20勝となりKLPGAツアー永久シードの資格を得た[19]。
2012年9月の「キングスミル選手権」でポーラ・クリーマーとの2日間9ホールに及ぶプレーオフの末[注 3]、2年ぶりのツアー優勝を果たし、翌週のメジャー大会「全英リコー女子オープン」も優勝した[9]。
2013年シーズンを最後に[9]、LPGAツアーのツアーカードを返上[19]。
2014年からJLPGAツアーを主戦場とし[19]、同年4勝を挙げ、年間獲得賞金ランキング(賞金ランク)4位[16]。
2015年6月にスリーボンド所属となった事が発表された(契約は同年1月から)[20]。同年は公式戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を含む3勝を挙げ、賞金ランク3位[16]。
同年KLPGA殿堂入りを果たす、2007年の朴セリに次いで3人目の入会となった[21]。
2016年JLPGAツアー3勝で賞金ランク2位、2017年同ツアー2勝で賞金ランク5位[16]。
2018年はJLPGAツアー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」、「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」、「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」と公式戦を3勝[22]。同一年に公式戦3勝はJLPGAツアー史上初であり[22]、これにより2019年から2025年までの7年シードを得た[23]。同年はもう1試合優勝があり計4勝で賞金ランク2位[16]。
2019年6月の「アース・モンダミンカップ」で初日から首位を譲らない完全優勝でこのシーズン3勝目を挙げる、この優勝によりJLPGAツアー通算獲得賞金が9億円を超え、出場188試合での達成は史上最速となった[24]。同年は同ツアー賞金ランクは3位で終えるが[16]、年間平均ストロークで同ツアー史上初の60台となる69.9399を記録した[25][注 4]。
2020年は新型コロナウイルスの世界的流行の影響でJLPGAツアー開幕が大幅に遅れたことと、自身が母国(韓国)へ帰国中に日本政府がコロナ対策として外国人の入国制限などを行った影響で10月まで来日することが出来なかった。その上に古傷の左ヒジ痛と右手首腱の痛みが悪化したことから母国でクリーニング手術を受けるなどゴルフから暫く遠ざかることにもなった[26]。このような状況で2020年日本女子オープンで今季初出場すると、3戦目となった富士通レディースで最終日に同胞の後輩であるペ・ソンウとの優勝争いを制して今季初勝利をJLPGAツアー通算23勝目[注 5]で飾ると共に[27]、優勝賞金1,800万円獲得によりアン・ソンジュが保持していた226試合を抜いてツアー最速となる207試合目で生涯獲得賞金10億円を突破した[26]。
主なツアー優勝歴
編集LPGAツアー
編集※本項はJIYAI SHIN|BIO|LPGA(英語)に基づく、大会名は開催当時で表記し太字はメジャー大会である
- 2008年:全英リコー女子オープン、ミズノクラシック、ADT選手権
- 2009年:HSBC女子チャンピオンズ、ウェグマンズLPGA、P&Gビューティ・NWアーカンソー選手権
- 2010年:エビアン・マスターズ、ミズノクラシック
- 2012年:キングスミル選手権、全英リコー女子オープン
- 2013年:ISPSハンダ女子オーストラリアンオープン
JLPGAツアー
編集※本項は一部を除き、申 ジエ|プロフィール詳細の生涯成績・記録に基づく、大会名は開催当時で表記し太字は公式戦である
- 2008年:ヨコハマタイヤ PRGRレディスカップ[15]
- 2009年:マスターズGCレディース
- 2010年:サイバーエージェントレディス
- 2014年:ニチレイレディス、meijiカップ、ニトリレディスゴルフトーナメント、マンシングウェアレディース東海クラシック
- 2015年:サイバーエージェントレディス、ニチレイレディス、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ
- 2016年:ほけんの窓口レディース、ニチレイレディス、樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント
- 2017年:ニトリレディスゴルフトーナメント、大王製紙エリエールレディスオープン
- 2018年:ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ、ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント、日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ
- 2019年:スタジオアリス女子オープン、フジサンケイレディスクラシック、アース・モンダミンカップ
- 2020年:富士通レディース、TOTOジャパンクラシック
- 2021年:大東建託・いい部屋ネットレディス、ニチレイレディス
- 2023年:ダイキンオーキッドレディス、アース・モンダミンカップ
LPGAメジャー大会の成績
編集※本項の成績は申ジエツアー成績の各年度に基づく
Tournament | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
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シェブロン選手権 | T15 | T31 | T21 | T5 | T29 | T26 | T7 | T16 | T21 | ||||||||
女子PGA | 3 | T3 | T34 | T5 | T11 | ||||||||||||
全米女子オープン | 6 | T19 | T13 | T5 | T10 | CUT | CUT | CUT | T2 | ||||||||
エビアン選手権 ^ | T44 | NT | T54 | ||||||||||||||
全英女子オープン | T28 | 1 | T8 | T14 | 21 | 1 | T36 | T29 | T60 | 3 |
^ The Evian Championship was added as a major in 2013.
CUT = missed the half-way cut
NT = no tournament
"T" tied
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b “신지애” (朝鮮語). KLPGA. 2019年6月23日閲覧。
- ^ a b c “申 ジエ プロフィール詳細”. 日本女子プロゴルフ協会. 2019年6月23日閲覧。
- ^ “若手のカベになる 優勝姿で申ジエが伝えたい“メッセージ””. ALBA.Net (2019年4月28日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ “申ジエ プロフィール”. ゴルフダイジェスト・オンライン. 2019年6月23日閲覧。
- ^ a b “亡き母に捧ぐ1勝 申ジエ、米ツアー賞金女王へ一直線”. 日本経済新聞 電子版 (2010年11月9日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ “平成20年以前の成績”. 日本高等学校ゴルフ連盟. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “제10회 SK엔크린 인비테이셔널 여자골프대회” (朝鮮語). KLPGA (2005年9月11日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ “태영배 제20회 한국여자오픈” (朝鮮語). KLPGA (2006年5月21日). 2019年10月29日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “Bio | JIYAI SHIN” (英語). LPGA. 2019年6月23日閲覧。
- ^ “2007 KB 국민은행 Star Tour 4차대회” (朝鮮語). KLPGA (2007年9月8日). 2019年10月29日閲覧。
- ^ 신지애|KLPGA(朝鮮語)の2008년参照
- ^ “태영배 제22회 한국여자오픈 골프대회” (朝鮮語). KLPGA (2008年5月18日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ “제30회 신세계 KLPGA선수권대회” (朝鮮語). KLPGA (2008年9月26日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ “KB국민은행 Star Tour 4차 대회” (朝鮮語). KLPGA (2008年10月26日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ a b c “ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ 最終日”. 日本女子プロゴルフ協会 (2008年3月23日). 2019年7月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g 申 ジエ|プロフィール詳細の生涯成績・記録参照
- ^ “Rankings2010-05-03” (英語). Women's World Golf Rankings (2010年5月3日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ “메트라이프-한국경제 제32회 KLPGA 챔피언십 J골프 시리즈” (朝鮮語). KLPGA (2010年9月19日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ a b c “申ジエ(Ji-Yai Shin)”. ALBA.Net. 2019年6月23日閲覧。
- ^ “申ジエ、Three Bondと所属契約!”. ゴルフネットワーク (2015年6月15日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ 시상식 내역|KLPGA(朝鮮語)の명예의 전당参照
- ^ a b “申ジエがツアー初のメジャー年間3勝達成 POでペ・ヒギョン下す”. ALBA.Net (2018年11月25日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ “リランキング制度、フォールシャッフルとは?【国内男女】”. ALBA.Net (2017年11月15日). 2019年6月23日閲覧。
- ^ “申ジエが完全Vで今季3勝目 原英莉花は3差2位”. ALBA.Net (2019年6月30日). 2019年6月30日閲覧。
- ^ “鈴木愛が2年ぶり賞金女王 渋野日向子は757万円及ばず”. ゴルフダイジェスト・オンライン (2019年12月1日). 2019年12月1日閲覧。
- ^ a b "「もっと良くなるためには…」申ジエが手術を乗り越え史上最速10億円突破". ALBA.Net. グローバルゴルフメディアグループ. 18 October 2020. p. 1-2. 2020年10月18日閲覧。
- ^ "申ジエが逆転で国内25勝目 古江彩佳2打差2位 ゴルフ富士通レディース". デジタル毎日. 毎日新聞社. 18 October 2020. p. 1. 2020年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月18日閲覧。
外部リンク
編集- 申智愛(日本女子プロゴルフ協会のプロフィール)
- 申智愛 - 全米女子プロゴルフ協会のプロフィール *
- オフィシャルサイト
- seoulsisters.com
- 申智愛 (@sjy1470) - X(旧Twitter)