生存説
この記事のほとんどまたは全てが唯一の出典にのみ基づいています。 (2021年9月) |
生存説(せいぞんせつ)とは、ある時期に死亡したとある人物、あるいは絶滅した生物は実はその時点以後も生存していた、もしくはまだ現在も生存中なのではないかと推測する仮説のこと。
概要
編集ある人物・動植物が既に死亡あるいは絶滅しているがいまだにどこかで何らかの理由で実は生きている、もしくは死亡・絶滅したとされる年月日以降も生きていたと語られる話であり、対義語は「死亡説」である。 同一人物説を兼ねていることが多い。また一種の貴種流離譚と化しているものもある。動植物の場合、未確認生物として扱われる。
例
編集人物
編集- ネアンデルタール人 - 獣人伝説の正体として生存説がある[1]。
- 楊貴妃 - 日本に落ち延びて来たという伝説がある。
- 安徳天皇 - 日本各地に落人伝承がある[2]。
- 弘文天皇(大友皇子)- 壬申の乱での敗北後に落ち延びたとする伝説。それに関係する史跡が房総半島に多く存在する。
- 源義経 - 蝦夷地に逃れたという義経北行伝説や、モンゴルに逃れてモンゴル帝国を建国したとする義経=ジンギスカン説が生まれた。
- 織田信長 - 本能寺で遺体が発見されないことから様々な伝承がある。後金の高皇帝と絡める大陸進出など。
- 明智光秀 - 南光坊天海になったという天海=明智光秀説がある[3]。
- 石田三成 - 西軍に内通の津軽為信が米沢から秋田を通して逃亡を助けたとする等。史実でも津軽信義は三成の孫である。
- 淀殿 - 大阪城陥落時に秋元長朝の元に身を寄せたという伝承がある[5]。群馬県前橋市の元景寺に淀殿のものと伝わる墓がある。
- 豊臣秀頼 - 薩摩に落ち延びたという噂が死の直後から流布した[6]。大酒呑みで乱暴な大男だったので、「谷山の厄介」などと呼ばれ薩摩では嫌われたとも[7][8]。
- 豊臣国松 - 父親と同じく九州に落ち延びたという伝承がある。
- 真田信繁 - 討たれたのは影武者で、本人は秀頼を連れて薩摩に落ち延びたという伝承があり、全国各地に信繁の墓が存在する。
- 天野康景 - 土井利勝を呼び捨てにする老人の噂から発展した噂だが、年齢の点から松平信康説もある[9]。
- 天草四郎 - 死んだのは替え玉という噂が流れた[10]。
- 吉良義央[11] - 津軽信政や津軽政兕が山鹿政実と共に吉良を救出したとするものが多い。
- 大塩平八郎 - 自害の際、小屋に火をつけ、火薬を爆発させたことにより、遺体の損傷が激しく本人と確認できなかったため、大塩生存説が生まれた。
- 原田左之助 - 満州に渡り、馬賊になったという噂が流れた。
- 西郷隆盛 - 海外に脱出したという噂が流れた。1891年(明治24年)のロシア皇太子(後のニコライ2世)の来日時に同行するという噂も流れたが、その際に大津事件を起こした津田三蔵はこれを本気で信じていたという。[12]
- 杉野孫七 - 生存説が流れた[13]。
- アナスタシア・ニコラエヴナ - ロシア革命後の1918年に銃殺されたが、埋葬場所が明らかでなかったため、生存説が流れた。そのため、アナスタシアと名乗る女性が何人も現れた。
- アドルフ・ヒトラー - 逃亡した可能性をスターリンが示唆し[14]、南米で生存しているという都市伝説がある[15]。→詳細は「アドルフ・ヒトラー § 生存説」を参照
- スバス・チャンドラ・ボース - インドでは「飛行機事故は偽装工作でソ連もしくはヒマラヤに渡った」という生存説が根強く[16]、蓮光寺の遺骨の返還がうまく行っていない[17]。→詳細は「スバス・チャンドラ・ボース § 死に対する議論」を参照
- 川島芳子 - 1948年に処刑されたが、処刑されたのは替え玉で、本人は戦後も生き延びたという説がある。芳子の中国語版のページにも「1907年5月24日-1948年3月25日或1978年」と記載されているなど意見が分かれている。→詳細は「川島芳子 § 川島芳子生存説」を参照
- 劉少奇・林彪 - 劉は1969年に、林は1971年に死去したが、1972年2月に中国政府が訪中したフランスの国会議員団の質問に「林彪は生きている」「劉少奇は人民公社で労働」と答えた[18]。
- エルヴィス・プレスリー[19]→詳細は「エルヴィス・プレスリー § 死後」を参照
- テレサ・テン - 1995年に死去したが、死没地のタイ・チェンマイを中心に生存説が流れた。
- 2パック[19]
- マイケル・ジャクソン[19]
この節の加筆が望まれています。 |
動植物
編集UMA(未確認動物)という用語の提案者である實吉達郎により、ネッシーやツチノコなどの狭義の未確認動物と区別するために「絶滅未確認動物」(extinct mysterious animals, EMA)という呼称が考案された[20]がUMAとは違い、一般化しなかった。
古生物学ではプレスリー分類群と呼ばれるほか、実際に生存が確認された場合のものはラザロ分類群と呼ばれる。
- マンモス - シベリアやアラスカで目撃情報がある。考古学的記録では最後のマンモスが死亡したのは紀元前1700年頃である。
- フクロオオカミ - 目撃情報がある。
- ジャイアントモア - 目撃情報がある。→詳細は「ジャイアントモア § 生存説」を参照
- ニホンオオカミ - 目撃情報がある[21]。→詳細は「ニホンオオカミ § 生存の可能性」を参照
- メガロドン - 生存説が流布されている[22]。
- ステラーカイギュウ - 公式には1768年に絶滅したとされるがそれ以後の1962年に目撃情報がある。
- アラモサウルス - 白亜紀大絶滅後も70万年ほど生き残っていた説がある。
- ケラトサウルス - アラスカのパートリツヂ入江で目撃情報がある[23]。
- ニホンカワウソ - 目撃情報がある。→詳細は「ニホンカワウソ § 生存の可能性」を参照
この節の加筆が望まれています。 |
脚注
編集- ^ 学研教育出版 (2013). 未知動物の大百科. 学研プラス. p. 92. ISBN 9784059147695
- ^ 日本史未解決ファイル p140
- ^ 日本史未解決ファイル p143
- ^ 八切止夫「信長殺し、光秀ではない」
- ^ 日本史未解決ファイル p137
- ^ 日本史未解決ファイル p286
- ^ 『涌幢小品』第三十
- ^ 松浦静『甲子夜話続編』
- ^ 村岡素一郎『史疑 : 徳川家康事跡』民友社、1902年、151-153頁。doi:10.11501/992561。 NCID BN08077503。OCLC 56037612。全国書誌番号:54011976 。2023年1月12日閲覧。
- ^ 日本史未解決ファイル p293
- ^ 山田風太郎「生きている上野介」、長辻象平「忠臣蔵釣客伝」など。
- ^ 日本史未解決ファイル p133
- ^ 日本史未解決ファイル p290
- ^ 白石光 (2021). 100%ムックシリーズ完全ガイドシリーズ296 独ソ戦完全ガイド. 晋遊舎. p. 104. ISBN 9784801814660
- ^ 並木伸一郎 (2007). 最強の都市伝説1. 経済界_(出版社). p. 1994. ISBN 9784766783988
- ^ Voice編集部 (2016). Voice_平成28年9月号. PHP研究所. p. 51
- ^ 谷野作太郎 (2017). 中国・アジア外交秘話. 東洋経済新報社. p. 162. ISBN 9784492444429
- ^ 『朝日新聞』1972年2月10日朝刊1面。
- ^ a b c サイゾー編集部 (2021). サイゾー 2021年7・8月合併号. 株式会社サイゾー. p. 58
- ^ 実吉達郎『UMA(未確認動物)EMA(絶滅未確認動物)読本』(新紀元社、 2005年5月)
- ^ 羽仁礼 (2001). 超常現象大事典. 成甲書房. p. 187. ISBN 9784880861159
- ^ 上林祐 (2012). 知っておきたい 謎・奇妙・不思議ないきもの. 西東社. p. 165. ISBN 9784791683550
- ^ 鈴木英四郎 (華僊人)『怪世界 : 珍談奇話』精華堂、1908年、13頁 。2021年10月3日閲覧。
参考文献
編集- 日本博学倶楽部『日本史未解決ファイル 聖徳太子架空人物説」から「西郷隆盛生存説」まで』PHP研究所、2005年10月。ISBN 9784569664668。
- バルロワ, ジャン=ジャック 著、ベカエール直美 訳『幻の動物たち』 上、早川書房〈ハヤカワ文庫 NF 138〉、1987年11月。ISBN 978-4-15-050138-9。
- バルロワ, ジャン=ジャック 著、ベカエール直美 訳『幻の動物たち』 下、早川書房〈ハヤカワ文庫 NF 139〉、1987年11月。ISBN 978-4-15-050139-6。
関連項目
編集