生ごみ(なまごみ、Food waste)は食材残渣など水分を多く含む廃棄物

生ごみ

食品廃材(しょくひんはいざい)をさす場合もあるが、これは主に産業レベルでの生ごみである。

概要

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生ごみは、一般には料理を提供する宿泊施設などを含む飲食店家庭から排出される野菜屑のような調理かすや残飯などである。多くの場合において腐敗する性質がある。

かつては屎尿とともに、堆肥に混ぜられたり、庭や空き地に埋められたりして処分されていた。放置すると悪臭が発生したり、ネズミハエゴキブリといった病原害虫害獣の発生源、あるいは野良猫野良犬カラスなどの誘引源となるため、適切な回収と処理が求められる。

先進国ではインスタント食品冷凍食品レトルト食品など、調理済みの食品や加工食品が一般家庭や喫茶店など準飲食店、あるいはファーストフードファミリーレストランのような集中調理を行う飲食店チェーンで利用される傾向があり、野菜屑や魚の骨といった調理に絡む生ごみは減少したが、同時にそれら食品を製造する食品加工工場セントラルキッチンなどから排出される食品廃材の量は更に増え、これらの処分に関してはしばしば社会問題にもなっている。

処理

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焼却処分する場合、水分が多いために焼却には多くの重油を要する。自治体によっては回収後に発酵させるコンポスト化がなされているが、作物にとって有害な物質が混入しないよう、分別の徹底を求められる。異物が混入しにくい給食の残飯などは、堆肥としての利用が進んでいる。

一般の家庭や飲食店など排出源では、ディスポーザーなどの処理機を使って下水道汚水として流す処分方法もあるが、日本では同機器が利用され始めたのが下水道整備が地方町村で普及する以前でもあった関係で富栄養化が発生するなど社会問題として扱われたこともあり、下水道が地方都市部でも普及した現在でもディスポーザーを設置している家庭は余り見られず、また自治体が管理する下水道処理施設でも、一気に下水道に流入する有機廃棄物が増加するディスポーザーの普及には否定的である。このため多くの自治体では週2回程度、「燃えるごみ」に含んで生ごみを回収している。

コンポスト化は家庭で出る生ごみを家庭で処分できる機器も登場しているが、発酵処分後に肥料として利用できるが無い場合は余り意味が無い。ただし生ごみを脱水してその容積を減らすための生ごみ処理機も登場しており、ごみの減量化が期待される。またシマミミズを使ったミミズ堆肥や、アメリカミズアブコウカアブなどのミズアブ科の幼虫に生ごみを与え、その幼虫をニワトリなどの家畜家禽養殖魚の生き餌とする方法も考案されている[1][2]。この場合は生ごみが「ごみ」ではなく「資源」とみなせる主張もある[3]

乾燥させた場合は、バイオマス燃料として利用できる余地があり、プラスチック発泡スチロールなど合成樹脂のごみと混ぜ合わせて圧縮・ペレット化して火力発電に利用しようという「廃棄物固形燃料」計画もある。ただし廃棄物固形燃料は水に濡れると発酵が始まり、発酵熱で自然発火した事例もあるなど、2007年現在では実証実験から実用化に向けた模索が続けられている状態で、全面的な再利用には至っていない。

コンポスト化と乾燥方式を組み合わせた方式の処理機も販売されている[4]が、同様にあまり普及していない。

問題

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生ごみは、人間が何かを食べる際に必然的に発生してしまい、特に都市では人口の集中から、必然的に量も膨大なものとなる。この処分コストは自治体にとって大きな問題となっており、日本では自治体などが先導する形で生ごみ処理機の導入に補助金を出すなど、ごみの減量化に対する社会動向も見られる。

また、動物にとって、家庭などから排出された生ごみはまたとない餌になってしまうことがある。都市部においてはカラスが、ごみ集積場に大挙して訪れ、生ごみを食い散らかすことが東京都やその衛星都市といった大都市圏での社会問題にまで発展している。山間部においてもなどが生ごみを餌にして、人里に出現する事例もある[5]。同種の問題は野良猫に絡む事例でも見られる。

この生ごみ食害に関しては、都市部でのごみ排出ルールがしばしば守られなかったり、あるいは住人らが食料が豊富で手に入り易いために残飯が出易いといった事情から、可食部を多く残す生ごみが排出される傾向もあって[6]、ごみ集積場近隣住人の感情を害する状態に発展するケースや、あるいは住民間の諍いの原因になることもある。こと新住民の流入の激しい地域での、古くからの住人との衝突の火種になるケースも散見される。この問題では、食い散らかされた生ごみが腐って悪臭を発するなど、深刻なケースもあり、この食害を解決するためにごみに食害避けのネットをかぶせるなど自衛する自治体・地域住民も少なくない。

脚注

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関連項目

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