球体 (三浦大知のアルバム)
『球体』(きゅうたい、英: Sphere)は、2018年7月11日にSONIC GROOVEより発売された、三浦大知の7作目のアルバム。約3年半の月日をかけ、三浦がプロデューサーのNao'ymtとともに、ヴォーカル×ダンスパフォーマンスの可能性を追求したコンセプチュアルプロジェクトである。アルバムは、CD+DVD、CD+Blu-ray、CDのみの全3形態で発売された。
『球体』 | ||||
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三浦大知 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | R&B、ポップ、ヒップホップ、ダンス・ポップ | |||
時間 | ||||
レーベル | SONIC GROOVE | |||
プロデュース | Nao'ymt | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
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チャート最高順位 | ||||
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三浦大知 アルバム 年表 | ||||
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音楽性
編集本作はアルバム全体としては、アンビエントR&Bや、チルアウト寄りのダンス・ミュージックといった、アメリカを中心としてグローバルなトレンドとなったサウンドとの同時代性を持っている。批評家/ライターのimdkmは、アンビエントR&Bの筆頭でしばしばローファイな録音をコラージュ的に取り入れる――Frank Ocean『Channel Orange』や『Blonde』に対して、本作は一貫してハイファイで、クリアな音像を維持していると指摘している。また本作を特徴づけるサウンドとして、収録曲「円環」や「テレパシー」、「世界」にみられる、80年代の王道をゆくポップスを彷彿とさせるPCM系のドラムマシンやきらびやかなシンセサイザーの音色を挙げている。また本作では「飛行船」などの楽曲で、フューチャー・ベースをはじめとしたEDM以降のダンス・ミュージックが取り入れられている[4]。
評価・批評
編集- 蔦谷好位置は、テレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」の企画「売れっ子音楽プロデューサーが選ぶベスト10曲 2018」にて、本作の収録曲「飛行船」を1位に選出し、「日本人の作るポピュラー音楽における芸術性を近年最も感じた曲」と評価した[5]。
- 「ミュージック・マガジン」の鈴木孝弥は、「言葉、歌は美しい」が「サウンドの振り幅、落差の刺激が過剰で、音の意匠そのものを許容しきれない場面」が多いと述べた[1]。
- また同誌は、2021年3月号掲載の「特集 [決定版] 2010年代の邦楽アルバム・ベスト100」にて本作を第27位に選んでいる。音楽評論家の原田和典は選出に際して、「鮮やかすぎる新機軸だ」と本作を評した[6]。
- 上述のimdkmは、著書「リズムから考えるJ-POP史」のなかで、本作『球体』における、グローバルなサウンドにおいて「日本語」「日本」が歌われていることの屈折を指摘。星野源『POP VIRUS』や宇多田ヒカル「Too Proud」をヒントに、"「日本語によるポップ・ミュージック」と「日本のポップ・ミュージック」の同一性を前提としないポップミュージック"="「J」なしの「POP」"の可能性の探求を展望し、三浦が海外で築きつつあるファンベースにもその展開を期待しつつ、「J=日本」をポストグローバリゼーションの時代において再定義/定位する試みの必要性を論じた[7]。
公演
編集アルバムの発売に先立ち、2018年5月25日から6月27日までの間に「"完全独演"公演『球体』」が全国7都市で開催された。公演は、三浦大知自身が演出、構成、振付し、ひとり歌い踊り、この物語を体現する形で開催された[8][9]。また、同年12月23日21時(日本時間)には、本アルバムの映像特典として収録された「球体」独演がYouTube Premieresにて世界同時配信された[10]。
収録曲
編集全作詞・作曲・編曲: Nao'ymt。 | ||
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「序詞」 | |
2. | 「円環」 | |
3. | 「硝子壜」 | |
4. | 「閾」 | |
5. | 「淡水魚」 | |
6. | 「テレパシー」 | |
7. | 「飛行船」 | |
8. | 「対岸の掟」 | |
9. | 「嚢」 | |
10. | 「胞子」 | |
11. | 「誘蛾灯」 | |
12. | 「綴化」 | |
13. | 「クレーター」 | |
14. | 「独白」 | |
15. | 「世界」 | |
16. | 「朝が来るのではなく、夜が明けるだけ」 | |
17. | 「おかえり」 | |
合計時間: |
# | タイトル |
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1. | 「『球体』独演」 |
脚注
編集- ^ a b 「クロス・レヴュー」『ミュージック・マガジン』第50巻第10号、ミュージック・マガジン、2018年9月。
- ^ 「アルバム・レヴュー」『ミュージック・マガジン』第50巻第11号、ミュージック・マガジン、2018年10月。
- ^ 「クロス・レヴュー」[1]、「アルバム・レヴュー」[2]において5人の評者がつけた点数の平均値。
- ^ “【レビュー】三浦大知『球体』の衝撃”. fnmnl (2018年7月20日). 2021年5月10日閲覧。
- ^ “「関ジャム 完全燃SHOW」で三浦大知・中村佳穂らが有名音楽Pの2018年トップに選ばれ脚光”. ランダムビュー アソート (2019年1月23日). 2021年6月30日閲覧。
- ^ "特集[決定版]2010年代の邦楽アルバム・ベスト100"、MUSIC MAGAZINE、2021年3月号、株式会社ミュージック・マガジン
- ^ imdkm (2019年), リズムから考えるJ-POP史, blueprint, pp. 244-246, ISBN 9784909852038
- ^ 全曲Nao'ymtプロデュースによるニューアルバム「球体」、アルバムと連動し同名を冠する”完全独演”公演「球体」開催決定。三浦大知オフィシャルウェブサイト
- ^ “三浦大知、新プロジェクト「球体」で魅せた斬新かつ深遠な世界”. DI:GA ONLINE. 株式会社ディスクガレージ (2018年7月4日). 2018年7月28日閲覧。
- ^ “三浦大知、『球体』独演をYouTube Premieresにて12/23世界同時フル上映決定”. Billboard JAPAN (2018年12月18日). 2019年12月10日閲覧。