王手飛車取り (映画)
『王手飛車取り』(Le Coup du berger)は、1956年(昭和31年)公開、ジャック・リヴェット監督による27分の短編映画である。
王手飛車取り | |
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Le Coup du berger | |
監督 | ジャック・リヴェット |
脚本 |
ジャック・リヴェット クロード・シャブロル シャルル・L・ビッチ |
製作 | レ・フィルム・ド・ラ・プレイヤード |
製作総指揮 | ピエール・ブロンベルジェ |
出演者 |
ヴィルジニー・ヴィトリ エチエンヌ・ロワノー ジャン=クロード・ブリアリ アンヌ・ドア |
音楽 | フランソワ・クープラン |
撮影 | シャルル・L・ビッチ |
編集 | ドニーズ・ド・カザビヤンカ |
配給 | レ・フィルム・ド・ラ・プレイヤード |
公開 | 1956年 |
上映時間 | 27分 |
製作国 | フランス |
言語 | フランス語 |
略歴・概要
編集
Coup du berger (学者メイト)
8
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本作は、ジャック・リヴェットが、1949年(昭和24年)以来3本の習作をかさねて、初めてプロフェッショナルのプロデューサー、ピエール・ブロンベルジェが製作に携わった、リヴェットの監督する短編映画の第4作である。映画のタイトルになっている"Coup du Berger"(直訳すると「羊飼いの一撃」)は、英語では"Scholar's Mate"、日本語では学者メイト、賢者のメイトなどと呼ばれるチェス用語である。先手番の4手目(先手後手を合わせると開始から7手目)でチェックメイトとなる手筋のことを指す。
脚本は、当時28歳のリヴェットのほか、同26歳のクロード・シャブロル、同25歳のシャルル・L・ビッチの3人で執筆した。シャブロルは本作が初の脚本執筆で、批評や小説は発表していたがまだ監督としてデビューしておらず、ラインプロデューサーも兼務した。L・ビッチは、リヴェットの前作『ル・ディヴェルティスマン』(1952年)で撮影監督をし、翌年にはフィリップ・ド・ブロカらとオムニバス映画で監督を経験しており、本作でも撮影監督を務めた。フレーミングはフランソワ・トリュフォーの幼少時からの友人で、当時26歳のロベール・ラシュネーで、製作面ではシャブロルの助手として、製作主任を務めた。編集は本作の前年にジュールス・ダッシン監督の『男の争い』(1955年)で編集技師ロジェ・ドヴィールの助手を務めた当時25歳のドニーズ・ド・カザビヤンカが、本作で技師としてデビューしている。助監督は、のちのストローブ=ユイレとして名高い当時23歳のジャン=マリー・ストローブである。どのパートも、『カイエ・デュ・シネマ』誌に批評を書き、それ以前はモーリス・シェレール(のちのエリック・ロメール)の主宰する「シネクラブ・デュ・カルティエ・ラタン」に集った仲間たちである。
主演陣は、ピエール=ルイ監督の『拘引状』(1953年)に顔を出している程度だったヴィルジニー・ヴィトリを抜擢、のちに撮影監督として大成したピエール・ロムの監督作『パリ・モン・コパン』のナレーションをした程度だった当時23歳のジャン=クロード・ブリアリもほとんど本作がデビュー、ジャン・ドラノワ監督の『首輪のない犬』(1955年)に出たばかりの当時19歳のアンヌ・ドアという、フレッシュな面々に加えて、前年に第16回ヴェネツィア国際映画祭審査員を務めた『カイエ・デュ・シネマ』共同創立者で当時36歳のジャック・ドニオル=ヴァルクローズが、「エチエンヌ・ロワノー」の変名で出演している。脇に存在感を出していたのは、トリュフォー、シャブロル、当時25歳のジャン=リュック・ゴダールの『カイエ』誌の面々であった。
日本では、商業公開はされなかったが、古くから東京日仏学院が16ミリプリントを所蔵しており、幾度となく上映されていた。2009年(平成21年)6月24日、IVCがシャブロルの処女長篇『美しきセルジュ』とのカップリングでDVDを発売した。
ロアルド・ダールの短編小説「ビクスビイ夫人と大佐のコート」(1959年)との類似が指摘されている。
スタッフ・作品データ
編集- 監督:ジャック・リヴェット
- 脚本・ダイアローグ:ジャック・リヴェット、クロード・シャブロル、シャルル・L・ビッチ
- 撮影監督:シャルル・L・ビッチ
- 撮影(フレーム):ロベール・ラシュネー
- 編集:ドニーズ・ド・カザビヤンカ
- 音楽:フランソワ・クープラン
- 『神聖ローマ帝国の人々』『比類なきリュリ氏の追憶を讃えるためのコンセール』
- 『若殿様、小君主の若様』
- 助監督:ジャン=マリー・ストローブ
- プロデューサー:ピエール・ブロンベルジェ
- ラインプロデューサー:クロード・シャブロル
- 製作主任:ロベール・ラシュネー
- 形式:白黒 - 35ミリ - モノラル音声
- ジャンル:短篇映画
- 撮影年:1956年
キャスト
編集- クレール役 - ヴィルジニー・ヴィトリ
- 夫のジャン - エチエンヌ・ロワノー(ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ)
- 恋人のクロード - ジャン=クロード・ブリアリ
- クレールの妹ソランジュ - アンヌ・ドア
- 以下はカメオ出演
- サプライズ・パーティの客 - クロード・シャブロル
- サプライズ・パーティの客 - ジャン=リュック・ゴダール
- サプライズ・パーティの客 - フランソワ・トリュフォー
- ナレーション - ジャック・リヴェット
関連事項
編集外部リンク
編集- Le Coup du berger - BiFi (仏語)
- 王手飛車取り - allcinema
- Le Coup du berger - IMDb