猿雀
江戸時代の大坂の浮世絵師
来歴
編集師系・経歴不明。作画期は安政から慶応の頃にかけてで、大坂で興行された芝居の役者絵を二十数枚残す。『上方絵一覧』はこの猿雀について、「画家らしくない名である。恐らく俳優の余伎か」と述べている。
作品
編集- 「宇治兵部のすけ・中村翫雀 金井谷五郎・中村玉七」 中判錦絵 池田文庫所蔵 ※安政5年(1858年)8月、大坂天満芝居『碁太平記白石噺』より
- 「濡髪・市川小米 放駒・市川米蔵」 中判錦絵 早稲田大学演劇博物館所蔵 ※万延元年(1860年)11月、大坂稲荷芝居『双蝶々曲輪日記』より
- 「八重垣姫・嵐璃寛」 大判錦絵 ※文久元年(1861年)10月、大坂角の芝居『本朝廿四孝』より
- 「横蔵・尾上多見蔵 慈悲蔵・嵐璃珏」 大判錦絵 早稲田大学演劇博物館所蔵 ※同上
- 「団七茂兵衛・市川米蔵」 中判錦絵 早稲田大学演劇博物館所蔵 ※文久2年5月、大坂御霊芝居『宿無団七時雨傘』より
- 「むすめお舟・市川米蔵」 中判錦絵 早稲田大学演劇博物館所蔵 ※文久2年9月、天満芝居『神霊矢口渡』より
参考文献
編集- 黒田源次 『上方絵一覧』 佐藤章太郎商店、1929年
- 『上方役者絵集成』(第4巻) 財団法人阪急学園池田文庫、2003年