猫の日
猫の日(ねこのひ)は、いくつかあるが、日本の「猫の日実行委員会」が1987年に制定した記念日は、猫の鳴き声「にゃん・にゃん・にゃん」の語呂合わせで2月22日に定められている。
なお、猫の日は世界各国で制定されており、ヨーロッパの多くの国がWorld Cat Dayとしている日は2月17日[1]、ロシアは3月1日、アメリカ合衆国は10月29日である(後述)。
このほか、動物愛護団体の国際動物福祉基金が2002年に決めた、世界猫の日(World Cat Day, International Cat Day)が8月8日となっている[2]。
日本における猫の日
編集1986年秋、愛猫家の文化人が「猫の日制定委員会」[注釈 1]を設立。「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫とともにこの喜びをかみしめる記念日を」という趣旨で一般から公募した。寄せられた8953通の中で最も多かった2月22日に決定[4]、1987年2月22日を第1回の猫の日とした[3]。2月22日が選ばれた理由は、猫の鳴き声の「にゃんにゃんにゃん」と日本語の「222」の語呂合わせである[5]。
1987年2月22日、猫の日実行委員会が都内で「猫の日フェスティバル」を開催、以降、毎年2月22日を“猫の日”として、猫に関する各種のイベントやキャンペーンが行われ、猫に関する啓発活動も行われるようになった。一例として「私の猫が日本一」コンテストは1990年の第3回開催の時点で恒例と報道されている[5]。
ぞろ目
編集2010年の猫の日は平成では22年であったことから「22.2.22」となった。そのため茨城県水戸市の郵便局3局では「平成ぞろ目の日記念」と題して、猫の記念小型印が当日使用された[6]。
2022年の猫の日は「2022.2.22」となった事から記念乗車券が、新京成電鉄で限定発売された[注釈 2][7]。次に揃うのはそれから200年後の2222年となる。
各国の猫の日
編集猫の日を定めているのは日本だけではない。国・地域によっては猫の里親探しに関して国民の意識を高めるための啓発デーとなっている。
イタリア
編集La Festa Nazionale del Gattoは毎年2月17日である。ジャーナリストのClaudia Angelettiは、Tuttogatto誌の読者に対し、猫という動物に捧げる日を制定する国民投票を提案した。次のような理由でOriella Del Col夫人の案が選ばれた。1990年のことである[8][9]。
- 2月は水瓶座の月、すなわち猫のような自由な精神と、多くの規則によって束縛されることを好まない異端児の月である。
- 2月は「猫と魔女の月il mese dei gatti e delle streghe」と呼ばれ、魔法のイメージから
- 17という数は、イタリアでは伝統的に不幸の前触れと考えられてきた。過去に黒猫に与えられていたイメージから。これはローマ数字のアナグラムにもとづく迷信であるが(17=XVII, アナグラムでVIXI。これはラテン語で「(私は)生きていた」つまり「(私は)死んでいる」)あと6個の命を残している猫にとっては何ということはない[10]
イタリア各地の都市が、猫のため芸術的または社会的支援の取り組みでこの日を祝っている[11][12]
ロシア
編集ロシアでは3月1日を猫の日とする。ロシア文化では猫は春の象徴と考えられており、3月という月も猫と関連する[13]。
英国
編集英国では、10月27日を「黒猫の日National Black Cat Day」と定めている。動物愛護団体「キャッツ・プロテクションCats Protection」が、黒猫(および白黒の猫)は他の色の猫よりも平均7日、飼い主を見つけるのに時間がかかるという統計的事実のもとづいて2011年に制定した。同団体は、黒猫は不吉なものであるとか超常現象と関連があるとか、自撮りを撮ってもバエないという意見を否定する[14]。
米国およびカナダ
編集National Cat Dayはカナダでは8月8日[15]、アメリカ合衆国では10月29日である[16]。 「毎年どれだけの猫が保護を必要としているか国民に認識させ、また愛猫家には、生活の中で猫が与えてくれる無条件の愛と友情を讃えるよう促す目的で」2005年に制定された[17]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ Giulia Blasi (2012年4月30日). “World Cat Day?”. vogue.it. 2015年2月17日閲覧。
- ^ Andrew Moran (2012年8月8日). “International Cat Day: 10 years of clawing, meowing across globe”. digitaljournal.com. 2012年8月10日閲覧。
- ^ a b 永井 1987, p. 9.
- ^ 「あすは「猫の日」とか 日本では20軒に1軒が飼う」『毎日新聞』1991年2月21日、東京朝刊、19面。
- ^ a b 読売新聞 1990a, p. 24.
- ^ “小型印”. post.japanpost.jp. 日本郵便株式会社. 2014年8月18日閲覧。
- ^ “猫の日を記念して2022年2月22日に記念乗車券を発売します”. 新京成電鉄株式会社 (2022年2月16日). 2024年11月17日閲覧。
- ^ “Festa del gatto, tutte le giornate da ricordare”. feline.store. 2024年11月11日閲覧。
- ^ Cecilia Daniele (2021年2月16日). “Oggi è la Festa del gatto: ecco perché è il 17 febbraio”. ilgiorno.it. 2024年11月11日閲覧。
- ^ Maurizio Costanzo (2023年2月17日). “Il 17 febbraio è la giornata del gatto: sapete perché si dice abbia 7 vite?”. lanazione.it. 2024年11月11日閲覧。
- ^ Cristina Nadotti (2005年2月17日). “Si celebra la festa del gatto tour e mostre in suo onore”. repubblica.it. 2015年2月17日閲覧。
- ^ “Al Museo Postale e Telegrafico della Mitteleuropa di Trieste: GATTI D’ALTRI TEMPI, una mostra di cartoline rare ed inedite”. cifo.eu (2012年2月15日). 2017年2月18日閲覧。
- ^ “Russian Cat's Day”. russkiymir.ru (2017年3月1日). 2024年11月11日閲覧。
- ^ Catriona Doherty (2023年10月27日). “NI's black cats 'no longer overlooked' in rehoming centres after shedding 'unlucky' stereotypes”. belfasttelegraph.co.uk. 2024年11月11日閲覧。
- ^ Sheri Regnier (2020年8月8日). “International Cat Day today #meow”. trailtimes.ca. 2024年11月11日閲覧。
- ^ Editors of Chase's Calendar of Events, ed (2010). Chase's Calendar of Events, 2011 Edition. McGraw Hill Professional. p. 536. ISBN 9780071740272
- ^ Nick Visser (2013年10月29日). “National Cat Day 2013: It's Time To Celebrate Our Feline Pals”. huffpost.com. 2024年11月11日閲覧。
参考文献
編集- 永井順国「「猫の日」制定の仕掛け人 熊井明子さん」『読売新聞』1987年2月21日、東京朝刊、9面。
- 「猫の日ニャンニャンニャン 優勝は「鶴太郎」東京・目黒でフェスティバル」『読売新聞』1990年2月23日、東京朝刊、24面。