狼牙棒(ろうげぼう[1]、ろうがぼう)は、主に中国戦国時代後期と代において用いられた、打撃武器の一種。に譬えられる状の突起物を柄頭に数多く取り付けた状の武器である。 中国語では狼牙棒拼音[lángyábàng][ランヤーパン])、英語では wolf's teeth mace、もしくは、wolf teeth mace と呼ぶ。

狼牙棒

設計思想上近似の武器として日本金砕棒(かなさいぼう)、ヨーロッパモーニングスターやホーリーウォータースプリンクラーなども挙げることができるが、それらはむしろ片手用や歩兵用の蒺藜骨朶(しつれいこつだ)と類似する。

起源春秋時代の武器・(しゅ)であるとされる。殳は刺すための穂先と、鋭利な突起の付いた2つの打撃部を持つ武器(殳部参照、wikt:殳)であったが、戦国時代には鋭利な青銅製突起物を付けた(すい)と呼ばれる紡錘形のおもりの先端に一つ持つ形になった。

宋代に使用された物は軽量化のために堅木と30から40センチメートル程度の鉄製で突起を備えた比較的長い中空の頭部から成り、刀や薙刀のような鍛錬の工程が不要な事から重騎兵用の兵器として作られた。主として両手用の長柄で150から200センチメートルの長さを持ち、錘による打撃効果と棘の貫通能力は金属を着用した相手に効果的であり、重装騎兵の装備として採用されていた[2]

水滸伝』の好漢・秦明架空の人物)が愛用したことで有名。長さは騎兵用や歩兵用など様々であるが、約80-190センチメートル、重量は0.5-3キログラム程度といわれている[3]

脚注

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  1. ^ 松村明監修; 小学館. “狼牙棒”. デジタル大辞泉 - 大辞泉. コトバンク. 2010年3月20日閲覧。
  2. ^ 市川定春『武器辞典』新紀元社、1996年12月17日。ISBN 978-4-8831-7279-5 
  3. ^ 中国古代軍事工程技術史. 山西教育出版社. (2007年5月). ISBN 978-7-5440-2797-7 

関連項目

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外部リンク

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  • 狼牙棒” (jp). 中国武術・武器博物館(ウェブサイト). 2010年4月5日閲覧。
  • Wolf Teeth Mace” (英語). Kung Fu Direct. 2010年4月5日閲覧。