特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー

2005年に発売された日本のオリジナルビデオ
スーパー戦隊Vシネマ
VSシリーズ
第10作 爆竜戦隊
アバレンジャー
VS
ハリケンジャー
2004年3月12日
第11作 特捜戦隊
デカレンジャー
VS
アバレンジャー
2005年3月21日
第12作 魔法戦隊
マジレンジャー
VS
デカレンジャー
2006年3月10日

特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー』は、2005年3月21日に発売(発売に先駆け、同年3月11日にレンタル開始[1])されたオリジナルビデオ作品。『特捜戦隊デカレンジャー』のオリジナルビデオ作品であり、スーパー戦隊VSシリーズの一つ。44分[2]

概要

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特捜戦隊デカレンジャー』と『爆竜戦隊アバレンジャー』のクロスオーバー作品であるスーパー戦隊Vシネマ第11作。監督は両作品を担当した坂本太郎が務めた[3]。坂本は自身が担当することから戦い中心ではなく、楽しい話を志向した[3]

『アバレンジャー』の本編では死亡したアバレキラー(仲代壬琴)と彼の相棒の爆竜トップゲイラーだが、本作品では怪人サウナギンナンの能力で一時的に復活する形で再登場を果たしている。また2003年8月16日に公開された映画『爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中!』で活躍したキラーアバレンオーが再登場するが、本作品に登場する爆竜はパートナー5体のみのため、爆竜ステゴスライドンを除いた4体合体になっている[注釈 1]

悪の組織・邪命体エヴォリアンの幹部たちは全く登場しないが、元ジャンヌだったマホロはエンディングに登場し、黎明の使徒リジェ役の鈴木かすみ、黎明の使徒リジュエル役の小川摩起ウェイトレス役としてカメオ出演している。

忍風戦隊ハリケンジャー』のハリケンレッドが敵の化けた姿として一瞬だけ登場しており、惑わされたアバレッド(伯亜凌駕)が「鷹介さん!」と呼びかけるという、Vシネマ前作『爆竜戦隊アバレンジャーVSハリケンジャー』での共演を踏まえた場面がある。

エージェント・アブレラがエヴォリアンのトリノイドを知るために、小学館発刊の『爆竜戦隊アバレンジャー超全集』を読むというメタフィクション的な演出がある。

轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』の「スーパー戦隊住所録」・テツの項の記載では、2004年の10月に起きた出来事として設定されている。

なお、VHSでの発売が最後になった作品である。

あらすじ

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ある日、街で暴れ回っていたアバレンジャーをデカレンジャーは逮捕した。しかし、アバレンジャーは、アリエナイザーギンジフ星人カザックトリノイド第0号サウナギンナンの封印を奪うのを阻止しようとしていたのだ。

カザックは強力な手下を増やそうと、サウナギンナンの力でかつてデカレンジャーにデリートされたアリエナイザーたちを復活させる。さらに、カザックはアバレンジャーが倒したデズモゾーリャをも復活させようと企む。

事件解決のために、デカレンジャーとアバレンジャーは協力する。

オリジナルキャラクター

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諸元
ギンジフ星人カザック
身長 226 cm[4]
体重 112 kg[4]
ギンジフ星人カザック
広域宇宙暴力団ビローノファミリーの幹部。ドスのきいた広島弁で喋る。
様々な物に変身する能力を持ち、絨毯といった固定物や、人間にも姿を変えることができる。この能力を用いて、カラス自動車に変わり、ヌマ・O長官や『忍風戦隊ハリケンジャー』のハリケンレッドにまで姿を変え、デカレンジャーとアバレンジャーを翻弄した。武器は長ドス。
スーペリアダイノボンバーを避けた後、パレットビューに乗り込むが、2大戦隊の合同技であるガトリングドリルスピンでデリートされた。
諸元
トリノイド第0号サウナギンナン
身長 256 cm[4]
体重 322 kg[4]
トリノイド第0号サウナギンナン
サウナうなぎ銀杏を融合させたトリノイド第0号。侵略の園の地下室にあったものをヤツデンワニが保管していたが、カザックによって奪われた。
トリノイド第1号になるはずだったが、あまりの力にミケラが怖れを成して封印されていたという評判とは裏腹にお調子者な性格で名古屋弁を喋る。ギンナン電池により死者を復活させることが可能。サキュバス、ジェニオ、ベン・G、ミリバル、ボンゴブリンを次々と蘇らせていき、邪命神デズモゾーリャも蘇らせようとしたが「一番強いの」を蘇らせようとしたために、アバレキラー(仲代壬琴)と彼の相棒の爆竜トップゲイラーを復活させてしまう。
デカレンジャーのディーバズーカで倒されながらも生命の実より発するジャメーバ菌の雨を浴びることにより再生・巨大化。巨大戦では2大戦隊の合同技であるガトリングドリルスピンで完全に倒された。
  • デザインはさとうけいいちが担当した[7]。合成要素はウナギだが、デザインにはヤツメウナギが用いられている[7]。サウナの要素はサウナスーツで表現されている[7]。銀杏をモチーフとしているため、マントはイチョウになっている[8]
  • 脚本ではセリフは関西弁になっていたが、声を担当した篠田薫の提案により名古屋弁となった[3]
復活アリエナイザー[4]
サウナギンナンの能力によって甦ったアリエナイザーたち。サキュバス、ジェニオ、後半はベン・G、ミリバル、ボンゴブリンの5名が復活する。サキュバス、ジェニオのテロップでは名前の前にいずれも「復活!」が付く。
スペシャルウェイトレス
エピローグにて登場。黎明の使徒リジェと黎明の使徒リジュエルに似たウェイトレスの二人。ヤツデンワニの歌が下手なのを知っていたことから「恐竜や」の従業員であることが分かるが、アバレンジャーたちとの関係は明かされていない。

装備・戦力

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トリプルガールズかしましキャンティーズアタック
アバレイエローのアバレイザー、デカイエロー&ピンク→ディーショットを同時に放つ。復活したサキュバスを相手に使用。
スーパーカルテットビーム
アバレッドのティラノロッド、アバレブルーのトリケラバンカー、アバレブラックのダイノスラスター、デカイエローのディースティックから同時にビームを放つ。
らんるのド〜ンといってみるタイ!
デカレッド、デカブルー、デカグリーンがアバレイエローを抱え上げ「ド〜ン」の合図で敵に向かって放り投げる。
ダイノスラスターファイヤーインフェルノ・スペシャル・ゴージャスデラックス[9]
アバレブラックのファイヤーインフェルノ、アバレッドのアバレイザー、デカレッドのハイブリッドマグナムを同時に放つ。
ガトリングドリルスピン
スーパーデカレンジャーロボの放つガトリングパンチのパワーを受けてキラーアバレンオーがフライングドリルスピンを放つ必殺技。
諸元
怪重機パレットビュー
全高 58 m[10]
全幅 35 m[10]
重量 6,000 t[10]
怪重機パレットビュー
カザックが乗り込む怪重機。頭にはレーザーが搭載されている。
  • デザインは森木靖泰が担当した[5][11]ヤクザマフィアのボスをモチーフとしたカザック配下の存在であることから、ヤクザ用語の鉄砲玉に由来し銃器をモチーフとしている[11]

キャスト

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声の出演

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スーツアクター

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スタッフ

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音楽

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エンディングテーマ「ミッドナイト デカレンジャー
作詞:藤林聖子 / 作曲:高取ヒデアキ / 編曲:亀山耕一郎 / 歌:ささきいさお / コーラス:森の木児童合唱団
エンディングでは、エピローグに挿入される形で使用されている。
挿入歌
いずれもノンクレジット。
「Fight! For the earth!!」
インストゥルメンタル版が使用された。
特捜戦隊デカレンジャー
作詞:吉元由美 / 作曲:宮崎歩 / 編曲:京田誠一 / 歌:サイキックラバー
爆竜戦隊アバレンジャー
作詞:吉元由美 / 作曲:岩崎貴文 / 編曲:京田誠一 / 歌:遠藤正明
この他、偽ハリケンレッドが登場するシーンで「ハリケンジャー参上!」のイントロが一瞬だけ流れる。

ロケ地

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※映像特典「メイキング」より。

脚注

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注釈

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  1. ^ この形態を玩具ではアバレンオーゲイラーとして表記されていた。

出典

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  1. ^ 映像特典「予告」より
  2. ^ 超解析 2018, p. 124, 「第4章 スーパー戦隊VSシリーズ / クロスオーバー作品全解説 特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー」
  3. ^ a b c コンプリート・ブック 2005, p. 43, 「監督インタビューPARTIII 坂本太郎」
  4. ^ a b c d e 21st 4 2017, p. 23, 「アリエナイザー」
  5. ^ a b c d コンプリート・ブック 2005, p. 16, 「CHARACTER DESIGN WORKS」
  6. ^ a b c 百化繚乱 下之巻 2012, p. 202
  7. ^ a b c 百化繚乱 下之巻 2012, p. 181
  8. ^ 『特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー』(DVD)東映ビデオ、2011年3月21日。DCTD02404。  映像特典 デカ・アバギャラリー
  9. ^ 超全集 下 2005, p. 92.
  10. ^ a b c 21st 4 2017, p. 24, 「怪重機、巨大宇宙生物」
  11. ^ a b 百化繚乱 下之巻 2012, p. 211
  12. ^ 映像特典「メイキング」より
  13. ^ 「東映仮面俳優列伝 大藤直樹」『東映ヒーローMAX Vol.41』辰巳出版、2012年5月1日、111頁頁。ISBN 978-4777810277 
  14. ^ 伊藤慎”. 株式会社レッド・エンタテインメント・デリヴァー. 2020年4月5日閲覧。

参考文献

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