片奈連絡線(かたなれんらくせん)は、京都府京田辺市西日本旅客鉄道(JR西日本)片町線(学研都市線)京田辺駅と、同府城陽市奈良線長池駅を結ぶ計画(区間距離約5.2㎞)の鉄道路線である。

概要

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片町線と奈良線をつなぐ路線の構想は古くからあり、1962年には鉄道敷設法別表の第80号ノ2に「京都府広野ヨリ大阪府長尾ニ至ル鉄道」が追加されたが、具体化しなかった。

国土交通省は京都府・奈良県大阪府関西文化学術研究都市(関西学研都市、けいはんなともいう)の交通の利便性と連絡性を強化することを目指し、片町線と奈良線を中心とした既存鉄道路線の輸送力強化の推進を図ることを答申としてまとめており[1]1989年5月に提出された運輸政策審議会答申第10号(大阪圏における、高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画)では、「2005年までに整備すべき路線」として挙げられていた。しかしその後、2004年10月の近畿地方審議会答申第8号には盛り込まれておらず[2]、その後も建設へ向けた目立った動きは見られていない。

2017年、片町線・松井山手駅付近に、北陸新幹線敦賀駅から新大阪駅への延伸計画で、京都駅から新大阪駅へ向かうコース(南回りルート)を建設する方針が固まり、その際、当時の京田辺市長・石井明三が「京都府南部の地域開発効果や学研都市の発展、さらに複線化につながるなどのものと大いに期待する[3]」とコメントしたが、2019年に学研都市線沿線の自治体[4]からなる期成同盟会がJR西日本へ提出した陳情では「おおさか東線の全線開業[5]や、北陸新幹線の延伸、学研都市の充実などにより大きなポテンシャルは秘めているものの、現状では現在のダイヤで十分対応でき、複線化や増発は難しい」とする回答[6]を受けた。この際、期成同盟会は片奈連絡線の早期建設実現へ向けた陳情も提出している[6]

また長池駅についてはこの片奈連絡線建設を前提として、南側の交通広場整備計画が提出されている[7]他、京都府と宇治市も同様に片奈連絡線整備を都市整備計画の一環として策定している[8]

出典

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  1. ^ 関西文化学術研究都市の建設に関する基本方針 第8章 公共施設、公益的施設、住宅施設 その他の施設の整備に関する基本的事項(イ・鉄道の項参照)
  2. ^ 片奈連絡線(未来鉄道データーベース)
  3. ^ 京都)北陸新幹線、松井山手経由に 府、学研線複線化を テツの広場・岡本智、伊藤誠 - 朝日新聞デジタル、2017年3月16日(2023年6月2日閲覧)
  4. ^ 東大阪市大東市四條畷市寝屋川市交野市枚方市京田辺市精華町木津川市の8市1町(片町線複線化促進期成同盟会・学研都市線で行こう)
  5. ^ 2018年3月放出駅新大阪駅の区間が開業したことで久宝寺駅~新大阪駅の全線が開業。2023年3月にさらに大阪駅(うめきた地下ホーム)へ延伸
  6. ^ a b JR片町線「複線化や増便難しい」 期成同盟会にJR西回答『京都新聞』2019年8月29日
  7. ^ 長池駅南側周辺整備基本計画(2022年9月策定)P4・「第1章・はじめに 3・本計画の位置付け」に「平成30年(2018)5月には『城陽市都市計画マスタープラン』を策定し、長池駅周辺は東部丘陵地先行整備長池地区の玄関口として、南側駅前広場や駅へのアクセス道路の整備、片奈連絡線の整備を促進するなど、交通結節機能を強化し、東部丘陵地とをつなぐ大きな人の流れを形づくることを目指しています。」との言及がある
  8. ^ 宇治都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(2016年5月策定)P8「4・都市施設の方針(1)交通施設 <3>整備方針・イ・鉄道」の項に「JR奈良線の複線化の促進を図るとともに、JR片町線と奈良線を結ぶ片奈連絡線構想については整備の検討を深める」との言及あり

関連項目

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