無音盆踊り
概要
編集東海市大田町で開催される「ザ・おおた・ジャンプフェスティバル」で2009年から実施されている[1]。盆踊りの参加者(踊り手)は、イヤホンの付いた携帯ラジオを持参する。主催者は踊りに必要な楽曲をFM電波で発信し、参加者はその電波にラジオの周波数を合わせ、イヤホンで聴きながら踊る[1]。このため、外部には踊りの楽曲は聞こえず、踊っている人の姿だけが見えることになる。
太鼓や笛の演奏やスピーカーで音楽を流す通常の盆踊りと異なり、無音盆踊りはFMラジオから発信される周波数ごとにそれぞれ別の曲を流すことが可能である。そのため、踊っている曲のテンポによって内側と外側とで2つの輪ができるという [2]。2016年の無音盆踊りでは年配向けには「炭坑節」「東海小唄」「平洲音頭」、若者向けには「おどるポンポコリン」「ダンシング・ヒーロー」「明日があるさ」が流されていたという[3]。
導入理由
編集「ザ・おおた・ジャンプフェスティバル」については、騒音対策よりも集客が目的であったと証言されている[1]。
反応
編集風情がない、不気味という反応もあるが、参加者からは踊りに集中できるという声もある[4]。
類似のイベント
編集無音盆踊りと同じくワイヤレスのヘッドフォンで音楽を聴いて踊る サイレントディスコ(英語: Silent disco)と呼ばれるイベントがある[5] 。欧米では広く定着しているが、叫び声を上げたり騒いだりするなどの迷惑行為も発生し問題視された。2014年にはオーストリアのザルツブルクが、2015年にはスイスのローザンヌなど禁止令を出す都市もある[6] 。
2018年7月27日には東京都大田区蒲田で動物の仮装をして盆踊りをする「ネオ盆踊りー動物仮面舞踏会ー」が行われた。これは日本で「サイレントフェス」というイベントを全国で実施している企画会社「Ozone」が企画したもの[7]。
脚注
編集- ^ a b c 耳にイヤホン「無音盆踊り」 シュール?異様?賛否両論 - 朝日新聞デジタル(2013年8月30日)
- ^ “盆踊りは騒音?「うるさい」と苦情 イヤホン使い“無音”で開催する地域も”. SankeiBiz. 2020年1月8日閲覧。
- ^ “[https://wired.jp/series/commons-in-a-digital-age/7_bon-dance/ 第7回 無音盆踊りとJ・G・バラードの「音響清掃」 FMラジオは共同体の輪をつなぐのか?:連載「21世紀の民俗学」(7)]”. WIRED. 2020年1月8日閲覧。
- ^ “イヤホン耳に無音で盆踊り…「不気味」でも「踊りに没頭できる」”. 産経ニュース. 2020年1月8日閲覧。
- ^ “silent disco - Definition of silent disco in English by Oxford Dictionaries”. Oxford Dictionaries - English. 2020年1月8日閲覧。
- ^ “サイレントじゃない「サイレントディスコ」がイギリスで広げつつある波紋”. Discovery channel. 2020年1月9日閲覧。
- ^ “おとぎ話に迷い込んだよう? 東京でサイレント盆踊り”. AFP. 2020年1月8日閲覧。