漢 (ラッパー)

日本のヒップホップMC
漢 (ミュージシャン)から転送)

(かん、本名:川上 国彦[1]1978年6月7日[2][3][4] - )は、新潟県長岡市生まれ、東京都新宿区育ちの日本のヒップホップMC[3][4]新宿を拠点に活動するヒップホップグループ・MSCのリーダー[4]漢 a.k.a. GAMI(カン・エーケーエー・ガミ)表記での活動が多い[3][4]。MCネームの「漢」は不動明王を表す梵字の読み「カーン」、「GAMI」は幼少期の渾名である「ガミちゃん」から来ている。元妻はラッパーのMC麻起

漢 a.k.a GAMI
出生名 川上 国彦
別名 GAMI
MC漢
生誕 (1978-06-07) 1978年6月7日(46歳)
出身地 日本の旗 日本 新潟県長岡市
学歴 堀越高等学校卒業
ジャンル ヒップホップ
職業 ヒップホップMC
経営者
活動期間 2000年 -
レーベル Libra Records
(2005年 - 2011年)
9SARI GROUP
(2012年 - )
共同作業者 MSC
DARTHREIDER

略歴

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2000年にヒップホップクルーMS CRU(現:MSC)を結成[3]。2002年6月10日、MS CRUのメンバーとしてEP『帝都崩壊』でデビュー[3]。収録曲「幻影」でDABOディスし、数年に渡りビーフに発展する。

2002年8月、B BOY PARK 2002 MC BATTLEで優勝[3]。2005年1月26日、1stソロアルバム『導〜みちしるべ〜』をLibra Recordsより発売[3][5]。初回限定版に付属されているDVDでは、「極論」のミュージック・ビデオと、フリースタイル風景が収録されている。同年から開催されたMC BATTLEの大会ULTIMATE MC BATTLEをLibra Recordsと共に立ち上げる[3]

2011年3月24日、シングル「I will show you」をiTunes限定で発売。2012年5月29日、ミックスCD『HURTFUL - MIXED BY DJ GATTEM』を自身のレーベル「9SARI GROUP」とCDショップ「CASTLE-RECORDS」共同で1000枚限定で発売。同年8月8日、株式会社鎖グループを設立し、ミックスCD『MURDARATION』をMC漢 & DJ琥珀名義で発売[3]。2014年9月24日、ソロEP『9sari』を9SARI GROUPより発売[3]

2020年5月2日、東京都新宿区で乾燥大麻を所持したとして、大麻取締法違反(所持)で警視庁戸塚警察署に現行犯逮捕された[6]尿検査を行ったところ、覚醒剤の陽性反応も示され、覚醒剤取締法違反(使用)容疑でも調べられる方針となった[7]。5月22日、大麻取締法違反(所持)の罪で起訴[8]。7月6日、千葉県成田市の住宅で大麻を所持したとして、大麻取締法違反(所持)の疑いでふたたび逮捕された[9]。 Start Over Againと復帰を誓う動画のアップロードから、わずか10日で逮捕された[10]。その後、千葉県での大麻所持に関しては不起訴処分となった[11]

2020年12月4日、『Start Over Again EP』を配信リリース[12]

MC BATTLE 戦績

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  • 2000年、B BOY PARK 2000 MC BATTLEでは、本選出場もKREVAに敗れ二回戦敗退。
  • 2002年、B BOY PARK 2002 MC BATTLE優勝。
  • 2003年、B BOY PARK 2003 MC BATTLE4位。
  • 2005年、ULTIMATE MC BATTLE 2005準優勝。
  • 2009年、3 ON 3 PROFESSIONAL MC BATTLE準優勝。
  • 2017年、B-BOY PARK 2017 MC BATTLE準優勝。
  • 2018年、戦極MCBATTLE 第18章 優勝。
  • 2020年、spotlight2020 準優勝。

9SARI グループ

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9SARI GROUP
親会社鎖グループ
設立2012年
設立者川上 国彦
ジャンルヒップホップ
  日本
本社所在地  日本 東京都新宿区大久保
公式サイト9sari-group.net
BLACK SWAN
親会社鎖グループ
設立2012年
設立者佐藤 将
ジャンルヒップホップ
  日本
本社所在地  日本 東京都新宿区大久保
公式サイトwww.blackswan-inc.com

2012年5月29日発売のミックスCD『HURTFUL - MIXED BY DJ GATTEM』に合わせてヒップホップレーベル9SARI GROUP(クサリグループ)を設立。同年8月8日、株式会社鎖グループ(くさりグループ)を設立。2014年にはスタジオとカフェが併設された「鎖オフィス」を西早稲田駅近くにオープン[3]

鎖グループ設立計画の協力者であり2014年3月5日に事故により死去した元PヴァインA&R佐藤将がかつて設立したレーベルBLACK SWAN(ブラックスワン)との合同記者会見を2014年6月4日に開き、BLACK SWANはDARTHREIDERが代表を引き継ぎ鎖グループ内のレーベルにする事とMSCがBLACK SWANに所属する事、両レーベルに所属するアーティストなどが発表された。旧知の間柄であった佐藤将とは水面下で会社を合併しようという計画を立てていたとされ、その流れでスタジオや事務所を建設していたと明かした[13]

また、自身及びMSCが所属していたLibra Recordsへの告発や提訴の準備をしているとする発言もされ、Libra Records関係者による執拗な暴力や恫喝があった事、共催関係にあったULTIMATE MC BATTLEの運営に関する問題、印税・給与などの金銭問題などについて触れ、Libra Recordsとのビーフの開始を宣言した。これについてLibra Records代表の西原慶祐は反論はあるが公式的にリアクションすることは考えていないと述べ、ULTIMATE MC BATTLEは予定通り開催すると述べた[14][15][16]

2020年6月5日、漢が出演した動画がYouTubeに公開された。動画の中で、自身の不祥事を受けて鎖グループの代表取締役を辞任することを発表した[17]

所属アーティスト

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9SARI GROUP

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BLACK SWAN

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FOREMAN

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  • DJ 琥珀

DABOとのビーフ

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自伝『ヒップホップ・ドリーム』でDABOとのビーフについて詳細に書かれており、DABOを敵対視するに至った理由は「リアルでない」という事が主な理由であり、その例として2002年にDABOが発表したシングル「恋はオートマ」のミュージック・ビデオではDABOが車を運転している演出があるが、別のインタビューによるとDABOは車の免許を持っていないと述べていた事を知ったという事や、同年にDABOが発表したアルバム『HITMAN』のジャケットではDABOがを構えているものとなっており、これについて漢は「銃を構えることがどういう意味を持つか考えてほしい」と述べ、これらのDABOの行為に対し「日本のヒップホップのリアルとは何か?」というデリケートな問題として捉えビーフに発展させる。ディスの応酬を収録した楽曲は以下の通り[18]

発売日 アーティスト 楽曲名 収録作品
2002年6月10日 MS Cru 幻影 『帝都崩壊』
2002年9月25日 DABO WANNABEES CUP 2002 『HITMAN』
2003年2月25日 MSC Freeky 風紀委員 『MATADOR』
2003年9月26日 キエるマキュウ 4 BIG SHIT feat.DABO, YOUTH THE PEEP SHOW (SUPER FREAK)
2003年12月24日 DABO おそうしき feat. 般若 『DIAMOND』
2005年1月26日 Take Candy From A Baby 『導 〜みちしるべ〜』

なお、2004年7月にShibuya O-EASTで開催された妄走族のMASARU主催のイベントでDABOと初めて直接対面することとなる。初めに、会場へ向かう道中でDABOが通りすがるのを車内から発見し、「いまのDABOじゃないか!」と叫ぶもDABOはそのまま過ぎ去る。続いて、MSCのメンバーと共に会場の控室で待機していると、挨拶回りをしていたDABOが控室に来る。ここで初めて顔を合わせるも、DABOはドアをそっと閉めて去る[18]

その後イベントではDABOのライブが行われ、漢をディスした曲「おそうしき feat. 般若」を披露する。その途中に漢がステージに乱入し、DABOにフリースタイルを仕掛けるも、DABOは自身の持ち曲で返したためバトルらしいバトルにはならなかった。その後、2005年1月に総括的なディス曲「Take Candy From A Baby」を発表。すると、般若から仲裁が入りDABOと電話で会話する事となり和解に至る[18]

後にDABOはTwitterで漢について、2012年7月に「初めての体験をさせてくれたかけがいのないマイメン[注 1]」、「初めてのビーフがあいつでよかった」[19]、2013年には「リスペクト漢!いぇいいぇい♪」等とツイートしており、好意的なアピールをしている[20]

ディスコグラフィ

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シングル

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  • 「I will show you」(2011年3月24日
  • 「不夜城 feat. 秋田犬どぶ六」(2011年3月24日
  • 「BLACK MONEY」(2011年4月7日)
  • 「新宿ストリート・ドリーム」(2017年3月14日)

アルバム

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  • 『導 〜みちしるべ〜』(2005年1月26日)
  • 『MURDARATION』(2012年8月8日)
  • 『ヒップホップ・ドリーム』(2018年2月28日)
  • 『9sari』(2014年9月24日)

MIX CD

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  • 『HURTFUL - MIXED BY DJ GATTEM』(2012年5月29日)
  • 『MURDARATION』(2012年8月8日)
  • 『CASTLE TV 番外編 -漢と宿と粋と情-』(2012年8月8日)CASTLE RECORDSノベルティ。非売品。

参加楽曲

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  • 「毒立毒歩 Feat. 漢 & DEV LARGEI-DeA『self-expression』
  • 「Ultimate Love Song (Letter) Feat. MONEV MILS & 漢」I-DeA『self-expression』
  • 「道 (23区) Feat. 漢」SEEDA『BREATHE』
  • 「ILLBROS feat. MC漢」TAB001『LIFE STYLE MASTA』(2010年10月20日)
  • 「24 Bars To Kill Feat. ANARCHY, RINO LATINA II, 漢, Maccho」SKI BEATZ『24 Bars To Kill』
  • 「SE7EN Feat. 漢, O2, メシアTHEフライ, DJ KEN-ONE」SATELLITE『FULL SMOKE』(2011年9月21日)
  • 「I'M YOUR PUSHA feat. MC漢」MEGA-G『ORIGINAL SOUNDTRACK FROM THE M.E.T.S. LIFE』(2013年7月26日)
  • 「一網打尽 REMIX feat.NORIKIYO, SHINGO☆西成, 漢」韻踏合組合(2014年8月13日)
  • 「U GOTTS TA CHILL feat. GOKU GREEN, 漢 a.k.a. GAMI」ダースレイダー『REIDERS EP』(2014年9月24日)
  • 「KUSARI GROOVE feat. PIT-GOB, T2K, DUCTH MONTANA, 漢, DOGMA」D.O『TOKYO RAP CARTEL』(2014年10月22日)
  • 「おくのへや feat. PONY, DARTHREIDER, 漢 a.k.a. GAMI」GOKU GREEN 『ACID&REEFER』(2014年10月22日)
  • 「Riddim Rider feat. D.O, 漢 a.k.a. GAMI」HI-BULLET『THIS IS HI-BULLET』(2014年11月26日)
  • 「Baby feat. D.O, 漢 a.k.a. GAMI」HI-BULLET『THIS IS HI-BULLET』(2014年11月26日)
  • 「SUKIKATTE feat. DOGMA, 漢 a.k.a. GAMI, LIBRO」PONY『PONY EP』(2014年11月26日)
  • 「You Only Live Once feat. 漢 a.k.a. GAMI & 輪入道」DJ Deckstream『DRESS CODE』(2014年12月10日)
  • 「LIFE STYLE feat. 漢 a.k.a. GAMI, D.O」SALU『INDIGO』(2017年5月24日)
  • 「MONSTER VISION」Dungeon Monsters『MONSTER VISION』(2017年6月7日)
  • 「言魂 feat.孫GONG , 漢 a.k.a GAMI」阿修羅MIC『言魂』(2021年4月10日) [21]

メディア出演

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著書

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  • 『ヒップホップ・ドリーム』河出書房新社、2015年6月29日。ISBN 978-4-309-27605-2 
  • 『北新宿2055』東京キララ社、2018年10月。[22]

脚注

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注釈

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  1. ^ ヒップホップで仲間や親友を意味する語

出典

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  1. ^ 会社概要”. 株式会社鎖グループ. 2015年7月5日閲覧。
  2. ^ 漢さん!お誕生日おめでとうございます! YouTube
  3. ^ a b c d e f g h i j k 『リアル・ストリート・トーキング』出演者プロフィール”. Qetic. 2015年7月5日閲覧。
  4. ^ a b c d ヒップホップ・ドリーム”. 河出書房新社. 2015年7月5日閲覧。
  5. ^ 漢(MSC)”. 株式会社ロフトプロジェクト (2005年2月9日). 2015年7月5日閲覧。
  6. ^ 人気ラッパーの「漢a.k.a.GAMI」逮捕、大麻所持容疑で 警視庁”. 毎日新聞 (2020年5月6日). 2020年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月6日閲覧。
  7. ^ “大麻所持容疑で逮捕のラッパーに覚醒剤の陽性反応”. 読売新聞. (2020年5月12日). オリジナルの2020年5月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200512062905/https://www.yomiuri.co.jp/national/20200512-OYT1T50149/ 2020年5月12日閲覧。 
  8. ^ “ラッパー「漢 a.k.a.GAMI」起訴 大麻取締法違反”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2020年5月23日). オリジナルの2020年6月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200604061112/https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/05/23/kiji/20200523s00041000066000c.html 2020年7月6日閲覧。 
  9. ^ “ラッパー「漢a.k.a.GAMI」を千葉県警が逮捕 大麻所持疑い”. SANSPO.COM (産経デジタル). (2020年7月6日). オリジナルの2020年7月6日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200706110044/https://www.sanspo.com/geino/news/20200706/sca20070619310001-n1.html 2020年7月6日閲覧。 
  10. ^ Start Over Again”. youtube.com. Youtube. 2020年7月7日閲覧。
  11. ^ “大麻所持の容疑で先月逮捕の人気ラッパー 不起訴に 千葉地検”. NHK NEWS WEB (日本放送協会). (2020年8月10日). https://web.archive.org/web/20200819223241/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200815/amp/k10012568191000.html 2020年9月10日閲覧。 
  12. ^ “「今に見てろよ 全てひっくり返す」ラッパーとして再起誓う漢 a.k.a. GAMIの新曲MV公開、D.Oも登場(動画あり)”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年12月4日). https://natalie.mu/music/news/407489 2021年2月21日閲覧。 
  13. ^ MC漢ら、レーベル始動会見でBEEF宣言も 宇川直宏「ミュージックビジネスに風穴開ける動き」”. Real Sound (2014年6月5日). 2015年7月31日閲覧。
  14. ^ 『鎖グループ & BLACK SWAN』共同記者会見を振り返る”. Amebreak (2014年6月15日). 2015年7月27日閲覧。
  15. ^ READ THE "LABELS"! VOL.1 feat. 9SARI GROUP & BLACK SWAN(漢+DARTHREIDER)(前編)”. Amebreak (2014年9月29日). 2015年7月27日閲覧。
  16. ^ 鎖グループ & BLACK SWAN 公開記者会見 on DOMMUNE (2014/06/04) - YouTube
  17. ^ “漢 a.k.a. GAMIが逮捕を受けて鎖グループ代表辞任、ラッパーとして初心に帰る意向語る(動画あり) - 音楽ナタリー”. 音楽ナタリー. (2020年6月5日). https://natalie.mu/music/news/382082 2020年6月6日閲覧。 
  18. ^ a b c ヒップホップ・ドリーム
  19. ^ fudatzkeeのツイート(229327483848249344)
  20. ^ fudatzkeeのツイート(314607319432437760)
  21. ^ “阿修羅MIC、孫GONG & 漢 a.k.a GAMIを客演に迎えた新曲『言魂』をリリース & MV公開!”. 【ABEMA HIPHOP TIMES】 (株式会社AbemaTV). (2021年4月9日). https://times.abema.tv/articles/-/8653646?mobileapp=1 2021年4月26日閲覧。 
  22. ^ 「ヴァイナル文學選書」第一弾「新宿歌舞伎町篇」リリース!”. 東京キララ社. 2018年11月15日閲覧。

外部リンク

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