滋賀電車内駅構内連続強姦事件
2006年に日本の滋賀県で発生した性暴行事件
滋賀電車内駅構内連続強姦事件(しがでんしゃないえきこうないれんぞくごうかんじけん)は、2006年(平成18年)8月と12月に、滋賀県を走る列車内、及び同県の鉄道駅構内で3名の女性が強姦された事件である。
概要
編集- 2006年8月3日午後9時20分頃、滋賀県湖南市石部南(当初の報道では大津市坂本)の男性解体工(逮捕時35歳)が、西日本旅客鉄道(JR西日本)北陸本線(現・ハピラインふくい)福井駅を出発した直後の富山駅発大阪駅行き特急「サンダーバード」車内で、大阪市内の女性会社員(当時21歳)の隣に座り「俺はヤクザだ」「逃げると殺す」などと脅し下半身を触るなどしたうえ、午後10時半頃から約30分間にわたりトイレに連れ込み強姦した(新大阪駅で下車した女性から被害届を受けた大阪府警が、2007年4月21日に逮捕した)。
- 2006年12月21日(2件発生)
12月の事件で逮捕されたことがきっかけで、8月の事件に関与していたことが明らかになった。 なお、加害者の男は前科9犯であり[1]、以下のとおり合計6回服役している。
- 1991年6月には、傷害と公務執行妨害により懲役1年、3年間執行猶予保護観察付(その後執行猶予取消)
- 1992年11月には、暴行、脅迫、傷害、住居侵入、恐喝により、懲役1年10月
- 1996年3月には、覚せい剤取締法違反、毒物及び劇物取締法違反により、懲役1年
- 1997年11月には、強制猥褻により、懲役1年6月
- 1999年12月には、強姦、条例違反により、懲役3年6月
- 2003年9月には、暴行、強制猥褻により、懲役3年
今回の強姦事件は、出所後1か月も経たないうちの事件であった。
裁判
編集2008年1月17日、大津地方裁判所は加害者の男に対し、懲役18年を言い渡した[2]。
当初、検察側は懲役25年の求刑をしていたが、これに対し、弁護側は「16歳の時に起こした交通事故の後遺症で衝動が抑えにくく、犯行に影響した」などとして情状鑑定を請求。しかし、被告は過去に覚せい剤を使用しており、鑑定医は「薬物(覚せい剤)や性格による影響が大きい」とする鑑定結果を出し、地裁が証拠採用した。
影響、報道
編集- 影響
- この事件がきっかけとなって、JR西日本が車内の緊急連絡ボタンの活用を広報したり、特急に女性専用指定席を設けるなどの対策を講じた。なお、女性専用指定席については、この事件より前から四国旅客鉄道(JR四国)が「いしづち」に女性グループの利用を見込んで設置していた(編成短縮により現在は設定なし)。
- 報道
- 2007年4月21日の毎日新聞では、サンダーバード車内の事件について「(異変に気付いていた付近の乗客は)「何をジロジロ見ているんだ」などと怒鳴られ、車掌に通報もできなかったという」と報じられ、その後、「見て見ぬふりを決め込むな」(毎日新聞社説)[3]、「信じられない卑劣さ。日本人のモラルは地に堕ちたのではないか」[4]というような報道が起こった。
出典
編集- ^ 判例タイムズ1261号350頁
- ^ 判例タイムズ1261号349頁
- ^ “社説:特急車内強姦 見て見ぬふりを決め込むな”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2007年4月24日). オリジナルの2007年4月30日時点におけるアーカイブ。 2018年3月12日閲覧。
- ^ J-CASTニュース,2007年4月23日 (閲覧日;2014年11月15日)