渡辺佐智江
日本の翻訳家
渡辺 佐智江(わたなべ さちえ)は、日本の翻訳家。生年等、プロフィールは一切、非公開。
1987年ごろ、イギリス滞在中に出会ったキャシー・アッカー『血みどろ臓物ハイスクール』を出版のあてのないまま翻訳。各出版社に持ち込みした後、山形浩生の紹介で白水社から刊行、翻訳家デビュー[1]。1993年、『血みどろ臓物ハイスクール』の翻訳紹介によりBABEL国際翻訳大賞新人賞を受賞。
2005年刊行の『小さなことから自分を変える7つの仕事術』の訳者紹介では、「ビジネス、カルチャー等を中心にノンフィクション翻訳を手がける一方、英米・英語圏文学の翻訳も数多い」と書かれているが、実際は、渡辺佐智江名義での訳書の大半は文学書であり、ノンフィクション翻訳は少数である。
訳書
編集- 『血みどろ臓物ハイスクール』(キャシー・アッカー、白水社) 1992.9、のち河出文庫
- 『おぼえていないときもある』(ウィリアム・S・バロウズ、浅倉久志,山形浩生,柳下毅一郎共訳、ペヨトル工房) 1993.1
- 『フリスク』(デニス・クーパー、ペヨトル工房) 1993.6
- 『神の御使い』1 - 2(ニック・ケイヴ、山形浩生共訳、思潮社) 1994.2
- 『ドン・キホーテ』(キャシー・アッカー、白水社) 1994.4
- 『ガソリンの臭いのする記憶』(デイヴィッド・ヴォイナロヴィッチ著画、白水社) 1995.5
- 『コック&ブル』(ウィル・セルフ、白水社) 1995.9
- 『ナイフの刃先で』(デイヴィッド・ヴォイナロヴィッチ、大栄出版) 1995.6
- 『わが母悪魔学』(キャシー・アッカー、白水社) 1996.4
- 『スリープウォーキング』(ジュリー・マイアソン、河出書房新社) 1997.1
- 『ネヴァダの犬たち』(ジョン・リドリー、早川書房) 1997.7、のちハヤカワ文庫NV
- 『クラックアップ』(ハーモニー・コリン、山形浩生共訳、ロッキング・オン) 1998.10
- 『ディスコ・ビスケッツ』(サラ・チャンピオン編、渡辺健吾共訳、早川書房) 1998.12
- 『フィルス』(アーヴィン・ウェルシュ、アーティストハウス)、のち再刊(パルコエンタテインメント事業部)
- 『死んでいる』(ジム・クレイス、白水社) 2001.6、のち白水Uブックス
- 『四十日』(ジム・クレイス、インスクリプト) 2002.9
- 『食糧棚』(ジム・クレイス、白水社) 2002.5
- 『俺がJBだ! : ジェームズ・ブラウン自叙伝』(ジェームズ・ブラウン,ブルース・タッカー、山形浩生,クイッグリー裕子共訳、文藝春秋) 2003.9、のち文春文庫
- 『グールド魚類画帖 : 十二の魚をめぐる小説』(リチャード・フラナガン、白水社) 2005.7
- 『小さなことから自分を変える7つの仕事術』(ロイス・P・フランケル、日本経済新聞社) 2005.4
- 『柘榴のスープ』(マーシャ・メヘラーン、白水社) 2006.7
- 『ゴーレム[100]』(アルフレッド・ベスター、国書刊行会) 2007.6
- 『バタフライハンター : 10のとても奇妙で素敵な仕事の物語』(クリス・バラード、日経BP社) 2007.11
- 『キングキラー・クロニクル 第1部 風の名前』上・中・下(パトリック・ロスファス、山形浩生,守岡桜共訳、白夜書房) 2008.6、のちハヤカワ文庫FT(全5巻)
- 『姿なきテロリスト』(リチャード・フラナガン、白水社) 2009.6
- 『モーフィー時計の午前零時 : チェス小説アンソロジー』(ジーン・ウルフ,フリッツ・ライバー他著、若島正編、共訳、国書刊行会) 2009.2
- 『隔離小屋』(ジム・クレイス、白水社) 2010.6.
- 『フィルス』(アーヴィン・ウェルシュ、パルコ) 2013.11
- 『S,M,L,XL+: 現代都市をめぐるエッセイ』(レム・コールハース、太田佳代子共訳、ちくま学芸文庫) 2015.5
- 『音楽と沈黙』1 - 2(ローズ・トレメイン、国書刊行会) 2017.5
- 『キングキラー・クロニクル 第2部 賢者の怖れ』全6巻(パトリック・ロスファス、山形浩生,守岡桜共訳、ハヤカワ文庫FT) 2018.5
- 『奥のほそ道』(リチャード・フラナガン、白水社) 2018.5
- 『愛なんてセックスの書き間違い』(ハーラン・エリスン、若島正共訳、国書刊行会、未来の文学) 2019.5
- 『アフター・クロード』(アイリス・オーウェンス、国書刊行会、ドーキー・アーカイヴ) 2021.9
脚注
編集- ^ 新元良一『翻訳文学ブックカフェ2』より
参考文献
編集- 日本経済新聞社サイトの著者紹介