海野聡

日本の建築史学者

海野 聡(うんの さとし、1983年2月 - )は、日本建築史学者。東京大学准教授。博士(工学)。主として前近代の日本・東アジアを研究領域とし、特に日本の古代建築を専門とする。

文献史学・考古学など、学際的な研究を進めつつ、古建築の魅力や遺跡復元の手法を伝える。平城宮第一次大極殿院の発掘調査・薬師寺東塔の解体修理[1]延暦寺建造物総合調査などに従事。

経歴

編集
  • 1983年2月 - 千葉県千葉市生まれ
  • 2001年3月 - 開成高等学校卒業
  • 2006年3月 - 東京大学工学部建築学科卒業
  • 2008年3月 - 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了
  • 2009年
    • 4月 - 日本学術振興会DC2採用
    • 8月
      • - 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程中退
      • - 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所に採用
  • 2018年10月 - 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授

主な著書

編集
  • 『奈良時代建築の造営体制と維持管理』吉川弘文館、2015年。ISBN 9784642046268
  • 『古建築を復元する 過去と現在の架け橋』(歴史文化ライブラリー444)吉川弘文館、2017年。ISBN 9784642058445
  • 『比叡山けんちく探訪!』(共著)比叡山延暦寺 2014年。
  • 『発掘遺構から読み解く古代建築』(共著)クバプロ 2016年。ISBN 9784878051470
  • 『建物が語る日本の歴史』吉川弘文館、2018年。ISBN 9784642083362
  • 『文化遺産と〈復元学〉-遺跡・建築・庭園復元の理論と実践』(編)吉川弘文館、2019年 ISBN 9784642016629
  • 『再生する延暦寺の建築-信長焼き討ち後の伽藍復興』吉川弘文館、2022年。ISBN 9784642016681 

主要論文・報告書

編集
  • 「古代地方官衙政庁域の空間構成」『日本建築学会計画系論文集』645、2009年
  • 「古代における裳階の類型化と二重金堂の変遷に関する試論」『佛教藝術』327、2013年
  • 「法隆寺を「生かす」不断の努力」『Re』 2016年
  • 『比叡山延暦寺 建造物総合調査報告書』比叡山延暦寺2013年(共編著)

受賞歴

編集
  • 2006年 - 第17回日本建築学会優秀卒業論文賞[2]
  • 2011年 - 日本建築学会奨励賞[3]
  • 2013年 - 公益財団法人花王芸術・科学財団 第7回美術に関する研究奨励賞[4]
  • 2015年 - 前田記念工学振興財団 山田一宇賞(年間優秀博士論文賞)[5]
  • 2017年 - 古代歴史文化賞優秀作品賞[6]

脚注

編集
  1. ^ 海野聡『古代建築を復元する 過去と現在の架け橋』吉川弘文館、2017年、あとがき
  2. ^ 2006年日本建築学会優秀卒業論文賞・日本建築学会優秀修士論文賞” (PDF). 日本建築学会. 2017年12月3日閲覧。
  3. ^ 2011年各賞受賞者”. 日本建築学会. 2017年12月3日閲覧。
  4. ^ ニュースリリース 第7回美術に関する研究奨励賞受賞者(2名)および 平成25年度助成先 決定”. 花王株式会社 (201303-19). 2017年12月3日閲覧。
  5. ^ 前田工学賞の贈呈”. 前田記念工学振興財団. 2017年12月3日閲覧。
  6. ^ 第5回古代歴史文化賞の受賞作品が決定しました。”. 島根県教育庁文化財課 古代文化センター (2017年11月1日). 2017年12月3日閲覧。

外部リンク

編集