プレート
地球の表面を覆う十数枚の厚さ100kmほどの岩盤
(海洋プレートから転送)
プレート(英: tectonic plate)は、地球の表面を覆う、十数枚の厚さ100kmほどの岩盤のこと。リソスフェア(岩石圏)とほぼ同じで、地殻とマントルの最上部を合わせたもの。
プレートの動き
編集→詳細は「プレートテクトニクス § プレートの動き」を参照
プレートには、大陸プレートと海洋プレートがあり、海洋プレートは大陸プレートよりも強固で密度が高いため、2つがぶつかると海洋プレートは大陸プレートの下に沈んでいくことになる。
また、地下のマグマの上昇によりプレートに亀裂ができ、連続してマグマが上昇し続けると、その後プレートが分断されて両側に分かれることになる。
プレートのリスト
編集プレートテクトニクス仮説に基づくプレートのリストを以下に示す。
大規模なプレート
編集プレートは大きく分けると、次の14 - 15枚とされている。一般的にはこれら14 - 15枚のプレートを地球上の全プレートと考える。
- ユーラシアプレート (Eurasian Plate)
- 北アメリカプレート (North American Plate)
- 南アメリカプレート (South American Plate)
- 太平洋プレート (Pacific Plate)
- ココスプレート (Cocos Plate)
- ナスカプレート (Nazca Plate)
- カリブプレート (Caribbean Plate)
- アフリカプレート (African Plate)
- 南極プレート (Antarctic Plate)
- アラビアプレート (Arabian Plate)
- インドプレート (Indian Plate)
- オーストラリアプレート (Australian Plate)
- フィリピン海プレート (Philippine Sea Plate)
- スコシアプレート (Scotia Plate) - 簡略図では南アメリカプレートの一部とすることもある。
- ファンデフカプレート (Juan de Fuca Plate) - 簡略図では北アメリカプレートの一部とすることもある。
小規模なプレート
編集上記の14 - 15枚のプレートを地球上の全プレートと考えると、GPSの観測などでは、1つのプレート内で移動速度が異なる部分があって、不自然となる。これを説明するために考え出されたのが、以下のプレートである。40枚程度存在する。これらはすべて、上記の14 - 15枚のプレートのどれかのグループに便宜的に分類されている。ただ、地質学的に見ても、親プレートと完全に切り離されて独立しているものもあるが、ほとんどは完全には切り離されておらず、一部がつながっている。
- エーゲ海プレート (Aegean Sea Plate)
- アルティプラーノプレート (Altiplano Plate)
- アムールプレート (Amurian Plate)
- アナトリアプレート (Anatolian Plate)
- バルモーラル暗礁プレート (Balmoral Reef Plate)
- バンダ海プレート (Banda Sea Plate)
- バーズヘッドプレート (Bird's Head Plate)
- ビルマプレート (Burma Plate)
- カロリンプレート (Caroline Plate)
- コンウェイ暗礁プレート (Conway Reef Plate)
- イースタープレート (Easter Plate)
- フツナプレート (Futuna Plate)
- ガラパゴスプレート (Galapagos Plate)
- イランプレート (Iranian Plate) - 下図では示されていない。イラン付近にあるプレート。異説もある。
- ヤンマイエンプレート (Jan Mayen Plate) - 下図では示されていない。アイスランド北東沖にあるやや小さなプレート。
- ファン・フェルナンデスプレート (Juan Fernandez Plate)
- ケルマデックプレート (Kermadec Plate)
- マヌスプレート (Manus Plate)
- マウケプレート (Maoke Plate)
- マリアナプレート (Mariana Plate)
- モルッカ海プレート (Molucca Sea Plate)
- ニューヘブリデスプレート (New Hebrides Plate)
- ニウアフォプレート (Niuafo'ou Plate)
- 北アンデスプレート (North Andes Plate)
- 北ビスマルクプレート (North Bismarck Plate)
- 北ガラパゴスプレート (North Galapagos Plate)
- オホーツクプレート (Okhotsk Plate)
- 沖縄プレート (Okinawa Plate)
- パナマプレート (Panama Plate)
- リベラプレート (Rivera Plate)
- サンドウィッチプレート (Sandwich Plate)
- シェトランドプレート (Shetland Plate)
- ソロモン海プレート (Solomon Sea Plate)
- ソマリアプレート (Somali Plate)
- 南ビスマルクプレート (South Bismarck Plate)
- スンダプレート (Sunda Plate)
- ティモールプレート (|Timor Plate)
- トンガプレート (Tonga Plate)
- ウッドラークプレート (Woodlark Plate)
- 揚子江プレート (Yangtze Plate)
埋没しているプレート
編集- アプリアプレート (Apulian plate)
- エクスプローラープレート (Explorer Plate)
- ゴルダプレート (Gorda Plate)
その他のプレート
編集- 関東フラグメント (Kanto fragment) - 栃木県南部から神奈川県北部にかけての関東地方の地下深さ30〜100km付近に、厚さ25km、100km四方の太平洋プレートの断片が残存しているものと推定されている。このプレート断片とほかのプレートとの境界では、陸地下でありながらプレート間地震(海溝型地震)が発生すると考えられ、首都直下地震の要因の一つとなる可能性が指摘されている[1][2][3]。
- アリューシャンプレート - ベーリング海の海底を形成するとされるプレート。気象庁の石川有三らが主張しているが、あまり認知されていない。
プレートの位置図
編集-
インド・オーストラリアスンダ
- 画像ファイル(環境により文字がずれることもあります)
- 凡例
- 線の色:紫=衝突型境界(沈み込み帯を除く)、赤=拡張型境界(海嶺や地溝)、黄緑=トランスフォーム断層、青=沈み込み帯
- 灰色の領域:プレートの衝突による造山運動がプレート内部まで及んで隆起が盛んな地域。構造線や断層帯が多数ある。
- 矢印:アフリカプレート基準の、各プレートの移動方向と速度(mm/年)
- 出典:[1]
注意:環境によっては、リンクの位置が正しく表示されない場合がある。
過去に存在したとされるプレート
編集脚注
編集- ^ 関東直下に「地震の巣」…100キロ四方の巨大岩盤が形成 [リンク切れ] 読売新聞 2008年10月6日
- ^ Shinji Toda(遠田晋次); Ross S. Stein(ロス・スタイン), Stephen H. Kirby(ステファン・カービー), Serkan B. Bozkurt(サルカン・ボズクルト) (2008). “A slab fragment wedged under Tokyo and its tectonic and seismic implications(東京直下に潜むプレート断片と地殻変動・地震発生における重要性)”. Nature Geoscience 1: 771 - 776. doi:10.1038/ngeo318. ISSN 1752-0894 .
- ^ 首都圏直下に潜むプレートの断片と地震発生産業技術総合研究所
参考文献
編集- Peter Bird (2003). “An updated digital model of plate boundaries”. Geochemistry Geophysics Geosystems 4 (3): 1027. doi:10.1029/2001GC000252 .
- https://www.s-yamaga.jp/nanimono/chikyu/platetectonics-01.htm
関連項目
編集外部リンク
編集- Images of Volcanoes(By Region) - 世界各地のプレート構造と火山