浜中町

北海道厚岸郡の町

浜中町(はまなかちょう)は、北海道釧路総合振興局管内の厚岸郡にある町。

はまなかちょう ウィキデータを編集
浜中町
浜中町旗 浜中町章
1963年11月1日制定[1]
日本の旗 日本
地方 北海道地方
都道府県 北海道釧路総合振興局
厚岸郡
市町村コード 01663-2
法人番号 5000020016632 ウィキデータを編集
面積 423.12km2
総人口 5,268[編集]
住民基本台帳人口、2024年10月31日)
人口密度 12.5人/km2
隣接自治体 厚岸郡厚岸町
根室振興局根室市野付郡別海町
町の木 白樺
町の花 エゾカンゾウ
町の鳥 エトピリカ
浜中町役場
町長 齊藤清隆
所在地 088-1592
北海道厚岸郡浜中町湯沸445番地
北緯43度04分34秒 東経145度07分53秒 / 北緯43.07608333度 東経145.13125度 / 43.07608333; 145.13125座標: 北緯43度04分34秒 東経145度07分53秒 / 北緯43.07608333度 東経145.13125度 / 43.07608333; 145.13125
外部リンク 公式ウェブサイト

浜中町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

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浜中町役場のある霧多布地区周辺の空中写真。画像右上部は浜中湾、左下部は琵琶瀬湾。画像左上方の茶褐色に見える一帯は霧多布湿原である。1978年撮影の10枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
霧多布湿原の7月初旬、白いワタスゲの実
アゼチ岬から見た小島と嶮暮帰島(後方)

幾度も津波被害にあったことから、海岸沿いの陸地に総延長17キロメートルにも及ぶ防潮堤が建設され、全国初の津波防災ステーションがつくられた。街が城壁に囲まれたような光景が見られる。

町名の由来

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現在役場が置かれている霧多布市街の北の付近が地名の発祥で、アイヌ語の「オタノㇱケ(ota-noske)」(砂浜・の中央)と呼ばれていたものを意訳したもの[2]。その後鉄道開通時に浜中駅が内陸部に設置されたため、地名としては現在の駅付近(浜中市街)を指すようになっている[2]

地理

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釧路総合振興局東南部に位置、太平洋に面する沿岸の町。役場は湯沸島(霧多布島)[3]の霧多布(きりたっぷ)地区に設置。釧路市から東に約80km、根室市から西に約50kmの位置にある。太平洋に面し、浜中湾および琵琶瀬湾を形成。

北部は丘陵が広がり、国道44号が東西に縦貫する。厚岸霧多布昆布森国定公園があり、南部は面積約3,168ヘクタールの霧多布湿原を有する平野になっている。 夏は濃霧が発生しやすく、気温があまり上がらない。

気候

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ケッペンの気候区分によると、浜中町は湿潤大陸性気候に属する。寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。降雪量が多く、豪雪地帯に指定されている。冬季は-20℃前後の気温が観測されることが珍しくなく、寒さが厳しい。

榊町(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 8.7
(47.7)
12.6
(54.7)
15.1
(59.2)
23.5
(74.3)
35.2
(95.4)
30.7
(87.3)
34.1
(93.4)
35.5
(95.9)
30.2
(86.4)
24.0
(75.2)
20.7
(69.3)
12.9
(55.2)
35.5
(95.9)
平均最高気温 °C°F −0.8
(30.6)
−0.8
(30.6)
2.8
(37)
8.1
(46.6)
12.5
(54.5)
15.1
(59.2)
18.6
(65.5)
21.1
(70)
19.9
(67.8)
15.3
(59.5)
9.0
(48.2)
2.2
(36)
10.3
(50.5)
日平均気温 °C°F −5.3
(22.5)
−5.3
(22.5)
−1.4
(29.5)
3.3
(37.9)
7.6
(45.7)
11.0
(51.8)
14.9
(58.8)
17.3
(63.1)
15.7
(60.3)
10.4
(50.7)
3.9
(39)
−2.6
(27.3)
5.8
(42.4)
平均最低気温 °C°F −11.2
(11.8)
−11.7
(10.9)
−6.7
(19.9)
−1.6
(29.1)
3.2
(37.8)
7.8
(46)
12.0
(53.6)
14.3
(57.7)
11.5
(52.7)
4.8
(40.6)
−1.8
(28.8)
−8.1
(17.4)
1.1
(34)
最低気温記録 °C°F −25.3
(−13.5)
−26.0
(−14.8)
−21.4
(−6.5)
−14.2
(6.4)
−4.7
(23.5)
−1.5
(29.3)
2.5
(36.5)
5.1
(41.2)
1.1
(34)
−5.2
(22.6)
−13.0
(8.6)
−18.0
(−0.4)
−26.0
(−14.8)
降水量 mm (inch) 26.2
(1.031)
18.5
(0.728)
50.1
(1.972)
73.1
(2.878)
103.2
(4.063)
111.7
(4.398)
117.3
(4.618)
124.2
(4.89)
157.0
(6.181)
123.3
(4.854)
74.5
(2.933)
56.2
(2.213)
1,033.3
(40.681)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 6.0 4.5 7.5 9.3 10.7 8.9 10.3 10.9 10.7 9.1 9.2 7.7 104.3
平均月間日照時間 185.6 179.3 197.8 180.1 168.6 125.0 106.2 117.1 146.8 170.2 164.8 165.9 1,913.8
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[4]

歴史

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浜中町役場旧庁舎(2013年)
  • 1701年元禄14年)、厚岸場所を分割しキイタップ場所(後の霧多布場所)が開設されたのが町の始まり。
  • 1831年(天保2年)2月20日、国籍不明の異国船が厚岸場所ウラヤコタンに碇泊し発砲。同月22日厚岸勤番谷梯小右衛門ら60人が異国船の小船一艘と交戦となり、異国軍追加四艘による攻撃により退却。(ウラヤコタンの交戦) 異国軍は番屋を焼き、小右衛門の部下一人とアイヌ先住民一人を捕虜にしたが、3月3日になり捕虜は書簡と食糧を持たされて釈放され、異国軍は撤退した[5]
  • 1869年明治元年)、北海道11国86郡が置かれ、現在の浜中町に相当する地域は釧路国厚岸郡に含まれた。同年、榊富右衛門がアシリコタン(現在の榊町)に漁民を定住させ、漁業が開始された。榊町は港に適さない地形だったため、町の中心地はのちに霧多布へと移っていった。
  • 1872年(明治5年) 開拓使根室支庁の所轄となり、榊町に浜中出張所が開設される。
  • 1879年(明治12年) 榊町に戸長役場設置。
  • 1884年(明治17年) 榊町戸長役場廃止、後静村、琵琶瀬村、霧多布村、散布村の四村に分割。
  • 1886年(明治19年) 霧多布外一町四村戸長役場設置。
  • 1906年(明治39年) 二級町村制が施行及び改称、浜中村となる。
  • 1919年大正 8年) 一級町村制施行、浜中村
  • 1951年 (昭和26年)茶内市街地に存在した大原劇場(映画館)で火災。42人が死亡[6]
  • 1952年(昭和27年) 十勝沖地震津波により、村が壊滅状態となる。
  • 1960年(昭和35年) 1960年チリ地震津波により、村が再び壊滅状態となり11人が死亡した。
  • 1963年(昭和38年) 根室市との境界変更。町制施行、浜中町となる。
  • 1999年平成11年) 霧多布温泉開湯。
  • 2011年(平成23年)ルパン三世通り開設。
  • 2021年(令和3年)1月6日 - 浜中町役場新庁舎開庁[7]

経済

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産業

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浜中町は気候に恵まれているため、産業が発展している。北部の内陸部では酪農が盛んである。生産される生乳は高品質で、高級アイスクリーム「ハーゲンダッツ」や乳酸菌飲料「カルピス」の原料などで使用されている。また、南部の海岸地帯では漁業(昆布、ホッキなど)が盛んである。特に天然昆布は日本有数の生産量を誇る。主要な港は霧多布港・散布港

農協・漁協

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  • 浜中町農業協同組合(JA浜中町)
  • 浜中漁業協同組合
  • 散布漁業協同組合
  • 北海道農業共済組合(NOSAI北海道)
    • 釧路東部支所
    • 浜中家畜診療所
    • 姉別家畜診療所

金融機関

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立地企業

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郵便局

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  • 霧多布郵便局(集配局)
  • 茶内郵便局(集配局)
  • 浜中郵便局(集配局)
  • 姉別郵便局(集配局)
  • 琵琶瀬郵便局
  • 火散布簡易郵便局

宅配便

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公共機関

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警察

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  • 厚岸警察署霧多布駐在所
  • 厚岸警察署茶内駐在所
  • 厚岸警察署浜中駐在所

消防

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  • 釧路東部消防組合
    • 浜中消防署
    • 茶内分遣所

地域

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人口

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浜中町と全国の年齢別人口分布(2005年) 浜中町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 浜中町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
浜中町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 10,192人
1975年(昭和50年) 9,668人
1980年(昭和55年) 9,243人
1985年(昭和60年) 8,921人
1990年(平成2年) 8,395人
1995年(平成7年) 7,866人
2000年(平成12年) 7,335人
2005年(平成17年) 7,005人
2010年(平成22年) 6,511人
2015年(平成27年) 6,061人
2020年(令和2年) 5,507人
総務省統計局 国勢調査より


2012年10月末現在(広報はまなかより)

  • 総数 6,470人(男3,124人、女3,346人)
  • 世帯数 2,486世帯

消滅集落

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2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている[8]

  • 浜中町 - 新川

教育

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霧多布高等学校
  • 高等学校
  • 中学校
    • 霧多布、茶内、浜中
  • 小学校
    • 霧多布、茶内、浜中
  • 小中学校
    • 散布(ちりっぷ)
  • 閉校した学校 
    • 1972年3月 – 三番沢小は茶内小へ統合。
    • 1986年3月 – 熊牛小は浜中小へ統合。
    • 2003年3月 - 奔幌戸(ぽんぽろと)小は浜中小へ統合。
    • 2004年3月 - 円朱別小は茶内小へ統合。
    • 2009年3月 - 茶内第三小は茶内小へ統合。
    • 2010年3月 - 貰人(もうらいと)小は浜中小へ統合。
    • 2012年3月 - 姉別小は浜中小へ統合。
    • 2012年3月 - 西円朱別小は茶内小へ統合。
    • 2012年3月 - 琵琶瀬小は霧多布小へ統合。
    • 2013年3月 - 榊町小は霧多布小へ統合。
    • 2014年3月 - 姉別南小中は浜中小・浜中中へ統合。
    • 2019年3月 - 茶内第一小は茶内小へ統合。

隣接している自治体

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交通

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浜中駅
 
浜中町出身のモンキー・パンチにちなみ、町内を通る鉄道・バスにはルパン三世のキャラクターをラッピングした車両も運用される(JR北海道)
 
霧多布大橋

鉄道

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また1972年(昭和47年)までは茶内駅から浜中町営軌道が茶内原野の各地へと伸びていた。

バス

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運行日や経路詳細はバス事業者記事や公式サイトで確認のこと。

  • 浜中町営バス
    • 霧多布温泉ゆうゆ・渡散布・藻散布より厚岸町(子野日公園)方面(くしろバス・26 霧多布線より継承)
    • 浜中駅 - 榊町 - 新川十字路 - 役場前 - 霧多布温泉ゆうゆ(くしろバス・浜中線より継承)
  • 特急ねむろ号
    • 姉別・浜中・茶内より釧路市方面(くしろバス、根室交通の共同運行)

道路

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名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

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霧多布岬
 
霧多布温泉ゆうゆ

観光

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ウラヤコタン異国船上陸の浜
  • ウラヤコタン異国船上陸地

イベント

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出身の有名人

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関連人物

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浜中町が舞台の作品

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その他

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  • 2008年4月より全国で初めて行政区域内の全商店でレジ袋を有料化した。
  • 2009年1月朝日新聞社のふるさと100選に選出。

脚注

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注釈

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  1. ^ ただし、『ルパン三世H』第2巻では、フランスパリ出身ということになっている。

出典

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  1. ^ 図典 日本の市町村章 p19
  2. ^ a b 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、255頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  3. ^ 「島」と称されるが、国土審議会離島振興対策分科会資料に基づく有人離島417島には含まれず、行政上は北海道本土の一部として扱われている。
  4. ^ 榊町 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2022年8月9日閲覧。
  5. ^ 渡辺茂 編 (1965). 北海道歴史辞典. 北書房. pp. 48-49 原典:『日鑑記』
  6. ^ 「劇場の焼死者42名に」『朝日新聞』昭和26年5月21日
  7. ^ 浜中町役場新庁舎が開庁しました!”. 浜中町. 2024年8月20日閲覧。
  8. ^ 総務省統計局統計調査部国勢統計課平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》』(CSV)(レポート)総務省、2017年1月27日https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files/data?fileid=000007841019&rcount=12017年5月20日閲覧 ※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。

外部リンク

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