津エアポートライン株式会社(つエアポートライン)は、三重県津市に本社を置く海運会社である。岡山県岡山市に本社がある両備ホールディングス両備グループの持株会社)の100%出資による子会社。

津エアポートライン株式会社
Tsu Airport Line Co., LTD.
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
514-0010
三重県津市なぎさまち1-1
設立 2004年平成16年)1月21日
業種 海運業
法人番号 4190001003079 ウィキデータを編集
事業内容 高速船の一般旅客定期航路事業
代表者 代表取締役 小嶋 光信
資本金 1,000万円
純利益 △113万円
(2024年3月期)[1]
総資産 3億7,527万3,000円
(2024年3月期)[1]
主要株主 両備ホールディングス株式会社(100%)
外部リンク http://www.tsu-airportline.co.jp
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「フェニックス」(2013年4月)
「フェニックス」(2006年7月)
「カトレア」
「すずかぜ」(2016年12月売却)

概要

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三重県津市の津なぎさまちと、愛知県常滑市中部国際空港を結ぶ定期旅客航路を運航する。2009年平成21年)から2016年(平成28年)12月19日までは、三重県松阪市松阪港を結ぶ定期旅客航路も運航していた[2] [3]

三重県中部地域から中部国際空港までの所要時間は、伊勢湾岸を迂回する自動車(高速道路経由)または鉄道(近鉄特急名鉄ミュースカイ乗り継ぎ)と比較した場合、乗り継ぎ時間を除くと所要時間は約半分となり、直線的に結ぶ海上輸送が時間的に有利となりうる。

また、運賃については、鉄道を特別料金が不要の列車だけで空港に向かった場合は鉄道が安くなるが、近鉄の特急列車や伊勢鉄道JRの快速列車の指定席を使用した場合などは当航路を利用した方が安くなる。自動車利用の場合、同乗者数や空港駐車場での駐車料金にもよるため単純な比較はできないが、高速道路の通行料金などを考慮すると、津なぎさまちターミナルの無料駐車場を利用して当航路を利用することにより、金額的にも有利となりうる。

事業所

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  • 本社:三重県津市なぎさまち1-1
  • セントレア港営業所:愛知県常滑市セントレア4-7

かつて存在した事業所

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  • 松阪港営業所:三重県松阪市大口町1822-7 - 航路休止により2016年(平成28年)12月19日閉鎖。

沿革

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  • 2004年(平成16年)1月21日:両備運輸(現在の両備ホールディングス)の100%出資で設立される。
  • 2005年(平成17年)2月17日:津なぎさまち - 中部国際空港間の運航を開始する。
  • 2008年(平成20年)9月1日:運賃を大人2,400円に値上げする。
  • 2009年(平成21年)9月1日:松阪高速船の航路を引き継ぎ、松阪港 - 中部国際空港間の運航を開始する。
  • 2011年(平成23年)8月20日:ダイヤ改正を実施。津航路を3往復、松阪航路を2往復それぞれ減便するとともに、松阪航路の中部国際空港直行便を廃止する。
  • 2016年(平成28年)12月20日:ダイヤ改正を実施。松阪航路を廃止して[2]津航路を2往復増便するとともに、津航路の愛称を「津ベルライン」に変更(社名は津エアポートラインのまま)。
  • 2018年(平成30年)12月22日:インバウンド誘致を目的に中部国際空港のサムライ X NINJAプロジェクトを受け、忍者高速船キャンペーン[4]を開始。

航路

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現在運航中の航路

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2016年(平成28年)12月現在(松阪航路は休止直前のデータ)[5]運賃およびダイヤの詳細は、公式サイトを参照。

津航路(津なぎさまち - 中部国際空港)
津航路は当初1日1,500人を超える利用者があったが、2006年(平成18年)末に松阪高速船が就航したことや空港見学者が減少したことなどが影響し、800人前後まで落ち込んだ。また、開港時の約2.6倍となった燃料費も経営を圧迫したため、2008年(平成20年)9月1日から運賃値上げを行った。現在の運賃は2,470円。
  • 所要時間:約45分
  • 便数:15往復30便(津なぎさまちからは6時から21時まで、中部国際空港からは7時から22時まで、津なぎさまち14時発と中部国際空港15時発を除くおおむね1時間ごとに運航)

かつて存在した航路

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松阪航路(松阪港 - 中部国際空港)
松阪高速船の経営を引き継いだ松阪航路は、運賃を従来の2,400円から2,700円に改定した。また2011年(平成23年)8月20日から直行便が廃止され、全便が津なぎさまち経由または乗り継ぎになった。松阪航路は津エアポートライン移管後に松阪高速船の利用者数(2008年(平成20年)度の最多で1日あたり約340人)を上回ることはなく、津航路の黒字で松阪航路の赤字を補填している状態であった[2]。松阪市との契約満了により、2016年(平成28年)12月19日廃止[2][3]
  • 所要時間:68 - 75分
  • 便数:4往復8便

運賃

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  • 片道運賃
    • 津なぎさまち - 中部国際空港:大人2,520円(2020年令和2年)7月13日現在)
    • 松阪港 - 中部国際空港(2016年(平成28年)12月19日廃止):大人2,780円
    • 津なぎさまち - 松阪港(2016年(平成28年)12月廃止): 大人310円
    小児は大人運賃の半額、幼児は大人1名につき1名が無料だが座席を占有する場合は小児運賃が必要である。
    割引制度は、団体割引・障害者割引・学生割引(学生証の提示にて適用)が設定されている。
  • 特別室料金:520円
    大人・小児とも共通である。

船舶

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「フェニックス」船内(一般席)
  • フェニックス
2004年竣工、三保造船所建造。
124総トン、全長31.45m、幅8.30m、航海速力30ノット、旅客定員108名(一般席100名、特別席8名)
船内はバリアフリー化されており、車いす専用座席(6席)、車椅子対応トイレなどを備える。双胴船であることから、従来の船舶に比べ波浪による揺れが少ないとされる。
  • カトレア
2004年竣工、三保造船所建造。
フェニックスの同型船。本船は赤塚植物園などを経営する津市のアカツカグループから寄贈を受けたものである[6]
  • すずかぜ(2016年(平成28年)12月の松阪航路廃止に伴い売却→フィリピンへ)
松坂高速船から継承。常石林業建設(現在のツネイシクラフト&ファシリティーズ)建造。予備船として運用されていた。
130総トン、全長31.5m、幅8.0m、航海速力30ノット、旅客定員108名(一般席のみ)

港への交通

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三重交通が運行する「津なぎさまち線」

津なぎさまちへの交通

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津なぎさまち[7]

かつて存在した交通

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松阪港

脚注

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  1. ^ a b 津エアポートライン株式会社 第21期決算公告
  2. ^ a b c d e 大沢悠「消えぬ返済金の荒波 2016 みえ回顧 ⑦ 松阪ベルライン廃止」中日新聞2016年12月29日付朝刊、三重版12ページ
  3. ^ a b 津エアポートライン、12月19日で松阪航路を廃止 津航路に一本化”. TRACY (2016年11月5日). 2022年8月13日閲覧。
  4. ^ 忍者高速船キャンペーン”. 津エアポートライン. 2019年1月16日閲覧。
  5. ^ 時刻表・運賃”. 津エアポートライン. 2013年4月28日閲覧。
  6. ^ 沿革”. 赤塚グループ. 2013年4月30日閲覧。
  7. ^ ターミナル・アクセス”. 津エアポートライン. 2013年4月28日閲覧。

関連事項

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外部リンク

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