河口 洋一郎(かわぐち よういちろう、1952年4月1日 - )は、日本のコンピュータグラフィックスアーティスト、東京大学名誉教授[1][2]、デジタルコンテンツ協会会長。文化功労者

河口 洋一郎
人物情報
生誕 1952年4月1日
日本の旗 日本種子島
国籍 日本の旗 日本
出身校 九州芸術工科大学
東京教育大学大学院
学問
研究分野 コンピュータ・グラフィックス
研究機関 東京大学大学院情報学環・学際情報学府
主な受賞歴
テンプレートを表示

略歴

編集

1952年鹿児島県種子島に生まれる[3]。旧鹿児島県立種子島高等学校卒業[4]

1976年九州芸術工科大学画像設計学科を卒業し、1978年東京教育大学大学院を修了する[3]

1979年よりSIGGRAPHに参加するようになり、1982年にSIGGRAPHで河口が発表した自己増殖する造形理論である「グロースモデル(The GROWTH Model)」は世界中から集まったコンピュータ・グラフィックス関係者に絶賛されることになった[3][5]。なお、河口はSIGGRAPHで「SAKE Party(パーティ)」の主催もしており、SIGGRAPHの名物イベントの主催者としても著名である[3]。「SAKE Party」は当初、河口の自費で開催されていたが、後にSIGGRAPHの公認イベントとなっている[6]

1992年より筑波大学芸術学系の助教授を勤め、1998年より東京大学大学院工学系研究科・工学部人工物工学センター教授、2000年より東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授を務める[3]

ユーログラフィックス英語版、パリグラフ、アルス・エレクトロニカIMAGINA英語版などで、受賞歴多数[3]2010年のSIGGRAPHでは、長年にわたるコンピュータ・グラフィックス界へに大きく貢献し続けているとして、「ACM SIGGRAPH英語版 Award : Distinguished Artist Award for Lifetime Achievement in Digital Art」を世界で3人目に受賞した[3]2013年には芸術選奨文部科学大臣賞、春の紫綬褒章を受章した[3]

2013年にはアルコール飲料のZIMAの宣伝として企画されたバンド「Z-Machines」の3体のロボットのうち、レーザーキーボード演奏を行うロボット「Cosmo(コスモ)」のデザインを行っている[7][8]。コスモのデザインコンセプトは「5億年前の生物が、5億年後に進化した、未来の生物」とのこと[8]

2018年3月31日に東京大学の教授職を定年退職し[2]、同年東京大学名誉教授の称号を受けた[9]。同年デジタルコンテンツ協会会長就任[10]融合研究所会長なども務めた[11]

2023年11月、文化功労者[12]に選ばれた。

出典

編集
  1. ^ 小中学生のプログラミング表現は多様化・実用化の時代に。2017年の全国小中学生プログラミング大会グランプリは?”. ASCII.jp (2017年12月8日). 2018年5月15日閲覧。
  2. ^ a b 河口 洋一郎 教授 定年退職(2018年3月31日)”. 東京大学大学院情報学環・学際情報学府. 2018年5月16日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 日本にフルCG アニメは根付くのか?”. 東映アニメーション (2013年11月). 2018年5月15日閲覧。
  4. ^ 河口洋一郎氏 デザイン画贈呈式”. 鹿児島県立種子島高等学校 (2016年3月23日). 2024年10月25日閲覧。
  5. ^ 文化庁メディア芸術プラザインタビュー”. 2023年3月23日閲覧。
  6. ^ SIGGRAPH 2017 in Los Angeles”. 日刊サン. 2018年5月15日閲覧。
  7. ^ 超絶ロボットバンドの製作の舞台裏:スクエアプッシャー最新作のメイキング動画公開”. WIRED.jp (2014年4月19日). 2018年5月15日閲覧。
  8. ^ a b ロボットバンド「Z-MACHINES」開発者インタビュー”. 音楽ナタリー. 2018年5月15日閲覧。
  9. ^ 河口 洋一郎新宿クリエイターズ・フェスタ
  10. ^ 第7回定時評議員会、第19回理事会、役員等懇話会 開催報告デジタルコンテンツ協会
  11. ^ 役員・会員融合研究所
  12. ^ “文化勲章に川淵三郎氏ら7人決まる、文化功労者は北大路欣也さんら20人に”. 朝日新聞. (2023年10月21日). https://www.asahi.com/articles/ASRBN53JHRBKUCVL04T.html 2023年10月21日閲覧。 
先代
金子眞吾
デジタルコンテンツ協会会長
2018年 -
次代