江吏部集
沿革
編集「江吏部」とは匡衡が大江氏であったことと、式部省の官人であったことから式部の唐名である「吏部」に由来する。寛弘8年(1011年)前後に成立。詩133首、詩序29首、和歌1首、和歌序1首を含む。全3巻。収録されている作品は部類別15門に分類し配列されており、中国の類書や千載佳句を手本としたと考えられている。
平安期文人で詩文集が現存する数少ない事例で、内閣文庫本、静嘉堂文庫本はじめ20ほどの近世を中心とする写本が現存している。最古の古写本は宮内庁書陵部所蔵本で、抄出本であるが奥書によれば大永6年(1526年)7月に「禁裏御本」を書写したものであるという。また、匡衡の漢文については47首が『本朝文粋』に収録されている。
構成
編集参考文献
編集- 本間洋一『日本漢詩 古代編』和泉書院 1996年
- 後藤昭雄『大江匡衡』吉川弘文館 2006年
- 柳澤良一 編『石川県立図書館蔵川口文庫善本影印叢書 3 江吏部集 無題詩』勉誠出版 2010年