汕頭市
汕頭市(スワトウし、さんとうし、潮州語:Suaⁿ-thâu、英語:Swatow)は、中華人民共和国広東省東部に位置する[1]地級市。深圳市や珠海市と同じ、80年代初めに経済開放された都市である。中国の経済特区の1つ。
中華人民共和国 広東省 汕頭市 | |
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天壇花園 | |
略称:汕、鮀
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汕頭市の位置 | |
中心座標 北緯23度22分00秒 東経116度42分00秒 / 北緯23.36667度 東経116.70000度 | |
簡体字 | 汕头市 |
繁体字 | 汕頭市 |
拼音 | Shàntóu Shì |
カタカナ転写 | シャントウ シー |
粤拼 | Saan3tau4 Si5 |
潮州語 | Suan3tao5 Ci6 |
閩南語 | Sòaⁿ-thau Chhī |
国家 | 中華人民共和国 |
省 | 広東 |
行政級別 | 地級市 |
成立 | 1979年1月23日 |
市委書記 | 温湛浜 |
市長 | 曾風保 |
面積 | |
総面積 | 2,064 km² |
人口 | |
総人口(2006) | 497.19 万人 |
経済 | |
GDP(2006) | 703 億元 |
一人あたりGDP | 15,532元 |
電話番号 | 0754 |
郵便番号 | 515000 |
ナンバープレート | 粤D |
行政区画代碼 | 440500 |
市樹 | インドワタノキ |
市花 | 金鳳花 |
公式ウェブサイト: https://www.shantou.gov.cn/ |
地理
編集広東省東部の潮汕平原の沿海部に位置し、西と南は掲陽市、北は潮州市に接する。東は南シナ海で、海上に浮かぶ南澳島も市域に属する。北には桑浦山、長得竜山、竜坑山、香炉山といった山がある。韓江はここで南シナ海に注ぐ。大河である榕江と、支流の紅蓮池河、鮑斉河が市街地を流れ、以前は榕江で東西に分断される形となっていたが、現在は汕頭海湾大橋が架かり、一体化している。榕江の河口には媽嶼島、徳州嶼などの島々が点在する。
亜熱帯のモンスーン気候に属し、夏に雨が多いほか、秋には台風の影響を受け、年平均降水量は2420ミリメートルある。年平均気温は21.3℃で、冬も温暖である。
汕頭 (1991–2020 極值 1971–2010)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 29.0 (84.2) |
29.7 (85.5) |
31.6 (88.9) |
33.8 (92.8) |
35.5 (95.9) |
36.9 (98.4) |
38.8 (101.8) |
37.6 (99.7) |
36.9 (98.4) |
34.1 (93.4) |
32.2 (90) |
29.4 (84.9) |
38.8 (101.8) |
平均最高気温 °C (°F) | 18.8 (65.8) |
19.3 (66.7) |
21.6 (70.9) |
25.4 (77.7) |
28.7 (83.7) |
31.1 (88) |
32.7 (90.9) |
32.5 (90.5) |
31.5 (88.7) |
28.7 (83.7) |
25.1 (77.2) |
20.9 (69.6) |
26.36 (79.45) |
日平均気温 °C (°F) | 14.8 (58.6) |
15.3 (59.5) |
17.7 (63.9) |
21.7 (71.1) |
25.3 (77.5) |
27.9 (82.2) |
29.1 (84.4) |
28.9 (84) |
27.9 (82.2) |
25.1 (77.2) |
21.1 (70) |
16.8 (62.2) |
22.63 (72.73) |
平均最低気温 °C (°F) | 11.8 (53.2) |
12.6 (54.7) |
15.5 (59.9) |
18.9 (66) |
22.8 (73) |
25.5 (77.9) |
26.4 (79.5) |
26.2 (79.2) |
25.2 (77.4) |
21.9 (71.4) |
17.9 (64.2) |
13.6 (56.5) |
19.86 (67.74) |
最低気温記録 °C (°F) | 1.9 (35.4) |
2.1 (35.8) |
3.0 (37.4) |
8.8 (47.8) |
15.1 (59.2) |
18.0 (64.4) |
20.8 (69.4) |
21.6 (70.9) |
18.1 (64.6) |
8.2 (46.8) |
4.6 (40.3) |
0.3 (32.5) |
0.3 (32.5) |
降水量 mm (inch) | 38.0 (1.496) |
48.2 (1.898) |
85.9 (3.382) |
146.5 (5.768) |
194.3 (7.65) |
283 (11.14) |
223.2 (8.787) |
282.9 (11.138) |
149.2 (5.874) |
34 (1.34) |
43.5 (1.713) |
40.9 (1.61) |
1,569.6 (61.796) |
平均降雨日数 (≥0.1 mm) | 6.1 | 8.7 | 10.8 | 11.4 | 14 | 16.4 | 13.8 | 13.7 | 9.2 | 3.7 | 4.4 | 6.1 | 118.3 |
% 湿度 | 74 | 77 | 78 | 79 | 80 | 83 | 80 | 80 | 76 | 69 | 72 | 71 | 76.6 |
平均月間日照時間 | 144.8 | 112.5 | 112 | 127.3 | 153.8 | 172.6 | 241.9 | 214.5 | 202.7 | 211.9 | 176.8 | 160 | 2,030.8 |
日照率 | 43 | 35 | 30 | 33 | 37 | 43 | 58 | 54 | 55 | 59 | 54 | 48 | 45.8 |
出典:China Meteorological Administration[2] |
歴史
編集汕頭の市区部は古代には沿海沖積地だった。宋代には村落が形成され、掲陽県鮀江都に属した。元代になると大きな漁村が形成され、廈嶺といった。明初には蓬州守禦千戸所が設置され、1563年(嘉靖42年)、潮州府に澄海県が設置されると、これに帰属した。清の康熙年間に沙汕頭砲台が築かれ、雍正年間には汕頭と簡称するようになった。1756年(乾隆21年)、清政府は榕江河口の媽嶼島に常関を設立した。
第二次アヘン戦争(アロー戦争)を経て、それまで使用していた潮州港の治安が悪化し、代替港として1860年に対外開港された。海外には潮州語音を英語風に表した Swátōw として知られるようになった。これ以降、広東省東部の玄関口としての地位を得て発展をするようになり、1919年冬に汕頭市政局が設けられ、1921年7月市政庁が設置され、澄海と分れた。1930年正式に市政が施行され、広東省政府に属した。中華人民共和国成立後、1958年、汕頭専区が設けられ、名実共に潮汕地区の中心地となった。1981年に経済特区が設置されたが、深圳市や珠海市に比べ経済発展は限定されたものであった。1991年、行政区域の分割が行われ、潮州市、掲陽市が新たに地級市とて独立した。
対外関係
編集歴史的に華僑を多く輩出している土地であり、海外との交流が密接である。海外にいる華僑、華人及び香港、マカオ、台湾に居住している出身者は335万人を数え、世界40か国余に広がっている。とりわけ、タイ王国に在留している出身者が多い。これらの地域との独特の地縁を生かして、汕頭は対外開放初期から力を発揮してきた。友好都市としては、日本の岸和田市、カナダのセント・ジョン市、大韓民国の平沢市と提携している。
行政区域
編集6市轄区・1県を管轄する。
汕頭市の地図 |
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年表
編集汕頭市(第1次)
編集- 1949年10月1日 - 中華人民共和国広東省汕頭市が発足。一区から六区までの区が成立。(6区)
- 1951年9月19日 - 市内行政区域の再編により、一区から五区までの区が成立。(5区)
- 1951年10月 - 潮汕専区澄海県の一部が五区に編入。(5区)
- 1952年11月 (4区)
- 三区・四区が合併し、三区が発足。
- 五区が四区に改称。
- 1955年2月 - 四区の一部が分立し、五区が発足。(5区)
- 1956年1月4日 - 汕頭市が汕頭専区に編入。
汕頭地区
編集- 1956年1月4日 - 汕頭市、潮州市、粤東行政区潮安県・澄海県・潮陽県・掲陽県・饒平県・恵来県・普寧県・大埔県・豊順県・平遠県・蕉嶺県・興寧県・五華県・梅県・南澳県を編入。汕頭専区が成立。汕頭市・潮州市が県級市に降格。(2市15県)
- 1956年9月 - 饒平県の一部が大埔県に編入。(2市15県)
- 1956年11月26日 - 興寧県の一部が江西省贛南行政区尋鄔県に編入。(2市15県)
- 1958年5月 (2市15県)
- 澄海県・潮陽県の各一部が汕頭市に編入。
- 潮陽県の一部が普寧県に編入。
- 1958年10月 (2市15県)
- 潮陽県の一部が恵来県に編入。
- 饒平県の一部が潮安県に編入。
- 1959年3月22日 (1市9県)
- 澄海県が汕頭市に編入。
- 潮州市が潮安県に編入。
- 蕉嶺県が梅県に編入。
- 平遠県が興寧県に編入。
- 豊順県が大埔県に編入。
- 南澳県が饒平県に編入。
- 恵来県が普寧県に編入。
- 1959年3月31日 - 恵陽専区紫金県・海豊県・陸豊県を編入。(1市12県)
- 1959年11月 - 大埔県の一部(旧・豊順県の一部)が掲陽県に編入。(1市12県)
- 1959年12月 - 普寧県の一部(旧・恵来県の一部)が潮陽県に編入。(1市12県)
- 1960年9月30日 (1市14県)
- 1961年3月1日 (1市14県)
- 潮陽県の一部が普寧県に編入。
- 普寧県・汕頭市の一部が潮陽県に編入。
- 1961年3月21日 - 汕頭市の一部が潮陽県・澄海県に分割編入。(1市14県)
- 1961年10月5日 (1市18県)
- 1963年7月3日 - 紫金県が恵陽専区に編入。(1市17県)
- 1965年6月11日 - 汕頭市の一部が澄海県に編入。(1市17県)
- 1965年6月26日 - 梅県・大埔県・豊順県・蕉嶺県・平遠県・興寧県・五華県が梅県専区に編入。(1市10県)
- 1965年7月15日 - 掲陽県・陸豊県の各一部が合併し、掲西県が発足。(1市11県)
- 1970年 - 汕頭専区が汕頭地区に改称。(1市11県)
- 1974年12月12日 - 澄海県・潮陽県の各一部が汕頭市に編入。(1市11県)
- 1975年1月8日 - 潮陽県の一部が汕頭市に編入。(1市11県)
- 1975年2月 - 普寧県の一部が掲西県に編入。(1市11県)
- 1975年11月22日 (11県)
- 汕頭市が地級市の汕頭市に昇格。
- 恵来県の一部が潮陽県に編入。
- 1979年8月1日 - 潮安県の一部が分立し、潮州市が発足。(1市11県)
- 1983年12月22日
- 潮州市・澄海県・潮陽県・掲陽県・掲西県・普寧県・恵来県・饒平県・南澳県・潮安県が汕頭市に編入。
- 海豊県・陸豊県が恵陽地区に編入。
汕頭市(第2次)
編集- 1975年11月22日 - 汕頭地区汕頭市が地級市の汕頭市に昇格。紅旗区・紅陽区・紅衛区・郊区を設置。(4区)
- 1979年8月1日 (4区)
- 1980年7月17日 - 公園区・郊区の各一部が合併し、金砂区が発足。(5区)
- 1983年12月22日 - 汕頭地区潮州市・澄海県・潮陽県・掲陽県・掲西県・普寧県・恵来県・饒平県・南澳県・潮安県を編入。(5区1市8県)
- 潮安県が潮州市に編入。
- 1984年1月 - 郊区の一部が分立し、達濠区が発足。(6区1市8県)
- 1991年9月14日 (4区1市8県)
- 1991年12月7日 (4区3県)
- 1993年4月9日 - 潮陽県が市制施行し、潮陽市となる。(4区1市2県)
- 1994年4月18日 - 澄海県が市制施行し、澄海市となる。(4区2市1県)
- 1994年4月25日 - 潮陽市の一部が分立し、河浦区が発足。(5区2市1県)
- 2003年1月29日 (6区1県)
交通
編集航空
編集鉄道
編集- 広梅汕鉄路 - 全長480キロメートルで、汕頭から梅州を経て、広州に通じる。1995年9月27日に開通し、貨物輸送から利用が始まった。
- 廈深線 - アモイ市から、竜湖区や潮陽区を経て、深圳市を結ぶ。2013年12月28日に開通。ただし、当初は汕頭の中心部と連結されておらず、潮汕駅からの連絡線が建設され、汕頭駅とは2019年1月5日に接続された。
- 汕汕線
道路
編集バスターミナル
編集- 汕頭市汽車総站 - 市街地西部。多くの長距離バスが発着。
- 汕頭市汽車客運中心站 - 市街地東部の汕頭駅北隣り。総站とここの両方に寄る路線もある。
タクシー
編集2009年7月から初乗り2kmまで5元、1km毎に2.4元になったが、メーターを使わず、価格をふっかけることが常態化している。市街地の東西、汕頭駅から汽車総站までをメーターで走ると約20元。
海運
編集教育
編集- 汕頭大学 - 李嘉誠の寄付で創設された。
- 広東イスラエル工科大学
文化
編集住民の多くは潮州にルーツがあり、広義の閩南語の一種である潮州語を話す。潮州語で演じる地方劇の潮劇があり、その伴奏音楽である潮楽も盛んである。
食べ物は、海の幸を生かした潮州料理の本場であり、汕頭で改良された「小吃」(軽食)や点心も多い。味はあっさりしていて、日本人の口にも合うものが多い。工夫茶と呼ばれる喫茶の習慣も根付いている。
観光
編集出身者
編集脚注
編集- ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『シャントウ(汕頭)特別市』 - コトバンク
- ^ “CMA台站气候标准值(1991-2020)”. 2023年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月14日閲覧。
- ^ 县级以上行政区划变更情况 - 中華人民共和国民政部
- ^ 广东省 - 区划地名网