殺しが静かにやって来る
『殺しが静かにやって来る』(ころしがしずかにやってくる、原題:Il grande silenzio/The Great Silence)は、1968年制作のマカロニ・ウェスタン。
殺しが静かにやって来る | |
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Il grande silenzio/The Great Silence | |
監督 | セルジオ・コルブッチ |
脚本 |
マリオ・アメンドラ ブルーノ・コルブッチ ヴィットリアーノ・ペトリリ セルジオ・コルブッチ |
出演者 |
ジャン=ルイ・トランティニャン クラウス・キンスキー |
音楽 | エンニオ・モリコーネ |
撮影 | シルヴァーノ・イッポリッティ |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 |
1968年11月19日 1969年1月27日 1969年9月23日 |
上映時間 | 105分 |
製作国 |
イタリア フランス |
言語 | イタリア語 |
セルジオ・コルブッチ監督の後期の代表作。出演はジャン=ルイ・トランティニャン、クラウス・キンスキーらで、主演のトランティニャンは主人公の設定上、台詞がない。すさまじい暴力描写のため、数カ国で上映禁止処分を受けたいわくつきの作品。
あらすじ
編集西部の町スノーヒルは、悪徳判事ポリカットに操られたロコ[1]率いるアウトロー集団が支配する“無法地帯”と化していた。
ロコ一味に夫を殺されたポーリーンは、ある男に復讐を依頼する。その男は幼い頃にアウトロー集団に両親を殺されたうえ、声帯を切られて声を失っていた事から、“サイレンス”と呼ばれていた。
サイレンスはポリカットの策略で報奨金を工面出来なくなったポーリーンを不憫に思い、無償でその依頼を引き受ける。そして、持ち前の拳銃さばきでアウトローを一人また一人と倒していくが…。
キャスト
編集役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
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NETテレビ版 | ||
サイレンス | ジャン=ルイ・トランティニャン | セリフなし |
ロコ | クラウス・キンスキー | 大塚周夫 |
ギデオン保安官 | フランク・ヴォルフ | 富田耕生 |
ポリカット判事 | ルイジ・ピスティリ | 森山周一郎 |
ポーリーン | ヴォネッタ・マギー | 森ひろ子 |
レジーナ | マリーザ・メルリーニ | 前田敏子 |
知事 | カルロ・ダンジェロ | 千葉耕市 |
山賊頭 | スパルタコ・コンベルシ | 雨森雅司 |
ミゲル | ジャック・ドーフマン | 納谷六朗 |
ナレーション | — | 小林清志 |
不明 その他 |
相模太郎 島宇志夫 渡部猛 北村弘一 石森達幸 | |
演出 | 春日正伸 | |
翻訳 | 宇津木道子 | |
効果 | 赤塚不二夫 | |
調整 | 遠矢征男 | |
制作 | ニュージャパンフィルム | |
解説 | 淀川長治 | |
初回放送 | 1972年4月16日 『日曜洋画劇場』 本編約93分 |
備考
編集本作は西部劇史上稀にみる衝撃的なラストで終わる(主演のトランティニャンの発案といわれている[2])が、DVDスペシャル・エディションには特典として、ハッピーエンド版のエンディングが収録されている(音声はなし)。この「幻のハッピーエンドバージョン」がなぜ製作されたかについては2説ある。
一つはハッピーエンドバージョンのほうが本来のストーリーだったが、トランティニャンなどが主張したため(上述)ラストをネガティブなものに変更した、という説。もう一つは反対に、あまりに衝撃的なラストにプロデューサー側が難色を示したため、コルブッチ側がわざとでたらめなハッピーエンドを作って見せてプロデューサーが「こんなハッピーエンドなら元のラストのほうがマシ」と許可せざるを得ないように仕向けた、という説である。どちらが本当なのかはわかっていない。
アメリカの配給会社ファントマ・フィルムズからリリースされたDVDの解説冊子で映画監督アレックス・コックスは、クリント・イーストウッドの『シノーラ』は当初この作品のリメイクとして企画されていた述べていた[3]が、その7年後のコロラド大学ボルダー校主催の映画上映プロジェクト「The International Film Series」で紹介された映像解説では、イーストウッド主演のリメイク企画のことは取り上げているが、それが『シノーラ』だったとは述べていない。また、この映像解説ではハッピーエンディングの映像は日本のコレクターが提供したとも述べている[4]。
脚注
編集- ^ イタリア公開版での役名は“Tigrero”。
- ^ Il grande silenzio (1968) - Trivia - IMDb
- ^ “JOE KIDD (1972) ( 10676 )” (2005年10月17日). 2019年8月24日閲覧。
- ^ “Alex Cox intro for Corbucci’s THE GREAT SILENCE” (2012年9月24日). 2019年8月24日閲覧。