歯槽骨(しそうこつ)とは、顎骨の骨体部と歯牙を結ぶ骨で歯槽突起とも言う。歯槽骨は、固有歯槽骨と支持歯槽骨とに分けられる[1]。人体の場合、解剖学的に独立した骨体ではない。歯槽骨の「歯槽」とは、歯を入れ置く槽という意味を持つ。

歯槽骨は、機能的・組織学的に固有歯槽骨と支持歯槽骨の二部分に分けられる。

  • 固有歯槽骨(「歯槽の内壁」というと固有歯槽骨を一般的に指す)
    • 層板骨:線維骨のすぐ外側を歯根膜腔とはほぼ平行に縦走する層板状の骨。
    • 線維骨(束状骨):シャーピー線維が骨内に埋め込まれている骨。
  • 支持歯槽骨は、内板と外板を形成する緻密骨(皮質骨)と固有歯槽骨や皮質板との間を埋める海綿骨に分けられる[1]。皮質板は上顎骨より下顎骨の方が圧倒的に厚く、下顎臼歯部の頬側で最も厚い。

また、歯根と歯根の間にある歯槽骨を歯槽中隔といい、歯間中隔(槽間中隔)と根間中隔には脈管神経の通る栄養管がある。

脚注

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  1. ^ a b 中塚, p.76

参考文献

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  • 中塚敏弘『口腔解剖学サイドリーダー -歯科のための頭頚部解剖学・口腔解剖学要説-』(第1版第4刷)学建書院東京都文京区ISBN 4-7624-0106-4 

関連項目

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