歌川貞虎
江戸時代の浮世絵師
来歴
編集初代歌川国貞の門人。通称は与之助(または三之助)、五風亭と号す。「左筆」と落款した作があることから左利きだったと見られる。作画期は文政から天保の頃にかけてで、合巻の挿絵や花鳥画、美人画、役者絵などを描いた。法名は淳岳禅定門、墓所は東京都亀戸の光明寺。
作品
編集版本挿絵
編集- 『千本桜後日仇討』 ※合巻、墨川亭雪麿作。天保7年(1836年)刊行
- 『洗髪柳春雨』六巻 ※合巻、墨川亭雪麿作。天保11年(1840年)刊行
- 『いろは文庫』 ※人情本、為永春水作。天保12年刊行。第四編中の挿絵を貞虎が描く。
- 『開中荘子』3冊 ※艶本
錦絵他
編集- 「東都名所女夫尽の内 上野山内女夫杉」 大判錦絵 公文教育研究会所蔵
- 「向嶋弘法大師境内之図」 大判錦絵3枚続 公文教育研究会所蔵
- 「見立二十四孝之内 楊香」 大判揃物のうち 公文教育研究会所蔵 ※文政末
- 「東都七福神詣の内 日暮 布袋」 大判揃物 公文教育研究会所蔵 ※天保頃
- 「東都高名稲荷尽」 大判揃物 ※天保頃
- 「鎌倉七里ヶ浜ヨリ江の嶋遠見ノ図」 大判3枚続 ※天保10年頃
- 「隅田川の夕暮」 大判3枚続 ※天保13年頃
- 「新吉原 扇屋内七越」 大判 ※天保13年頃
- 「役者絵」 団扇絵 ※「歌川貞虎左筆」
- 「不忍池 月夜の図」 大判3枚続 中右瑛コレクション
- 「芥子と蝶」 大判 ※川正版
- 「皿まわし」 墨摺
- 「仙人」 墨摺
参考文献
編集- 井上和雄編 『浮世絵師伝』 渡辺版画店、1931年 ※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり[1]。
- 結城素明 『芸文家墓所誌』 村田書店、1977年 ※98頁
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年 ※44頁