栗木台
栗木台(くりぎだい)は、神奈川県川崎市麻生区の地名。現行行政地名は栗木台1丁目から栗木台5丁目。住居表示実施済区域[5]。
栗木台 | |
---|---|
町丁 | |
北緯35度36分33秒 東経139度28分33秒 / 北緯35.609228度 東経139.47585度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 神奈川 |
市町村 | 川崎市 |
行政区 | 麻生区 |
人口情報(2024年(令和6年)6月30日現在[1]) | |
人口 | 4,643 人 |
世帯数 | 2,104 世帯 |
面積([2]) | |
0.581551532 km² | |
人口密度 | 7983.82 人/km² |
設置日 | 1979年(昭和54年)11月1日 |
郵便番号 | 215-0032[3] |
市外局番 | 044(川崎MA)[4] |
ナンバープレート | 川崎 |
ウィキポータル 日本の町・字 ウィキポータル 神奈川県 ウィキプロジェクト 日本の町・字 |
地理
編集麻生区の西北部に位置する。全域が多摩丘陵の丘陵地の中にあり、鶴見川水系麻生川の支流片平川の最上流部となっている[6]。標高は約55メートルから120メートル程であり、北部に行くほど高い。
西は神奈川県道137号上麻生連光寺線を境界として麻生区栗木1丁目・2丁目、大字栗木、黒川に接する。東は道路を挟んで麻生区栗平1丁目・2丁目である。北は丘陵の尾根部が緑地として残され、麻生区黒川、東京都稲城市の平尾4丁目と隣接する。黒川との境には黒川東農村広場が整備されている。北西は麻生区南黒川であり、小田急多摩線黒川駅が近い。
地区内のほとんどは土地区画整理事業により綺麗に区画された住宅街が広がっており、小規模な公園が点在する。公園名には「とんびいけ公園」「まみ沢公園」などのように、開発以前の旧地名を残す配慮がされている[7]。南部の1丁目には林清寺の公園墓地、柿生霊園がある。
小田急多摩線が北西から南東へ向かって地区内を横断しているが、駅はない。南部は栗平駅に近く、北部は黒川駅が最寄りである。
開発以前
編集1970年代に土地区画整理事業が行われるまで、この地域には農村地帯が広がっていた。多摩丘陵の中に位置し、小高い丘に片平川の源流部を形成する谷が複雑に入り組む地形であった[6]。
小さな谷は谷戸と呼ばれ、水田や畑が開かれた。それぞれ鳶谷戸[8]や狸沢谷戸[8]、小坂谷戸[9]などという地名があり、谷戸の名前を言えば農作業の場所がお互いに分かった。
農業が営まれていた頃は水の便が悪く、「水田は十年のうち六年が不作」といわれるほどであった[7]。鳶谷池や狸沢池といった灌漑用の貯水池が造られ、水不足の時に村の責任者が栓を開け水田に水を送った[7]。
地価
編集住宅地の地価は、2024年(令和6年)1月1日の公示地価によれば、栗木台5-14-4の地点で18万8000円/m²となっている[10]。
歴史
編集栗木台成立以前の栗木地区の歴史については、栗木の歴史の節を参照すること。
- 1972年(昭和47年) - 川崎市多摩区栗木の東半分の地域に、栗木第一土地区画整理事業組合が発足[11]。小田急多摩線の敷設も進行し、開発が進められる[11]。同年、川崎市が区制施行し川崎市多摩区栗木となる[11]。
- 1974年(昭和49年)-小田急線多摩線が開通。区画整理事業地内を横断する。事業地の南端に栗平駅が開業[11]。
- 1979年(昭和54年)11月1日 - 区画整理事業地で住居表示が実施され、栗木台2丁目・3丁目が成立[5]。
- 1982年(昭和57年)1月18日 - 住居表示の実施に伴い、栗木台1丁目~5丁目が成立[5]。開発総面積は63ヘクタール余り[11]、丘陵の雑木林に囲まれた細い谷戸が伸び、水田が広がっていた農村は広大な住宅街に生まれ変わった。
- 1982年(昭和57年)7月 - 川崎市が区制を再編し多摩区から麻生区を分区。川崎市麻生区栗木台となる[11]。
- 1983年(昭和58年) - この年黒川との境の山にあった柿生小学校黒川分校が閉校し、栗木台5丁目に栗木台小学校が開校[12]。
字名・旧地名
編集字名
編集後の栗木台に相当する地域に存在した小字名は以下の通り。
大字栗木
字名 | 読み方 | 現在地その他 |
---|---|---|
1号[9] | いちごう | 旧栗木村域の東北の字[9]。栗木台1丁目と4丁目の一部、栗平1丁目から2丁目の一部を含む[9]。旧村域南東に残存する大字栗木の北部に現存。 |
3号[9] | さんごう | 旧栗木村域の西北の字[9]。現在の栗木台1丁目から5丁目、栗平2丁目の各一部[9]。1982年の住居表示で消滅。 |
旧地名
編集谷戸名
編集上 谷戸 [13]
栗木台1丁目1番地付近から鳶池へ続く長大な谷戸のことか。
中 谷戸 [8]
上麻生連光寺線に沿って黒川との境界の切り通しへ続く大きな谷戸。仲谷戸バス停に名を残す。
小坂 谷戸 [9]
栗木台2丁目17番地付近。
狸沢 谷戸 [8]
栗木台4丁目9番地から5丁目15番地の栗木台まみ沢公園へ続いていた谷戸。かつて狸沢池という溜池が造られていた。
御 嶽 さまの谷 [7]
栗木台1丁目14番地辺。大正時代以前にかつて御嶽神社があった山の近くの谷戸。
細 谷戸 [8]
栗木台3丁目4番地付近。鳶池の北側にあった谷戸。
鳶 の谷戸 [8]
栗木台3丁目7番地辺。溜池の鳶池があり、鳶池の西側の谷を総称して呼んだ。
小地名
編集栗木台1丁目8番地辺。菅の生えた沢だったか。現在栗木台すげ沢公園に名を留める。
栗木台4丁目の4、5、10番地辺り。マチは田の区画のことをさす。耕地が広がり、栗木の穀倉地帯となっていた。
3つの大きな谷戸が片平川の谷に合流するところ。上麻生連光寺線と栗木台からの大通りの交差点辺り、栗木台1丁目1番地付近。村の中心的な場所だった。
栗木台5丁目15番地。アラクは原野を開墾して耕地にしたところをさす。坊主頭のように丸い山を開いたからこう呼ぶ。
焼畑 [9]
読みは「やきっぱた」とも。栗木台1丁目4番地、昔焼畑が行われたか。
宮 田 [7]
栗木台4丁目11番地辺。旧御嶽神社の近くの田んぼ。
宮前 [7]
旧御嶽神社の近くの田んぼの呼び名。
深田 [9]
栗木台3丁目15番地辺。深い湿田であった。
山 野 [8]
栗木台2丁目9番地付近。栗木台山野公園に地名が残る。
鳶 山 [8]
栗木台2丁目8番地辺。鳶池の近くにあった山。
大六天山 [8]
読みは「でーろくてんやま」とも。栗木台1丁目14番地、林清寺柿生霊園北側。昔ここに大六天(第六天)の祠があった。
数山 [8]
栗木台3丁目10番地付近、細谷戸の上部にあった山。
狸 沢 池 [7]
狸沢谷戸の奥にあった溜池。
鳶谷池とも。栗木台3丁目6番地付近。現在の鳶谷池公園の西側にあった溜池。
世帯数と人口
編集2024年(令和6年)6月30日現在(川崎市発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]。
丁目 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
栗木台1丁目 | 683世帯 | 1,360人 |
栗木台2丁目 | 318世帯 | 703人 |
栗木台3丁目 | 338世帯 | 801人 |
栗木台4丁目 | 370世帯 | 851人 |
栗木台5丁目 | 395世帯 | 928人 |
計 | 2,104世帯 | 4,643人 |
人口の変遷
編集国勢調査による人口の推移。
年 | 人口 |
---|---|
1995年(平成7年)[14] | 2,553
|
2000年(平成12年)[15] | 2,842
|
2005年(平成17年)[16] | 4,170
|
2010年(平成22年)[17] | 4,541
|
2015年(平成27年)[18] | 4,422
|
2020年(令和2年)[19] | 4,778
|
世帯数の変遷
編集国勢調査による世帯数の推移。
年 | 世帯数 |
---|---|
1995年(平成7年)[14] | 956
|
2000年(平成12年)[15] | 1,107
|
2005年(平成17年)[16] | 1,561
|
2010年(平成22年)[17] | 1,703
|
2015年(平成27年)[18] | 1,721
|
2020年(令和2年)[19] | 1,941
|
学区
編集市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2021年12月時点)[20][21]。
番・番地等 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|
全域 | 川崎市立栗木台小学校 | 川崎市立白鳥中学校 |
事業所
編集2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[22]。
丁目 | 事業所数 | 従業員数 |
---|---|---|
栗木台1丁目 | 22事業所 | 168人 |
栗木台2丁目 | 6事業所 | 78人 |
栗木台3丁目 | 2事業所 | 5人 |
栗木台4丁目 | 15事業所 | 53人 |
栗木台5丁目 | 8事業所 | 99人 |
計 | 53事業所 | 403人 |
事業者数の変遷
編集経済センサスによる事業所数の推移。
年 | 事業者数 |
---|---|
2016年(平成28年)[23] | 37
|
2021年(令和3年)[22] | 53
|
従業員数の変遷
編集経済センサスによる従業員数の推移。
年 | 従業員数 |
---|---|
2016年(平成28年)[23] | 239
|
2021年(令和3年)[22] | 403
|
施設
編集- 川崎市立栗木台小学校
- 川崎市消防局麻生消防署栗木出張所
その他
編集日本郵便
編集警察
編集町内の警察の管轄区域は以下の通りである[25]。
丁目 | 番・番地等 | 警察署 | 交番・駐在所 |
---|---|---|---|
栗木台1丁目 | 全域 | 麻生警察署 | 栗平駅前交番 |
栗木台2丁目 | 全域 | ||
栗木台3丁目 | 全域 | ||
栗木台4丁目 | 全域 | ||
栗木台5丁目 | 全域 |
脚注
編集- ^ a b “令和6年町丁別世帯数・人口 6月末日現在” (xls). 川崎市 (2024年7月25日). 2024年8月16日閲覧。 “(ファイル元のページ)”(CC-BY-4.0)
- ^ “町丁別面積(総務省統計局「地図で見る統計(統計GIS)」の数値)”. 川崎市 (2018年5月22日). 2021年12月12日閲覧。
- ^ a b “栗木台の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月11日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
- ^ a b c “区別町名一覧表(麻生区)”. 川崎市 (2014年10月20日). 2021年12月12日閲覧。
- ^ a b 『川崎地名辞典(下)』、p.189。
- ^ a b c d e f g h i j k l 『川崎市の町名』、p.274。
- ^ a b c d e f g h i j k 『川崎地名辞典(下)』、p.192。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 『川崎地名辞典(下)』、p.191。
- ^ “不動産情報ライブラリ 国土交通省地価公示(標準地) 川崎麻生-18”. 国土交通省. 2024年4月9日閲覧。
- ^ a b c d e f 『川崎地名辞典(下)』、p.190。
- ^ “学校基本情報”. 川崎市立栗木台小学校. 2022年1月30日閲覧。
- ^ 『川崎地名辞典(下)』、p.188。
- ^ a b “平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
- ^ “麻生区の小学校(町丁名順)”. 川崎市 (2017年11月20日). 2021年12月12日閲覧。
- ^ “麻生区の中学校(町丁名順)”. 川崎市 (2017年11月20日). 2021年12月12日閲覧。
- ^ a b c “経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
- ^ a b “経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
- ^ “郵便番号簿PDF(2023年度版) 表紙等付属資料” (PDF). 日本郵便. 2024年2月10日閲覧。 “郵便番号データダウンロード 郵便番号簿PDF(2023年度版)”
- ^ “交番案内/麻生警察署/神奈川県警察”. 神奈川県警察. 2024年3月19日閲覧。