栂井靖弘
栂井 靖弘(とがい やすひろ、1971年11月27日 - )は、元ブーメラン・プレーヤー。大阪府出身。ブーメラン・プレーヤーとしての活動ネームは「トギー」[1]。
来歴
編集1991年11月、大阪経済大学の在学中に、ブーメラン回帰理論研究の第一人者・西山豊と出会う。西山のゼミの面接で、西山が投げたブーメランの動きを見た栂井は「カルチャーショック」を受け、ブーメランを始めることになる[3][4]。
1994年に隔年開催のブーメラン世界大会に初出場する。2017年に競技ブーメランを引退するまで世界大会には10回出場した[3]。
1997年、日本ブーメラン協会[5]の傘下団体となる『関西ブーメランネットワーク』を発足[6]。
2006年の北海道旭川市で行われたブーメラン世界大会で、個人戦オージーラウンド種目[† 1]で世界1位となる[3]。当時34歳の栂井は仕事を辞め体を作り直して本大会に臨んだ。大会当日は荒天のために周囲が思うような成績が出せずにいる中、栂井は「不思議なくらい、最高の風をとらえて」2度の満点を出し世界1位となった[2]。
2008年3月、栂井が製作した紙ブーメラン『ドリームシャトル』が、スペースシャトル・エンデバーに搭乗した土井隆雄と共に宇宙へ行き、国際宇宙ステーション内の無重力状態でブーメランがどのように飛ぶのか、非公式に実験された[3][8]。雑誌編集者の紹介で土井と面談した栂井が、無重力空間でのブーメランの軌道についてプレゼンしたところ、土井が快諾し本件が実現した。栂井は無重力空間ではブーメランがらせん状に上昇すると考えていたが、実際の映像では飛行の軌道はほぼ地球上と変わらなかった[9][10]。
2014年4月にオーストラリアパースで開催されたブーメラン世界大会の団体戦に日本チームで参加、優勝する。栂井は個人戦においてもアキュラシー種目[† 2]で2位となっている[3][11]。ブーメラン世界大会の団体戦優勝はアジア初だった[12]。
2017年11月、体調の問題から競技ブーメランを引退[13]。2018年をもってブーメランの普及活動を終了した[14]。日本ブーメラン協会会員、関西地区代表[15]。
主な競技実績
編集個人戦
編集- 1998年「ジャパンカップ」(浦和)総合優勝[16]
- 1998年「ブーメラン世界大会 in セントルイス」個人戦・ファストキャッチ種目 世界5位[1]
- 2000年「ブーメラン世界大会 in メルボルン」個人戦・MTA(滞空時間)種目 世界3位[1]
- 2004年「ジャパンカップ」(熊本)総合優勝[17]
- 2005年「秋季競技会」(群馬)総合優勝[18]
- 2006年「ブーメラン世界大会 in 旭川」個人戦・オージーラウンド種目 世界1位[19]
- 2008年「ブーメラン世界大会 in シアトル」個人戦・MTA種目 世界2位。個人戦・ファストキャッチ種目 世界5位[20]
- 2014年「ブーメラン世界大会 in パース」個人戦・アキュラシー種目 世界2位[21]
団体戦
編集※栂井が日本代表として出場したブーメラン世界大会
著作
編集書籍
編集- 『紙ブーメラン』、誠文堂新光社、2001年8月、ISBN 978-4-416-20114-5
- 『よくとぶ! カンタン! 紙ブーメラン&ヒコーキ』共著、ひかりのくに、2004年5月、ISBN 978-4-564-07009-9
- 『投げろ!紙ブーメラン』、誠文堂新光社、2004年11月、ISBN 978-4-416-30307-8
- 『絶対戻ってくる!紙でつくる!スーパーブーメラン』、カンゼン、2006年7月、ISBN 978-4-901-78281-4
DVD
編集- 『ブーメランの楽しみ方〜小学校の親子レクリエーション〜』監修、メディアジャパン、2014年3月[25]
その他
編集- 『ガチャピン・ムックのコラボブーメランキット』監修、2011年5月[26]
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g “栂井(トギー)ブーメラン・プロフィール”. 関西ブーメランネットワーク. 2019年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月24日閲覧。
- ^ a b “栂井 靖弘さん | 私的・すてき人”. 南大阪[堺・泉州・南河内]地域のタウン情報サイト 【キットプレス】 (2006年7月27日). 2018年9月5日閲覧。
- ^ a b c d e “世界チャンピオン 栂井 靖弘” (PDF). 大阪狭山市文化振興事業団 (2014年9月1日). 2018年9月5日閲覧。
- ^ “ブーメランとの出会い”. 近頃のトギー(Reboot) (2017年10月14日). 2019年4月24日閲覧。
- ^ “日本ブーメラン協会”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月6日閲覧。
- ^ “関西ブーメランネットワーク発足”. 近頃のトギー(Reboot) (2017年11月4日). 2019年4月24日閲覧。
- ^ a b “国内・世界大会 公式ルール”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月5日閲覧。
- ^ “宇宙でブーメランをキャッチ JAXAが映像公開”. ITmedia (2008年5月1日). 2018年9月5日閲覧。
- ^ “ブーメラン、宇宙空間でどう戻る? 土井飛行士が"実験"へ”. YOMIURI ONLINE (読売新聞). (2008年3月6日). オリジナルの2008年3月8日時点におけるアーカイブ。 2018年9月7日閲覧。
- ^ “第93回(最終回)本当に実現! ブーメラン宇宙の旅 <後編>”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2008年5月18日). 2018年9月6日閲覧。
- ^ “ブーメラン世界大会で日本チーム優勝-志摩出身の濱口雅也さんも貢献”. 伊勢志摩経済新聞. (2014年4月28日) 2018年9月5日閲覧。
- ^ “団体戦でブーメラン世界チャンピオン”. 近頃のトギー(Reboot) (2017年11月12日). 2019年4月24日閲覧。
- ^ “ブーメラン引退宣言”. 近頃のトギー(Reboot) (2017年11月13日). 2019年4月24日閲覧。
- ^ “ブーメラン活動最終日”. 近頃のトギー(Reboot) (2018年12月31日). 2019年4月24日閲覧。
- ^ “日本ブーメラン協会とは”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月5日閲覧。
- ^ “1998.11.1 ジャパンカップ 浦和”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月5日閲覧。
- ^ “2004.9.18-19 ジャパンカップ 熊本”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月5日閲覧。
- ^ “2005.11.19-20 秋季競技会 群馬”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月5日閲覧。
- ^ a b “2006 旭川 ブーメランワールドカップ”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月5日閲覧。
- ^ a b “World Boomerang Championship Seattle 2008”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月5日閲覧。
- ^ a b “2014 Boomerang World Cup in Perth”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月5日閲覧。
- ^ “2002 ドイツ ブーメランワールドカップ”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月5日閲覧。
- ^ “2004 フランス ブーメランワールドカップ”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月5日閲覧。
- ^ “World Boomerang Championship Roma 2010”. 日本ブーメラン協会. 2018年9月5日閲覧。
- ^ “紙ブーメランのDVD”. 関西ブーメランネットワーク. 2018年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月24日閲覧。
- ^ “ブーメラン・トピックス”. 関西ブーメランネットワーク. 2018年9月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月24日閲覧。